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望み

こんにちは、広報チームの佐藤です。

最近は、感染対策をしっかり行っている施設に少しずつ足を運びだしています。

映画館もその1つで、今回は、「望み」という映画を鑑賞してきました。

一級建築士の石川一登と妻・貴代美は、自らデザインしたスタイリッシュな邸宅で、高校生の息子と中学生の娘と共に暮らしていた。

ある晩息子が帰宅せず、一登と貴代美が警察に通報すべきか心配していると、息子の同級生が殺害されたというニュースが流れる。

そこから、家族の自分の子供が、加害者なのか・被害者なのか。という葛藤が始まっていくお話です。

正直、見ていてとても辛くなりました。自分が同じような立場になったら?と考えると…。

自分はどう思い、そしてどのように行動するのだろう。と自問してみましたが、結局答えは出ませんでした。

世の中、自分だけは絶対あり得ないなんて事はなく、この先いつ自分の子供が事件に巻き込まれるか分からないですよね…。

予測して準備までする必要はないと思いますが、普段平穏な日常を送っていると鈍りがちな感覚に気づけたお話でした。

事件が起きると、どんな家庭環境で育ったか報道されますよね。

もちろん、それもあると思いますが、そういう環境は関係なく、巻き込まれてしまう可能性があるのだな。という事に気付きました。

息子は被害者なのか加害者なのか?ほんの数日の両親の葛藤が細やかに描かれる。どちらに転んでも地獄。どちらがまだ救われる状況なのか。

夫婦での意見も食い違い、そして兄弟の立場の気持ちもきちんと描かれています。

どちらかの立場をそうじゃないと信じることでもう一方の絶望を受け入れなければならない状況…。加害者であれ、被害者であれ、どちらも地獄ですよね。

父親と母親どちらの心情もリアルで、でも一番共感したのは兄妹の気持ちかもしれないです。

何を信じて何を望んだらいいのかという葛藤がとても長い時間のように感じたけど、実際は事件からほんの数日のお話なのかとふと気付いた時にまたこの作品の重みを感じた気がします。

この映画は、失踪してからたった数日間の毎日が描かれているのです。たった数日間…という所に、事件発覚後の日常の変化や葛藤がすさまじい物だと感じられました。

そして、家では反抗期なのか口数が少なかった事件当事者の兄が、父親の何気ないいいつけを覚悟をもって守っていた事に心を打たれました。

彼が1番、家族という居場所について考え、意味を見出だしていた気がします。

警察の方が「しっかりしていて責任感のある子程、自分で問題をかかえ解決しようと考える。」と言っていた言葉が忘れられません。

 望みって希望と夢とかキラキラしたものを表現する言葉だと思っていたけれど、こんなに切ない「望み」があるとは…。

ハッピーになる映画ではないですが、物凄い爪痕を残される映画だと思っております。ご

興味のある方は是非映画館へ。公開したばかりです。

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