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「野球」と「ベースボール」はまったく違うスポーツ

 

こんにちは。冨田です。

今年の夏の甲子園は沖縄尚学が制しました。
日大三高も惜しかったですね。

私は高校野球を毎年注目して観ていますが、今回あらためて思ったことがあります。
それは何かというと、

高校野球は面白い」ということです。

何をいまさら、、と思われるかもしれませんが、今日はそのことについて細かく解説します。

比較対象として、アメリカの「ベースボール」が分かりやすいと思いますので、今日は、日本の「野球」とアメリカの「ベースボール」の違いについて語ってみたいと思います。

 

海外から見た「KOSHIEN」

日本の高校野球、特に「甲子園」は、海外の人から見ると、かなり独特な世界に映るようです。

試合に負けて、選手たちが本気で泣きじゃくる。
坊主頭で、監督の指示には絶対服従。
自分のバッティング成績を犠牲にしてでも、チームのためにバントでランナーを進める。

アメリカやドミニカ共和国といったベースボールが盛んな国の人たちからすると、この姿は少し奇妙に、そして時には「過剰な勝利至上主義」として、皮肉を込めて「KOSHIEN」と呼ばれることがあるそうです。

なぜ、そんな風に見られてしまうんでしょうか?

それは、彼らにとっての学生ベースボールは、「プロになるためのショーケース」という意味合いを強く持っているからです。
大学や高校の選手たちは、チームの勝利を目指すと同時に、MLBのスカウトたちの前で「自分の才能をアピール」することが、とてつもなく重要になります。

どれくらいの剛速球を投げられるか?
どのくらい遠くまでボールを飛ばせるか?
俊足で、強肩か?

こうした分かりやすい個人の能力(スタッツ)を高め、アピールすることが、奨学金を得たり、ドラフトで高い順位で指名されたりすることに直結します。
つまり、学生ベースボールは、個の力を磨き、次のステージへ進むための「個人が主役の舞台」なのです。

そんな彼らの価値観から見れば、個人の成績を度外視した自己犠牲的なプレーや、まるで人生のすべてを賭けているかのような高校球児たちの姿は、なかなか理解しがたい世界線なのかもしれません。

 

日本の「野球」はまるで将棋

でも、本当に日本の高校野球は、ただの「勝利至上主義」なんでしょうか?
確かにそういう側面は否定できませんが、少し見方を変えれば、それは「与えられた戦力で勝利を最大化するための、極めて高度な頭脳戦・組織戦」とも言えます。

考えてみてください。
全国の高校球児の中で、将来プロになれる選手なんてほんの一握りです。
誰もが150kmの剛速球を投げられたり、ポンポンとホームランを打てたりするわけではありません。

では、そんな普通のチームが、強豪校に勝つためにはどうすればいいか?

答えは一つです。
それは、「チームとして、組織として戦うこと」です。
そこに、日本の「野球」の面白さが凝縮されています。

たとえば、「バント」や「スクイズ」。
普通に考えれば、アウトを一つ献上するものなので、もったいないと思われるかもしれません。
でも、これは「自分がアウトになっても、チームで1点をもぎ取る」という、献身的なチームプレーであり、勝利への執念の表れです。

ビハインドの展開でも、まずは1点ずつ返していく。
これは、「1点返せば流れが変わる」という野球の奥深さを熟知しているからこその戦術です。

たとえば、試合が膠着した場面での「ヒットエンドラン」。
パワーで勝る相手ピッチャーから長打を待つのではなく、意図的に仕掛けて相手の守備を揺さぶり、試合の「流れ」を自分たちに引き寄せようとする、能動的な一手です。

そして圧巻なのは、1点もやれない場面で見せる「内野5人」のような極端な守備シフトです。今年は横浜高校がやりましたね。
「この1点は絶対にやらないぞ!」という、チーム全員の意思を一つにした攻めの作戦です。

高校野球は、単に個々の選手の能力を足し算するのではなく、組織力と戦略で掛け算にして、自分たちより強い相手に立ち向かっていくものです。
これはまるで、駒の特性を活かして王将を詰める「将棋」や「チェス」のようじゃないですか?

 

「面白い」の基準が違うだけ

ここまで話してきたように、「ベースボール」と「野球」では、面白さの基準そのものが違うんだと思います。

アメリカのベースボールの面白さが、「スター選手の豪快なホームランや、ピッチャーの剛速球」といった、個のパワーがぶつかり合うスペクタクルにあるとすれば、日本の野球の面白さは、「タイミングのよいスクイズ、相手の意表を突く走塁、細かな組織プレー」といった、緻密な戦術と組織力にあります。

どちらが優れているとか、正しいとかいう話ではありません。

ただ、もし海外の人が日本の高校野球を揶揄することがあるとしたら、それはこの「面白さの基準」が違うから、というだけのことです。

派手なプレーだけが野球の魅力ではありません。
たった一つのバント、たった一つの進塁打が、試合の流れを大きく変えることがあります。
身体能力では劣っていても、チーム一丸となった戦略と、最後まで諦めない心があれば、奇跡は起こせます。

その「野球」というスポーツが持つ、細やかさ、奥深さ、そして精神性の面白さを、日本の「高校野球」が体現してくれているのだと思います。

 

まとめ

「ベースボールと野球はまったく違うスポーツである」

これはどちらかを批判するためのものではありません。
実際、同じスポーツで、同じルールなのですが、それぞれの「国の文化」や「価値観」が色濃く反映されていて、面白いと思いませんか?

私はメジャーリーグも好きです。でも高校野球も面白い。それぞれ楽しみ方が違うのです。

特に今年の夏の甲子園は、接戦で引き締まった面白い試合が多かったなという印象でした。

それではまた。

 

 

 

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