ワクチン
こんにちは。広報チームの岡野です。
梅雨が明け、夏本番。暑い日が続いていますね。
しかし、今週は関東は台風影響がありそうですし、天気予報はこまめにチェックですね。
22日からの祝日移動による4連休では、オリンピックを自宅から応援されていた方も多いのではないでしょうか?
室内でテレビなどに夢中になっていると、ついつい水分摂取を怠りがちになりますが、気がつかないうちに脱水症状に陥ってしまう、室内熱中症というものもありますので気をつけたいところです。
(ここで、じゃあもっと部屋の温度を下げればいいと、冷房をガンガンしてしまうと今度はクーラー病になってしまうので…何事も加減が大切ですよ~)
さて、今回のオリンピックですが、選手達の技術力の高さや洗練された動きに心を奪われる反面、やはり心配なのは新型コロナウィルスの感染拡大ですよね。
予防接種が始まっているとはいえ、日本のワクチン事情は、需要が供給を大きく上回っていると言わざるを得ません。
モデルナ製ワクチンの輸入量が減少した事が原因とされていますが…
輸入ができないなら、日本製ワクチンの話はどうなったのよ?と思われている方も少なくはないでしょう。
日本製ワクチンの実運用に当たっては、副作用がとか、承認がとか、ニュース等でも言われていますが、現在、出回っている情報から、日本製ワクチンについて少しまとめてみました。
ワクチン敗戦という言葉も出ている日本。
実際日本は、平常時から助成をしっかりしているアメリカなどと比べると、政府からの助成がとても少ないんですね。
そして、新型コロナウィルスが発生してからの追加助成についても、開発だけに2兆円を助成したアメリカと比べてしまうと非常に少額です。
だからといって、日本に技術がないという訳ではないんですね。というのも、この記事を書いている今、既に国内メーカーの4社が、臨床試験段階まで新型コロナウィルスのワクチンを完成させているからです。
また、今回の新型コロナウィルスのワクチンに関しては、開発と平行して生産体制の強化を行うため、日本政府はワクチンを生産する会社に総額900億円の助成をしました。
それにも関わらず、実運用に当たっては、どうにも具体的なスケジュールがはっきりしないという印象なんですね。
何がそうさせているのか…。
そもそも、何かを開発するにあたっては、程度の差こそあれ、開発日程というものが必ず存在します。
ゴールを明確にするというのは基本中の基本。
これがワクチン開発にないはずがありません。
そして事実、ワクチンを製造している会社のうち数社で、“2021年末には、〇千万人分の供給を始められますよ”といったような具体的な数字が見解として出ているんです。
これらをまとめるだけでも、日本製ワクチンの実用化スケジュールがはっきりしない原因が、ワクチンの開発製造にはなさそうだということが分かりますよね。
では、何が問題なのか。
これは、薬事承認のハードルの高さ…要は、日本(厚生労働省)が、“薬として使用していいですよ”と、OKするために実施しなければならない試験の内容が、非常に厳しいからなんです。
特に、ワクチンは病気の人に使用する薬という位置付けではなく、健康な人が使うもの。
そんなことから、ワクチンを摂取した人が健康を損なうことがあってはならない…という考えが根底にあるんですね。
これは、むしろ、あって然るべき考えですし、ワクチンを摂取するからには、製造国に関わらずそのようなワクチンであって欲しい訳で…ここに悪い要素はありません。
実用に当たって慎重になり過ぎて、石橋を叩いて渡るどころか、石橋を叩き壊しているのでは?というのとも、またちょっと違うんですね。
確かに、薬事承認のために厳しい試験をパスするには、時間が掛かります。
しかし例えば、これらの期間を特例で短縮したとしても、どうにもならないのが、“大規模な臨床試験”で必要となる試験の実施内容なんですね。
大規模な臨床試験の実施に当たっては、簡単にいってしまうと“試験する薬を投薬するグループ”と“それっぽい栄養剤などを、薬と騙して投薬するグループ”を作り、経過を比較する。という必要があるんですね。
要は、薬を投薬されたという安心感で症状がなくなってしまう可能性を排除しなければならない訳です。(プラセボ効果というそうですが、詳しくは調べてみて下さいね)
しかし、ここで問題なのは、今回薬事承認をしたいのはワクチンだということ。
試験手順の通りに、日本製ワクチンを健康な人に打って、更にプラセボ効果も除外したいところなのですが…既に、外国製ワクチンというものが存在していますよね。
こうなると、プラセボ効果を否定するために、それっぽい栄養剤などを打つことになるグループの人は、この試験の間、外国製ワクチンを接種する機会を逃すことになるんです。
これは、試験のため意図的に、外国製ワクチンを接種させない人達を作り上げることになりますから、この間に新型コロナウィルスに感染したしまったとすれば…いわば、試験の犠牲になったことになりますよね。
これがニュースなどで“大規模な臨床試験における倫理的問題”と言われている部分なんですね。
そんなことから、意図的にワクチンを接種させない人達をなくす…つまりは、外国製ワクチンを接種しても試験が可能な仕組みを作らないとならないという話になっているんです。
非劣性試験という方法がこれに当たるのですが、日本と同じような倫理的問題に直面している状況にある国というのは、他にもあるんですね。
この中で、既に、フランスは非劣性試験に踏み切りました。
日本としては“日本独自の仕組みではなくて、国際的な合意のある仕組みを適応したい”という考えがあるとのこと、大まかな方法は合意が取れているのですが、まだ詰め切れていない様子です。
どちらにしてももう、この部分の話が先に進まない限りは、具体的なスケジュールが出ようがないんですね。
新型コロナウィルスの日本製ワクチンが実用化に至るか否かには、政治的問題も絡んでいると考えることになりそうですね。
さて、今回は日本製ワクチンについて、メディアの情報をまとめてみました。
1980年代以降、日本で製造されたワクチンが実用化されたケースというのは、ほぼないとされています。
これまでも、外国製ワクチンがありながら、試験のためにワクチンを接種させない人達を作ることは出来ないといった、試験の仕組みが大きな壁になってきたことでしょう。
果たして、新しい試験方法が確率されることで、新型コロナウィルスのワクチンだけでなく、今後日本製ワクチンがどんどん実用化されていくのでしょうか。
気になるところですね。
それでは、今回はこの辺で失礼致します。
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