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「レストラン型」と「BBQ型」

 

こんにちは。冨田です。

ビジネスにおけるサービス提供には、「レストラン型」と「BBQ型」という考え方があります。

これは何かというと、

「レストラン型」は、プロのシェフが料理を作り、お客さんは席に座って待つだけ。
「BBQ型」は、みんなで材料を持ち寄って、自分たちで焼いて食べる。

どちらも「食事」という目的は同じですが、価値の源泉がまったく違います。

それでは、今日はその二つの違いについて解説したいと思います。

 

レストラン型:完成された価値を提供する

レストラン型の本質は「プロがつくり、ユーザーは受け取る」という構造です。
つまり、サービス提供者が主役です。

シェフが素材を選び、火加減を調整し、美しい盛り付けでお皿に乗せます。
お客さんは「美味しかった」「雰囲気が良かった」と体験を楽しみます。
このモデルでは、「完成品のクオリティ」こそが価値です。

【レストラン型の強み】

・品質が安定している
・サービス体験をコントロールしやすい
・ブランド化がしやすい

たとえば高級ホテル、プロのコンサルティング、職人が手掛ける商品など、いずれも「プロが責任を持って最高の形に仕上げる」スタイルです。

【レストラン型の弱み】

一方で、ユーザーが受け身になりがちという側面があります。
完成された体験は快適ですが、同時に「自分の関与」は薄くなります。
また、提供者側も常に品質を維持するために高コストになりやすく、「スケール化」に限界があるという課題もあります。

 

BBQ型:参加してつくる、共創の価値

一方のBBQ型は、ユーザー自身が体験を作るスタイルです。
誰かが肉を焼き、誰かが野菜を切り、誰かが火を起こします。
料理のプロはいなくても、その場に参加する全員が主役になれます。

ここでの価値は「完成した料理」ではなく、「一緒に作る過程で生まれるコミュニケーション」や「体験そのもの」です。

【BBQ型の強み】

・参加者の満足度、愛着が高まる
・コミュニティが形成されやすい
・新しいアイデアや創造性が生まれやすい

SNS、ワークショップ、オープンキャンパス、クラウドファンディング、YouTubeなど、現代の多くのヒットサービスは、実はこのBBQ型の構造に近いです。
つまり、「ユーザーが参加すること自体が価値」になっているのです。

【BBQ型の弱み】

ただし、BBQ型には「品質が安定しにくい」という弱点があります。
誰が焼くかで味が変わるし、リーダー不在ではグダグダになりやすいです。
つまり、「放任」と「自由」の境界線をうまく設計できるかが勝負どころです。

 

どちらが正解か?

それでは、「レストラン型」と「BBQ型」、いったいどっちが正解なのでしょうか?

その解は、どちらか一方に寄り切るよりも、「両方を掛け合わせる」のが理想です。
レストラン型のように品質や体験をデザインしつつ、 BBQ型のように参加者の創造性や関与を引き出す。
これを「ハイブリッド型サービス」と呼びます。

【ハイブリッド型の例】

■スターバックス
プロがコーヒーを淹れる(レストラン型)けれど、お客がカスタマイズを楽しみ、店員との会話を味わう(BBQ型)。

■ IKEA
デザインと品質は統一されている(レストラン型)けれど、組み立ては自分で行う(BBQ型)。
その“自分で作った感”が満足度を高めています。

■ YouTube
プラットフォーム自体は整備済み(レストラン型)だけど、コンテンツを生むのはユーザー(BBQ型)。

つまり、プロが「土台を用意」し、ユーザーが「物語を完成させる」のです。
このバランスが、現代のサービス成功のカギになっています。

 

時代の流れはBBQ型へ

今や情報が溢れ、誰でも発信できる時代です。
「一方的に提供されるもの」よりも、「自分も関われるもの」への価値が高まっています。

オンラインコミュニティ、共創型ブランド、ファン参加イベントなど。
すべてBBQ型の思想がベースにあります。

人は「自分がその場の一部だ」と感じると、愛着が生まれます。
これはマーケティングでも採用でも教育でも同じです。
いま、「共につくる設計」がブランド力を左右する時代になっています。

 

組織づくりにも応用できる

この考え方は、外向けのサービスだけでなく、社内の組織運営にも当てはまります。

たとえば、
トップがすべてを決めて指示を出す会社はレストラン型
社員一人ひとりが意見を出し合い、仕組みを一緒に作る会社はBBQ型

前者はスピードが早く効率的だけど、意見が通らない不満が溜まりやすい。
一方、後者は時間がかかるけど、定着率やチーム力は高まる。

理想はやはり、目的や方向性は経営側が示し、やり方は現場で共創するハイブリッド型組織です。
「BBQの火を絶やさず、レストランの味を保つ」ようなバランス感覚が求められます。

 

まとめ

レストラン型=料理の完成度
BBQ型=料理を作るプロセス

これからの時代、提供するサービスは「レストランの味」と「BBQの楽しさ」を両立させる必要があります。

少しでも参考になれば幸いです。

それではまた。

 

 

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