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青森県の弘前学院聖愛高校野球部がすごすぎる

 

こんにちは。冨田です。

突然ですが問題です。「青森県の高校野球」の名門といえばどこでしょうか?

高校野球に詳しい方はすぐに分かると思いますが、「八戸学院光星」と「青森山田」ですね。この2校は全国屈指の強豪高として、甲子園でもその存在感は絶大です。

というのも、この2校は全国から野球エリートを集めており、毎年強いチームを作り上げているのです。よくある強豪校の特徴ですね。
正直なところ、青森県内の他の高校がこの2校に割って入ることなど、ほとんど「無理ゲー」です。

しかし、その状況を覆し、高校野球界に新たな風を吹き込む高校があります。

それが「弘前聖愛高校」です。


聖愛(せいあい)はもともと女子高だったのですが、2000年に共学となり、男子学生を集めるために野球部が作られました。

監督に指名されたのは、23歳の無名の新人監督でした。それが原田一範(かずのり)監督です。
当時の校長からは、「野球に力を入れるつもりはない。そのつもりなら、あなたのような無名の人は呼ばない」と、はっきりと言われたようです。

まったく期待されていない中、原田監督だけは「絶対に甲子園に行くんだ」という強い信念を持ち、ここからサクセスストーリーを作っていきます。


ちなみに創部当初は、

・野球経験のない10人からスタート
・初年度の予算はたったの10万円
・初の公式戦は「2対29」のコールド負け
・冬場は農業用ビニールハウスで練習

こんな状態からスタートし、創部13年目の2013年に念願の甲子園に出場しました!そして2回目は2021年の夏。そして今年2025年の夏と、なんと3度の甲子園出場を成し遂げました!

3回出場というのは、2000年以降では、光星、山田の2校に次ぐ最多出場校となります。


果たして、彼らはどんな練習を積んで強くなったのでしょうか?
彼らの奇跡の裏には、常識外れの育成哲学がありました。

 

すべては「人間的成長」というセンターピンのために

聖愛野球部を語る上で欠かせないのが、創部からチームを率いる原田一範監督の存在です。いや、むしろ彼がいなければ、聖愛野球部の存在自体が、もう無かったかもしれません。

そんな原田監督の信念は、「勝利至上主義」ではなく「成長至上主義」です。

野球の技術だけを磨くのではなく、「一人の人間」としてどう成長できるか。
それが聖愛の「センターピン」なのです。

この哲学を体現するため、原田監督は常識を覆すユニークな取り組みを次々と打ち出していきました。

 

監督の「覚悟」がすべてを変えた

個人で借金し、野球部寮を購入:
選手の人間性を磨くには共同生活が不可欠。そう信じた原田監督は、なんと個人で銀行から多額の借り入れをし、野球部専用の寮を購入しました。そして寮の1階には原田監督の家族が住むという。この覚悟が、チームの土台を築き上げました。

寮生活で心を整える:
寮では野球の技術指導はしません。掃除、洗濯、共同生活のルールを通して、心を整え、人間性を磨くことに徹底的にこだわりました。聖愛は地元青森県内の選手ばかりですが、親元から離れて自分たちで生活することで、自立心を養うことができます。

 

「やらされる練習」からの脱却

練習時間は1日3時間:
平日は授業が終わって16時から19時までの「3時間」だけの練習です。
時間が限られているからこそ、選手たちは「今、何をすべきか」を自ら考え、行動します。そして練習中は常にキビキビと動き、無駄な時間を作りません。つまり、普段から驚異的な集中力を発揮しているわけです。

練習メニューは選手が決める:
監督から与えられる練習メニューはありません。
自分たちに何が足りないかを自分たちで議論し、練習メニューを決定します。まさに「自分ごと」として、野球に取り組む姿勢がここで養われます。

試合はノーサイン野球:
試合中に監督からのサインはありません。
試合状況を読み、仲間と対話し、自分たちで最適解を導き出します。この究極の主体性が、土壇場での強さを生むのです。ノーサイン野球は放置ではありません。むしろ、普段から選手と密なコミュニケーションを取っておかないとできないことです。

 

高校野球の「当たり前」を疑う

負けたら即引退、をやめる:
通常、3年生は夏の大会が終われば引退します。これは高校野球の常識です。
ですが、聖愛では夏の大会が終わっても、その後も練習に参加することができます。甲子園だけがゴールではないということです。
もちろん受験に専念するため引退しても良いですし、練習に参加したい人は参加すれば良いのです。あくまで任意です。
後輩の指導や自身の次のステージへの準備など、卒業するまで「成長」を止めない仕組みがあります。

1人1リーダー制:
聖愛にキャプテンはいません。
選手全員が何かしらの役割を持つ「1人1リーダー制」で、全員が当事者意識を持ちます。これがチーム全体の器を大きくしているのです。前述した通り、ノーサイン野球のため、一人一人が考え、状況判断をしてプレーするのです。

 

最後に

この夏の甲子園では、聖愛高校は惜しくも1回戦で敗退してしまいました。私もその試合をTVで観ていたのですが、率直に、選手たちは大人だなぁと感じました。

ピンチの時に、マウンドに集まった選手たちはみんな笑顔でした。たぶん、「これ逆にチャンスだぜ。この状況を楽しもうぜ!」みたいなことを言ってるのだと思います。

甲子園で勝っても負けても、彼らの将来には影響ありません。普段の練習、寮生活、そして主体的に取り組む姿勢、そのプロセスに意味があります。

聖愛は、「人間としての成長」を目的としているとはいえ、「甲子園」という「目標」から逃げているわけではありません。
むしろ、その「高い壁」をいかに乗り越えるかを、選手たちが主体的に考え、実践する。それが聖愛野球部なのです。

最近では、全国的にその名が知れ渡り、入部を希望する生徒たちが増えているようです。

聖愛高校のこれからが楽しみです。

それではまた。

 

 

 

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