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リカレント教育

こんにちは、広報チームの佐藤です。

自宅で過ごす事が多くなって、読書をしたり何か勉強をしたいと思っている、今日この頃ですが、皆さんはリカレント教育という言葉をご存じですか?

勉強って、基本は子供の頃から働くようになるまでは、勉学だけをしている人が多いですが、実は、仕事をするようになって、更に知識を深めたいと思ったり、新しい事を学んでみたいという意欲が沸く事も多いですよね。

私も最近、英語の勉強を始めましたが、なかなか学生時代のように時間が取れずに、もどかしい気持ちもありますが、出来る時に頑張ろうと思っています。

そんな訳で、今回は「リカレント教育」についてお話しようと思います。

生涯にわたって、教育と就労のサイクルを繰り返す「リカレント教育」。

もともとは欧米で一般的な教育制度でしたが、雇用の流動化や人生100年時代などを背景に、近年日本でも注目されています。

リカレント(recurrent)とは「反復、循環、回帰」を意味するため、リカレント教育は日本語では「回帰教育」「循環教育」などと表現します。

義務教育や高校・大学などで学問を修めて仕事に就いてからも、必要と感じたタイミングで学び直すため、「学び直し教育」「社会人の学び直し」とも呼ばれています。

学び直す社会人にとっては、新しい知識を身に付けることで、キャリアアップや転職時のアピールポイントになることが期待できます。

リカレント教育の歴史をはじめ、欧米と日本のリカレント教育の違い、日本でリカレント教育を受け方法についてご紹介します。

リカレント教育を提唱したのは、スウェーデンの経済学者ゴスタ・レーンです。

「急速に変化していく現代社会に適応していくためには、生涯にわたって教育を受け続けることが重要であり、必要に応じて労働と教育を交互に行える状態が好ましい」と提唱しています。

1970年に「経済協力開発機構(OECD)」の教育政策会議で取り上げられたことをきっかけに、欧米を中心として研究が進められてきました。

現在では、生涯学習の方法の1つとして知られています。

日本でリカレント教育を受けるには、幾つかの方法があります。

例として、大学や短期大学などの「社会人特別選抜」「編入学」「夜間部・昼夜開講制」「科目等履修生」「聴講生・研究生」などが挙げられます。

この他、1部の大学では通信教育も実施されています。

受講期間や費用などがそれぞれ異なるため、条件や希望によって選択することが重要です。

今、なぜリカレント教育が日本で注目を集めているのでしょうか?

リカレント教育が注目されている背景をご紹介します。

背景①:急速な技術革新や市場の変化 ~新たな知識・スキルの習得を目指す~

近年、「AI」や「IoT」の登場など急激な技術革新が進み、それに伴い市場も変化しています。

そのため、「これまで通りに仕事をしていては、通用しない」「これまでと全く違ったスキルが求められる」といったことが、多くの企業にとって課題となっています。

技術革新や市場の変化に対応するためには、「これまでの知識・スキルのアップデート」と「新たな知識・スキルの習得」が欠かせません。

そうした知識を身に付ける手段として、教育と就労のサイクルを繰り返すリカレント教育が注目を浴びています。

背景②:雇用の流動化の加速 ~自分のキャリアパスに合わせて学習するため~

かつては新卒で入社した会社で定年まで働く「終身雇用」が当たり前でした。

しかし最近では転職活動をする人も多く、雇用の流動化が進んでいます。

終身雇用の時代には、社内教育や実務で仕事に必要な知識を自然と身に付けることができました。

しかし、近年は1つの企業での勤続年数が短くなっているため、「社内教育だけでは必要な知識を習得できない」という課題があります。

そのため、従来のような企業主体の社内教育だけに頼るのではなく、社員自らが学びの機会を作ることが重要になってきています。

自分のキャリアパスに合わせて、自ら学習する手段として、リカレント教育が注目されています。

背景③:「人生100年時代」の始まり ~男女問わず若者から高齢者まで全員が活躍する世界~

日本では、平均寿命が延びてきていることにより、「人生100年時代」が始まろうとしています。

これまでは、定年前までの世代が中心となって仕事をしてきました。

しかし、人生100年時代では、男女問わず若者から高齢者までみんなが活躍することが求められています。

働く期間が長くなることで、定年退職後の再雇用・再就職、育休・産休後の仕事復帰・キャリアアップを目指す人も増えるでしょう。

全員が活躍したり、ブランクを乗り越えたりするためには、絶えず新しい知識を身に付けることが大切です。

そのための手段として、リカレント教育が注目されています。

リカレント教育で学ぶことができる内容

リカレント教育で学べる内容は多岐にわたりますが、主に仕事と直結した内容を学ぶことが多いようです。

例として、経営学・法律・会計といった「ビジネス系科目」、英語などの「外国語」、MBA・社会保険労務士といった「資格取得系科目」、「ITリテラシー」「内部監査」などが挙げられます。

また、観光や農業など「地域に特化した科目」や、介護・福祉といった「社会的需要の高い科目」も、学習することができます。

リカレント教育の対象者

リカレント教育の対象者は、義務教育や高校・専門学校・大学などで教育を修めた「社会人」です。

「社会人として現在働いている人」の他、「社会人として働いた経験のある人」も対象となります。

また、「何歳から何歳まで」といった年齢制限もありません。

そのため、勤務先や家族の理解が得られれば、「もう一度学びたい」と思ったタイミングで学び直すことができます。

最近では、結婚・出産・介護などの理由で一旦離職した仕事のブランクがある人や、定年退職者がリカレント教育を受けることも多いようです。

リカレント教育と生涯学習の違い

「リカレント教育」と混同されがちなのが、「生涯学習」です。実際、大学などの社会人対象のリカレント教育が「生涯学習講座」として開設されるケースもあり、明確に区別されていないことも多いようです。

しかし実際には、その目的と内容が異なります。

リカレント教育は「仕事に活かす」ことを目的にしているのに対し、生涯学習は「より豊かな人生を送る」ことを目的としています。

また内容については、リカレント教育の場合、働くことを前提に仕事に活かせる知識を学ぶため、趣味や生きがいを目的とした学びは含まれません。

一方で生涯学習の場合、仕事に活かせる知識だけでなく趣味やスポーツ、ボランティアなど、仕事に直結しないものも含まれているという違いがあります。

リカレント教育よりも生涯学習の方が広義の言葉であり、生涯学習の1つの形がリカレント教育であると言えます。

リカレント教育についての国の取り組み

内閣官房 人生100年時代構想推進室は、2018年に『リカレント教育参考資料』を発表しました。

この資料によると、高等教育機関への25歳以上の入学者の割合は、OECD参加国の平均が16.6%であるのに対し、日本は2.5%とその割合が著しく低いようです。

また、「仕事が忙しくて学び直しの余裕がない」「費用がかかりすぎる」といった理由から、学び直しに問題があると感じている社会人が78.4%もいることがわかりました。

このように日本では、リカレント教育がまだあまり普及していませんが、「人生100年時代」を見据え、文部科学省を中心に、リカレント教育の拡充に向けた取り組みが進められています。

https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo4/043/siryo/__icsFiles/afieldfile/2018/08/03/1407795_2.pdf

↑文部科学省のHPに詳しい内容が記されています。

リカレント教育に取り組む企業

リカレント教育を受講する社員を増やすためには、勤務先のサポートも重要です。実際に、リカレント教育に取り組んでいる企業の事例をご紹介します。

事例①:サイボウズ株式会社 ~退職後6年間であれば、復帰が可能~

ビジネスアプリ作成プラットフォーム「kintone」や、中小企業向けグループウェア「サイボウズ Office」を展開するサイボウズ株式会社では、2012年から、35歳以下の社員を対象に、退職後6年間であれば復帰が可能な「育自分休暇制度」をスタートしました。

この制度は、転職や留学など、環境を変えて成長したい人に、退職後も復帰しやすい環境をつくることを目的としています。

会社を離れて新たな知識・スキルを獲得した社員が再集結することで、より強い組織がつくられているようです。
(参考:『離職率28%からの改革。サイボウズの働き方改革&採用戦略とは【セミナーレポート】』)

事例②:パーソルキャリア株式会社 ~働き方の選択の一環として、学び直しをサポート~

パーソルキャリア株式会社には、ライフステージやキャリアプランにマッチした働く日数・時間・場所・休暇を選択できる「FLASH」という制度があります。

その一環として、「Learning(進学・留学)」をサポートしています。

仕事の成果につながる勉強をしたい場合、最長1年間の時短勤務、あるいは最長2年間の休業が可能です。

スキルアップ期間として、社員はこの制度を活用しています。

リカレント教育に関連するサービス

大学などの教育機関のみならず、民間企業もリカレント教育に関連したサービスを提供しています。民間企業が提供しているサービスの一例をご紹介します。

サービス①:株式会社Schoo ~オンラインでの生放送授業~

生放送コミュニティ「Schoo(スクー)」を運営する株式会社Schooでは、オンライン動

画学習サービスを提供しています。

授業内容は、ビジネススキルやマネジメント、政治経済、語学など多岐にわたります。生放送は毎日行われているため、忙しいビジネスパーソンでも、気軽に学び直しをすることができるようです。

サービス②:博報堂生活者アカデミー ~「発想力」を鍛えるプログラム~

博報堂生活者アカデミーでは、大手広告代理店の株式会社博報堂で培ってきたノウハウを活かし、社会人の「発想力」を鍛えることに特化したプログラムを行っています。

「1DAYワークアウト」や「5DAYSキャンプ」といった短期間のプログラムがあります。習得した「発想力」をビジネスに役立てることで、イノベーションの創出が見込めます。

サービス③:株式会社ベネッセi-キャリア ~大学生から新社会人を対象にしたサービス~

株式会社ベネッセホールディングスとパーソルキャリア株式会社の合弁企業である株式会社ベネッセi-キャリアでは、大学生から新社会人を対象にしたサービスを展開しています。

「問題解決力」や「英語コミュニケーション能力」など、社会人として必要な能力を伸ばすことを目的としています。新社会人の定着や社会人へのスムーズな移行に効果が期待できるサービスです。

リカレント教育にかかる費用

カレント教育にかかる費用は、「どういった方法で」「どのくらいの期間」学ぶかによってさまざまです。

大学などに通年通う場合、入学金が数万円~数十万円、授業料が年間数十万円以上かかるのが一般的です。

通信教育や公開講座、オンライン授業の場合には、授業料が1科目当たり数千円~数万円程度かかります。

社員にリカレント教育を推奨したい企業は、費用の一部補助などを検討すると良いでしょう。

一方、リカレント教育を受けたい社会人は、かかる費用やサポート体制の充実度などを考慮した上で、どこで何を学び直すかを決めることが重要です。

リカレント教育で活用できる給付金・助成金

リカレント教育の障壁の1つである「費用」の問題は、補助金・助成金を使うことで、ある程度解決することができます。社会人が活用したい「教育訓練給付金」と、企業が活用したい「人材開発支援助成金 教育訓練休暇付与コース」についてご紹介します。

「教育訓練給付金」 ~教育訓練受講にかかった費用の一部を支給する補助金~

リカレント教育を受ける社会人が利用したいのが、「教育訓練給付金」です。

教育訓練給付金は、社会人の主体的な能力開発やキャリア形成、雇用の安定、再就職の促進を図ることを目的としています。

対象の教育訓練の受講修了後、ハローワークを通じて申請を行うことで、受講費用の一部が支給されます。教育訓練給付金は目的により、「一般教育訓練給付金」と「専門実践教育訓練給付金」に分けられます。

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/jinzaikaihatsu/kyouiku.html

厚生労働省のHPに記されています。

社員にリカレント教育を受けてもらうために休暇制度の創設を検討する企業もあるでしょう。

そうした企業にとって、活用したいのが「人材開発支援助成金 教育訓練休暇付与コース」です。教育訓練休暇制度を新たに導入し、社員(雇用保険の被保険者)がその休暇を取得して訓練を受けた場合、助成金を受け取ることができます。

何日間の休暇を規定するかで、「教育訓練休暇制度」「長期教育訓練休暇制度」に分けられ、助成金額も変わってきます。

社会人になってからも大学などで学び直しをすることで、仕事に直結した知識を習得し、スキルアップすることができます。

リカレント教育による社員のスキルアップは、業務効率化や生産性の向上、イノベーションの創出など、企業にとっても大きなメリットがありそうですね。

働きながら学ぶ。可能性が広がる勉強の仕方ですね。上手に利用してスキルアップしていけたら良いですね。

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