タバコ
こんにちは。広報チームの岡野です。
この記事を読んでいらっしゃる、あなたは喫煙者ですか?
それとも、非喫煙者でしょうか?
筆者はと申しますと…結婚を機に禁煙をしたクチです。
禁煙をしてからはもう長いのですが、実際のところ、結婚するまでは自他共に認めるヘビースモーカーだったので、今でも旧友に会うと、「あれ?タバコは?」と聞かれる始末…。
もう筆者とタバコは、イメージ的に繋がるレベルだったんでしょうね。
“ヘビースモーカー程、タバコがスッパリやめられる”なんていう話が、まことしやかに、それこそ都市伝説が如く語られたりする事がありますが、これは本当のところはどうなんでしょうね?
筆者は、病院の禁煙外来に行かずにやめたので、大変といえば大変でした…。
元喫煙者となった今、禁煙についての筆者の見解は…“禁煙は必要性を十分認識していたとしても、失敗して当たり前。再トライ出来る雰囲気や楽しんでトライすることも重要”です。
なぜそう思うのか…。
それはタバコが吸いたくなる仕組みにあるんです。
…というと、「ニコチンでしょ?有名だよね?」となりますよね?
はい。タバコをやめるときに大変だといわれるのは、“ニコチン依存”だからだと、多くの方がご存知だと思います。
でも、ニコチンがどう作用するから、タバコがやめづらいのかまで突っ込んで調べていらっしゃる方はあまり多くない印象を受けます。
もし、この記事を読んでらっしゃる方で、禁煙をしたい・して欲しい人が居るという方がいらっしゃったとしたら、ニコチンが何をしているかを知ることは、とても有益だと思うんです。
…ということで、今回は“なぜ、タバコはやめづらいのか”について、“ニコチン依存”の点から考えたいと思います。
例えば、喫煙者とどこかに出掛けたとしましょう。
喫煙者にとって、喫煙所のあるなしはとても重要です。
タバコを吸ったことのない方は“外出先でちょっとくらい我慢出来ないの?”とか、“本人の意思に問題がある”…などと思ってしまうかと思うのですが、そこは喫煙者であった筆者、「正常な判断が難しくなるくらい、吸いたくなるんだから仕方ないでしょ。灰皿があるなら、喫煙者はタバコを吸うもんよ。」と断言致します。
それこそ、喫煙者の中には喫煙所の存在を“ライフライン”と呼ぶ人も居ますからね。
実際、喫煙者はタバコが吸いたくなったら、喫煙所を探すためにめちゃくちゃ頑張ります。
着いた先で、まずは喫煙所がどこにあるかの確認をしてから行動…なんてこともあるくらいです。
なぜ、ここまでタバコ…転じて、ニコチンが必要なのかと言いますと、ニコチン依存は意思の問題ではなく、“脳によるもの”だからなんです。
ニコチンが体の中に入り、脳に達すると、脳の中にある“アセチルコリン受容体”というところにくっつきます。
ここは本来、アセチルコリンという物質がくっつくべき場所なんですが、ニコチンがくっつくことができてしまうんですね。
すると、脳はドーパミンという、俗にいう“幸せ・やる気ホルモン”を出します。
タバコを吸うと、ストレスから解放されて落ち着いたり、眠気覚ましになったりするのはこのためで、喫煙者にとっては、まさに“至福の1本”となるわけですね。
…と、ここで終わるなら、禁煙で乗り越えるべきハードルは低いなぁと筆者は思います。
例えて言うなら、ちょっと美味しいおやつを我慢すればいいというようなものですから。
…が、現実はそうではないんです。
ニコチンは、脳内で“ニコチン受容体”というものを形成していくんですね。
そして、この“ニコチン受容体”も、ニコチンがくっついたときに、ドーパミンを発生させるんです。
すると…喫煙したとき、ドーパミンが過剰に発生していきます。
そして、徐々に喫煙者はドーパミンが過剰発生する状態に慣れていってしまうんですね。
ニコチン摂取が続くことで、喫煙者の脳は自身の力で発生させたドーパミンの量では、“幸せ・やる気”を得ることが難しくなっていくんです。
その結果、“幸せ・やる気ホルモン”であるドーパミンの効果が、ニコチンの力を借りないと感じられにくくなってしまうというわけですね。
さらに困ったことは続きます。
ドーパミンが発生した後には、セロトニンと呼ばれる物質が発生します。
こちらも“幸せホルモン”の一種で、心のバランスに関係しており、不足するとメンタルバランスを崩すと言われています。
一説では、“うつ病”や“不眠”も、このセロトニン欠乏が原因ではないかとされているくらいですから、ニコチンによるセロトニンの過剰摂取に慣れてしまって、ニコチン抜きでは満足できる量のセロトニンが供給されないとなると…大変なことになってしまうのは想像に容易いかと思います。
ニコチンはこうやって、ドーパミンとセロトニンという、2つの「幸せホルモン」のコントロールを牛耳ってしまうんですね。
そんなこんなで、喫煙者はタバコを吸っているうちに、ニコチンがなければ“幸せ・やる気”を感じにくい状態になり、変わりに“倦怠感”や“不安や落ち込み”が発生するという、タバコを吸わないことが、まるで罰ゲームであるかのような状況に陥るというわけです。
“幸せホルモン”は、ストレス耐性と強い関係があります。
ニコチン依存になっている人が、タバコを吸えないときというのは、実はタバコを吸ったことがない人が思う以上に強いストレスにさらされているんですね。
そして、もっと悪いことに、タバコは一般的に煙を吸引しますよね。
この吸引という行為は、実は注射をするよりも早く、“一気”にニコチンを脳に届けることができるんです。
そして、タバコは1回で1箱吸いきるものではなく、時間を置いて“間欠的”に吸いますよね。
この“一気”“間欠的”というキーワードをもった吸引という行為は、最も依存を形成しやすいと言われているんです…。
…と、そんなわけで、タバコというのは、どう考えても普通にやめられるようには出来ていないですね…。
冒頭で、“禁煙が失敗して当たり前”と書いたのはそんな理由からなんです。
タバコを吸わない方の中には、“初めから吸わなきゃいいのに…”と思われる方もいらっしゃるかと思いますが、筆者としては、“20歳を越えれば普通に買えるし、まさかここまでの依存性があるとは…”というのが、本音でした。
家族の健康を心配されている方やタバコの煙が嫌いな方は、副流煙の問題もありますし、それはもう一刻も早く、百害あって一利なしのタバコをやめて欲しい・タバコが世の中から消えればいい…と思っていらっしゃるのではないかと思います。
なにせ、筆者、今となってはタバコの臭いや残り香だけで、頭痛や吐き気がしますから、分かりやすい実害が出るもので、その気持ちも本当に良く分かるんです。
でも、ここまで読んで頂くと、タバコをやめる気がない喫煙者に対して、周囲が無理に禁煙を勧めてやめさせるというのは、まず不可能であるということも分かって頂けるかなと思います。
無理やり禁煙外来に連れて行ったら、「禁煙外来の薬を飲むとタバコが不味くなるから」と、薬の方をやめちゃう喫煙者だっているんですよ…。
そもそも、喫煙者はニコチンのせいで幸福感を得られる手段がタバコに組み替えられてしまっているのですから、それを無理に取り上げて、充実感のないストレスだらけの毎日に突き落とすようなマネをしようものなら…
タバコをやめさせられそうだというストレスで、タバコを吸っちゃいますからね。
(筆者には、そんな時期がありましたよ…)
また喫煙者は、タバコの力を借りて強制的に自身をリラックスさせようと喫煙している場合もあります。
リラックスしようと思っても出来ないことってありますよね。
イライラしているときなんて、特に顕著です。
そんなときに、喫煙者にとってのタバコは、自身をリラックスするための便利なスイッチのような役割を果たしています。
正直、人間、便利なものは手放しがたいんです。
ですから、もし喫煙者にタバコをやめさせたいのであれば、“やめなさい”と押し付けるのではなくて、まずは、喫煙者自身に、“とにかくタバコをやめたい”と思ってもらえるようにする方が先なんですね。急がば回れです。
そんな中にあって、もし、喫煙者が“タバコをやめる”という決意をしたのなら、そこにはすでに相当な覚悟があるんです。
吸えない苦しみは、嫌というほど知っているはずですからね。
そうなったときには、ここは是非とも、プレッシャーをかけないであげてください。
禁煙外来に通っている場合については、医師の指示に従って欲しいところですが、禁煙しようとしている人がいたとして、途中で喫煙をしてしまったとしても…「禁煙を始めたと言ったのに、また吸ってる…」なんて言うのはやめてあげてくださいね。
そんなときは、本当に「吸わなきゃ、やってらんない」ときなんですから。
初めから、スパッとやめられる人の方がずっと少ないんです。
(アメリカで行われた調査では、喫煙者のうち半数を超える人々が禁煙を望みながら、6ヵ月間の禁煙に成功したのは、そのうちのわずか6%なんですよ)
ここからは、筆者の持論ですが、禁煙に耐えられず限界を迎えてしまったときには、吸うだけ吸って、また禁煙すればいいと思ってます。
なんなら、「今回、2週間。次は1ヶ月」みたいな目標設定をして、達成感を味わいつつ、徐々に期間を延ばしていったって、その人自身が喫煙するタバコの全体本数、ひいては、立ち上る煙の全体量は減るんですから前進じゃないですか…。
初めから、やめる・やめないの、0か1かで迫られて、しかも失敗したとき下手をしたらバッシング…では、決断しにくいしそもそも辛いですよ。
ただでさえ、“幸せホルモン”の恩恵を受けにくいのですから、禁煙を失敗するならまだしも、それで自信をなくして自己評価を下げてしまったり、心を病んだりしてしまっては、元も子もありません。
昔、“幸福度が低い人ほどタバコをやめられない”という話を聞いたことがあります。
当時は特に気にもとめなかったのですが、この“幸せホルモン”の話を聞いてなるほどなぁと思ったんですね。
筆者も何度失敗しただろうというくらいに、禁煙に失敗してきましたが、幸運にも結婚という人生の一大イベントがあり、一般に幸せ真っ盛りの新婚の時期に禁煙を敢行したことで、うまいこと乗り切れたんです。
そんなことから筆者、禁煙にはやはりタイミングがあるなぁと思ったのと同時に、タバコをやめてもらいたい人には、“禁煙を迫るのではなく、とにかく幸せになってもらえばいいんじゃないか?”と密かに思っていたりもするわけです。
でも、人生でそうそう、そんなタイミングには出くわさないですよね。
では、どうしたらよいか…ということで、“幸せホルモン”を得るために、自発的に何が出来るかというと…
自然なドーパミンを増やすには、“運動”が最適と言われているんですね。
激しい運動なら5分で効果が出るとのこと、この際、運動に吸いたい気持ちをぶつけてしまうのが良いかと思います。
もちろん軽い運動でも効果があるので、状況に合わせたチョイスをしてくださいね。
また、ドーパミンは“誉められて”も発生します。
大人になると、他人から褒めてもらえるという機会は極端に減りますが、“自分で自分を誉めてあげる”のも1つの手段ですよ。
一方、自然なセロトニンは、“朝日を浴びる”ことや“リズミカルな運動”で発生するんだそうです。
…ということは、少し早起きして…“朝日を浴びつつ5分間、縄跳びで駆け足飛び”を行い、その後“完遂した自分を褒める”という行動は、自然なドーパミンとセロトニンを発生させるにあたっては、最強レベルの方法かもしれませんよね。
(もちろん、運動はジョギングでもラジオ体操でもOKだと思いますよ)
さて今回は、“なぜ、タバコはやめづらいのか”を“ニコチン依存”という視点から書いてみました。
なぜ今回、タバコに関するテーマでブログを書かせてもらったかと言いますと、この4月、新型コロナウィルスのニュースが駆け巡る中、喫煙者の方々にはちょっと厳しい法律が施行されることとなったからなんですね。
『健康増進法の一部を改正する法律』という、パッとみると、内容がさっぱり分からない法律なのですが、この法律が成立したことで、「受動喫煙についての姿勢が、全国的にマナーからルールに変更」されたんです。
神奈川県は全国に先駆けて、『受動喫煙防止条例』を施行し、受動喫煙防止に対して、より積極的な姿勢を取ってきましたが、法律ではより詳細に厳格なルールが適用されています。
以前から、神奈川県に住んでいた方にとっては、あまり変わり映えがしないと感じる方も多いかと思いますが、喫煙者の方には“普通のタバコ”と“加熱式タバコ”で区分が分かれているなど、注意が必要な点もありますよ。
詳細は、政府オンラインのこちらのページをご確認くださいね。
この法律が出来たことで、“タバコを吸ってると、喫煙所もないし不便だな”という思いから、禁煙への第一歩を踏み出す方は、結構いらっしゃると思います。
また、今後、普通のタバコより加熱式タバコの方が吸える場所が増えそうな感じがしますが、喫煙者からすると、やっぱり味が違いますもんね?
そこまでして吸うのは、しがみついているようでなんかカッコ悪いかも…という思いから、禁煙をしようと思う方も出てくるでしょう。
喫煙の楽しみと禁煙の苦しみを知り、その後、タバコの煙が、ダメになってしまったという身の上の筆者としては、“タバコは自分と周りの人達の健康のためにも、お財布のためにも、絶対に早くやめた方がいいけど、禁煙はあまり無理をせず、ストレスに潰されないようにしながら、後戻りのないようじっくり取り組んで欲しい”と思っていますよ。
愛煙家・嫌煙家という言葉がありますが、喫煙者と非喫煙者の間にある溝を深くしているその根底には、絶対にニコチン依存があると筆者は思っています。
“やめたいときに、やめられる”のであれば、問題はここまで大きくならなかったのではないでしょうか。
もちろん、本当にタバコが好きで吸っていらっしゃる方もいらっしゃることでしょう。
そのような方は、他の人に迷惑が掛からないよう気を使いつつ、シガーバーなどの場所を選んで、自己責任のもと、カクテルのようにタバコを楽しんでいらっしゃると思います。
ですが、“意思が弱いなどのバッシング”や“失敗”、“ニコチン欠乏”を恐れて、“タバコをやめたいのに禁煙したいと言い出せない・実行できない”“何度も失敗して挫けてしまった”…そんな喫煙者の方が居るのは事実です。
(筆者、喫煙者に禁煙を成功させたことを明かすと、「どうやったの?」とか「自分には無理だ」とか、もう直球で「本当はやめたいんだけど、出来ないんだよねぇ」と言われることが多々あるんです。
改めて、禁煙したいと思っている喫煙者が多いことに驚かされるんですね)
その反面、“とにかく、早急にタバコをやめて欲しい・なくして欲しい”非喫煙者の方が居るのも、また事実。
受動喫煙の防止が法律になった今、ニコチン依存を引き起こす、タバコというもの自体の在り方について、もう1度よく考える機会なのではないかと思う、今日この頃です。
筆者、タバコにはそれなりの思い入れがありましたことから、今回は長くなりましたがこの辺で失礼致します。
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