あらゆる視点から見たウクライナ情勢
こんにちは。人材開発の冨田です。
さて、2022年は始まったばかりですが、すでに今年の最大のトピックスとなるであろう「ロシアのウクライナへの侵攻」問題について取り上げます。
この問題については、毎日のようにメディアで最新情報が報道され、有識者たちがそれぞれの意見を述べられています。それぞれいろんな意見がありますが、まず間違いなく言えることが、「プーチン大統領が悪い」ということです。ここは強く主張しておきましょう。
その上で今日は、「それぞれの立場」から見たウクライナ情勢について解説いたします。
世界中の人から見た景色
普段、世界情勢に関心のない人たちには、まさに青天の霹靂、突然の出来事だったのではないでしょうか。
テロリストの仕業ではなく、国のトップか命じて、他国に侵攻したということが、にわかに信じられません。
でも、それは現実の世界で起こっています。そして、ロシアの爆撃により、ウクライナの一般市民が犠牲になっています。多くの子供が亡くなっています。
これには世界中の誰もが怒りを覚え、ロシアを強烈に非難しています。
世界中の人々が、SNS上でウクライナの人たちへの支援を呼びかけていて、各国首脳も、ウクライナ難民を積極的に受け入れると表明しています。
そして、欧米を中心に世界の大半の国が、ロシアに対して経済制裁を行います。SWIFT(銀行間の国際金融取引)からも除外することになりました。
ウクライナから見た場合
もともとソ連時代には、ロシアとウクライナは一心同体でしたが、ソ連崩壊、そして社会主義の崩壊により、ウクライナは徐々に変わっていきました。
やがて民主主義の動きが活発になっていき、特にゼレンスキー大統領になってからは、ロシアの敵側であるNATOに加盟したいと、ずっと声を上げていました。
とはいえ、ウクライナの国民は、西と東で、民主主義派と親ロシア派に分断されています。大半は西側の民主主義派なのですが、ロシア側についた方が良いという考えの人も居るのは確かです。
そんな中、ロシアによる侵攻が始まり、ゼレンスキー大統領を筆頭に、「国を守るんだ」という高い意識を持った兵士たちが必死の対抗をしています。ロシアが苦戦しているのは、ロシア兵とウクライナ兵では「士気の高さ」に違いがあるからだと言われています。
NATOの立場から見た場合
NATO(北大西洋条約機構)は、現在30ヶ国が加盟しています。アメリカとヨーロッパ諸国による軍事同盟で、ソ連に対抗する形で作られました。加盟国が攻められた時に、集団で軍事対抗するというものです。
しかし、ウクライナは加盟国ではありません。なので、アメリカも欧州も軍事介入はできません。武器を供給するだけにとどまっています。
とはいえ、このプーチンの暴行に対しては、もっと強く出ても良いのではないかという意見が多く上がっています。
でも、実は、ロシアに対して強く出れない事情があるのです。
まず欧州ですが、ロシアから石油や天然ガスなどのエネルギー源を大量に購入しています。そのエネルギーがないと電気が止まってしまうくらいです。
一方、アメリカにおいては、最近のアメリカ国民の民意が、「他国の戦争に介入するな」という風潮なので、バイデン大統領としても積極的に出ていけないのです。
プーチン大統領の立場から見た場合
プーチン大統領としては、ソ連の崩壊により、かつての仲間たちが次々とNATOに加盟していき、西側勢力がどんどん東側に迫っていることに脅威を感じていました。
そして、旧ソ連のナンバー2とも言えるウクライナまでがNATOに入りたがっている。そんなことは絶対に許されない。
特に気に食わないのが、NATOの主導国であるアメリカが、民主主義圏を東欧側にどんどん推し進めていることです。
プーチン大統領は、自分たちの勢力を拡大したいという野望からではなく、西側諸国の迫りくる脅威を感じていたからこそ、今回の武力行使で対抗したのだと思います。
決してプーチン大統領を擁護しているわけではなく、1ミリたりとも賛同できないですが、プーチンはプーチンなりの「正義」があるのです。
これがややこしいところです。お互いの正義を押し通そうとすると、必ず対立構造を生んでしまい、戦争にまで発展してしまいます。
ロシア国民から見た景色
ロシア国内にいる、特に高齢者層に関しては、プーチン大統領を支持する人が多いです。ソ連崩壊後の、最悪の時期を経験している高齢者の人たちにとって、プーチン大統領はロシアの経済を発展させ、国を立て直してくれた最大功労者だからです。
情報源もロシアの国営テレビのみで、ネットは見ません。そうなると、ロシア政府のプロパガンダを鵜吞みにしてしまうのです。ネットで拡散されている情報こそ「フェイクニュースだ」「他国が間違った情報を流している」と、こんな風に思っています。
一方で、ロシアの若い人たちはまったく逆の見方をしていて、ネットの情報こそが事実であり、プーチン大統領は今とんでもないことをしていると言っています。
でも、ロシア国内でデモを起こせば、すぐに鎮圧され拘束されてしまいます。次第に誰も声を上げられなくなります。
日本から見た景色と今後の見方
日本はこのウクライナ情勢をどう見るべきか。だいぶ離れた場所での戦争ではありますが、当事者は隣国のロシアです。日本とロシアとでは北方領土の問題がありますね。
さらに、お隣さんの中国も、ロシアと同じ共産主義で権威主義国家です。中国は台湾を取り込みたく、虎視眈々とそのタイミングを計っています。台湾の近くにある尖閣諸島に、中国がやたらちょっかい出してくるのは、台湾を攻め込む際に邪魔だからです。
もし、中国における台湾・尖閣有事が起きた際には、アメリカは果たして助けてくれるのでしょうか。今回、アメリカがどう動いたかを見ておくことが大切です。代わりに軍事対抗してくれるのか、してくれないのか。
今回の事例から、やはり核を持った国は強いのだなあと。核を持たない国は抑止力がないのだなあと、つくづく思わされます。日本も他人事ではなくなりました。
最後に
今回のウクライナ情勢は、当事者のみならず、世界中へ影響を及ぼしています。ロシアに経済制裁を加えることで、石油価格は爆上がりするし、エネルギー源をロシアに依存してるところは死活問題です。
また、ロシアのような大国がこのような暴挙に出られるのは、結局「核とエネルギー資源」を持っているからです。
平和ボケしている日本人には到底考えられない世界ですが、いまはネットでリアルな情報が入ってきますので、我関せずではなく、関心をもって見守ることが大事なのだと思います。
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