BLOG

  1. HOME
  2. ブログ
  3. 冨田 展正
  4. サイゼリヤが心配でなりません

サイゼリヤが心配でなりません

 

こんにちは。冨田です。

みなさん、サイゼリヤにはよく行かれますか?
私はけっこう利用しています(していました)

人気のミラノ風ドリア、辛味チキン、そして衝撃的な価格のワイン(デカンタでなんと200円!)
サイゼリヤは「安くて美味しい」イタリアンレストランです。
一人でも気軽に入れますし、友達同士や恋人同士、とくにファミリーにとっては無くてはならない存在でしょう。

そんな庶民の味方サイゼリヤですが、私は少々心配しています。
「このご時世に、この価格で本当に大丈夫なの?」と。

ここ数年、原材料費や光熱費は高騰し続け、最低賃金も毎年ガンガン上がっています。
どこの飲食店も悲鳴を上げながら値上げに踏み切る中、サイゼリヤはまるで時が止まったかのように「低価格」を維持しています。

サイゼリヤは「デフレの象徴」であり、消費者としてはありがたい存在です。本当にありがたいのですが、反面、心配でなりません。

 

「低価格」を保つための企業努力と経営のカラクリ

まず、冷静に考えてみましょう。
なぜサイゼリヤは、あの信じられない「低価格」を実現できているのでしょうか?
これは決して魔法ではなく、合理的な経営と、血の滲むような企業努力の賜物です。

有名な話ですが、サイゼリヤは食材の生産から加工、配送までを自社で一貫して行う「製造直販」モデルを確立しています。
オーストラリアには巨大な自社工場を持ち、野菜の栽培や加工を行っています。
これにより、中間業者を挟まずコストを極限まで下げているのです。

あと、店舗オペレーションの合理化です。
メニューの食材を極力「共通化」してフードロスを減らし、調理工程をセントラルキッチンで集中処理することで、店舗での作業を徹底的に簡略化しています。

だからこそ、少ない人数でもお店を回せるし、注文から提供までのスピードも速いのです。
揚げ物メニューがないのも、高価なフライヤー設備や油代、そして清掃の手間を省くための、計算され尽くした戦略だと言われています。

最近は、お客さん自身による端末からの注文、セルフレジ会計を導入し、さらに省人化できています。

ここまで合理化を突き詰めているからこそ、あの低価格を実現できているのですね。


そして、低価格を実現できているもう一つの理由があります。


それは、「海外事業の黒字で、国内事業の赤字を補填している」という構造です。

経済成長が著しいアジア、特に中国では、サイゼリヤは「ちょっとオシャレでリーズナブルなイタリアン」として大人気です。
そして、現地ではしっかり利益を出せる価格設定をしていて、売上・利益ともに絶好調なのです。

その海外で稼いだ利益で、日本の赤字を「補填」しているということです。
これが、日本のサイゼリヤが「値上げしない」でいられる大きな理由の一つです。

しかし、この状況は決して良い状況とは言えません。
国内事業は国内だけで黒字経営にしないと、経営は長続きしないですよね。

 

私の街からサイゼリヤが消えた日

2年前くらいでしょうか。
自宅の最寄り駅(駅前)にあったサイゼリヤが、静かに閉店してしまいました。
いつも賑わっていたように見えたあのお店が、なぜ閉店してしまったのか?

また、同じ沿線にあったサイゼリヤも、ここ数年で閉店が相次いでいます。

やはり儲かっていなかったのか・・・そう感じざるを得ませんでした。。


しかしながら、サイゼリヤは、もはや単なる飲食店ではなく、社会に無くてはならない存在です。

そこは、部活帰りの高校生がお腹を満たす「第2の学食」であり、 子育て中の家族が息抜きできる「オアシス」であり、 おじいちゃん、おばあちゃんが昼からワイングラスを傾ける「憩いの場」でもあります。

言わば、地域のコミュニティを支える社会インフラです。

このインフラを維持するには、当然コストがかかります。
店舗の家賃、光熱費、そして何より、そこで働く従業員の皆さんのお給料です。
物価高に苦しんでいるのは、私たち消費者だけではありません。
サイゼリヤで働く人々も、サイゼリヤに食材を納める取引先も同じです。

国内事業が赤字ということは、このインフラ維持コストを、海外の利益だけで賄っている状態です。

これでは、いつかは立ち行かなくなります。
従業員の賃上げが十分に進まなかったり、取引先が厳しい価格交渉を強いられたり。

「安さ」に固執し過ぎた結果、私たちの街からサイゼリヤが消えてしまう。
それこそ、常連のお客さんは悲しみ、そこで働く従業員の職も失ってしまいます。
これでは本末転倒です。

 

最後に

だからこそ、私は声を大にして言いたい。
いや、これはきっと私だけの声ではないはずです。

サイゼリヤさん、どうか値上げをしてください!

もし今、サイゼリヤがお客さんを対象に大規模なアンケートを取ったとしたら、どんな結果になるでしょうか?

「値上げ断固反対!」という声は、きっと少数派のはずです。
「このクオリティと居心地の良さを維持してくれるなら、数十円、百円の値上げは当然受け入れます」という声が、マジョリティを占めるに違いありません。

なぜなら、私たちはもう知っているからです。
サイゼリヤが、どれだけの企業努力でこの「低価格」を維持してくれたのか。
そして、その存在がどれだけ私たちの日常に深く根付いているか。

サイゼリヤの社長さんにとっては、「安さがブランドの命。値上げはファンへの裏切りだ」という葛藤があるのかもしれません。そのプライドと哲学は、本当に尊敬します。

でも、時代は変わりました。私たちも理解しています。
「ただ安いものを提供してくれ」という消費者はいなくなりました。たぶん。

ということで、お店が潰れないうちに値上げをしてください!と言いたいです。

それではまた。

 

 

********************************************

ロスキャリアでは工場内での製造のお仕事からピッキング・軽作業など多数ご用意しております。 高収入のお仕事が多く、正社員登用実績も多数あります。神奈川・東京で仕事をお探しの方はぜひお問い合わせください!   お仕事情報「ジョブ&キャリア」

コーポレートサイト https://proscareer.co.jp/

Facebook   X   Instagram   YouTube   TikTok   note

********************************************

関連記事