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組織は定期的に新陳代謝が必要

 

こんにちは。冨田です。

先日、静岡県の川勝知事が不適切な発言をして、辞意を表明しました。その発言とは、4月1日、県庁で新規採用職員への訓示の中で発した内容です。

「毎日毎日、野菜を売ったり、あるいは牛の世話をしたり、あるいはものを作ったりとかと違って、基本的に皆さま方は頭脳、知性の高い方たちです。ですからそれを磨く必要がありますね」

これは職業差別的な発言だと、県庁にものすごい苦情が入りました。ドラマじゃないけど、「不適切にもほどがある」発言ですね。

実は、川勝知事の不適切発言はこれが初めてではなく、過去に何度も炎上しています。だからこそ、今回の発言がダメ押しとなり、辞任に至ったわけです。

ただ、おそらくですが、川勝知事はまったく悪気なく、むしろユーモアを織り交ぜたつもりで発言したのだと思います。川勝知事の、サービス精神のつもりで発したそのユーモアセンスは、第三者からすればまったく笑えず、そして誰かを傷つけてしまっています。笑ってくれるのは側近の人たちだけです。

結局、余計な一言が多いのです。わざわざ比較対象を持ち出さなくても良いのに、と思っちゃいます。その比較対象とされた人たちが傷つくとは、想像ができないのでしょうね。

でもこれは仕方がないことです。無自覚で発してしまうのでは止めようがありません。だから辞任するのは至極当然の流れです。

むしろ、15年も首長を勤めあげた事がすごいです。不適切発言はするけれど、今まで行ってきた功績が静岡県民に支持されていたのでしょう。

でもそれが、時代にそぐわなくなってきたのなら、市場から退場してもらうしかありません。昔は許されたことも、今の時代では許されなくなったのですから。

ちなみに、川勝知事は不適切発言の他にも反感を買っていた事があります。それは、リニア中央新幹線の工事を妨害していたことです。リニアの路線がわずかに静岡県に入る部分があって、その静岡工区の工事を認めなかったのです。

理由は、工事の際に静岡の天然水が汲み取られてしまうためで、それはダメだと断固として認めなかったのです。静岡県の利益のために反対しているのですが、そのせいで国家プロジェクトであるリニア開通が10年も先延ばしになってしまい、結果的に国益を損なう形となりました。

とにかく、時代にそぐわなくなったトップは、辞めてもらうしかありません。そういう意味で言うと、最近、民間組織でもトップの交代劇が目立ちます。


昨年大きな話題となったジャニーズ事務所やビッグモーターは、トップがあまりに大きな力を持ちすぎて、誰も何も言えない組織となっていた為、結果的に世間を大きく騒がせる事件へとつながりました。

昔であれば、見て見ぬふりをして、ある程度見過ごされていたことも、SNSの時代にはそうはいかず、世間に明るみになることが増えました。

あらゆる膿(うみ)が可視化され、そして自浄作用がはたらく時代です。どんなに力を持った人も、世間からバッシングを浴びせられ叩かれれば、市場からの退場を余儀なくされます。

一部ではやり過ぎ感も否めないですが、それでも「新陳代謝」は必要です。古い何かが無くなれば、新しい何かが生まれます。


話は少し逸れますが、「Winny事件」をご存知でしょうか。今から20年くらい前の事件です。

簡単に説明すると、日本の天才プログラマー(金子勇氏)が開発した技術を、国家組織が潰した事件です。最終的には無罪になったのですが、一時は有罪判決となり、当時、日本のプログラマーが萎縮してしまいました。

新しい技術を開発すると逮捕されてしまうという事例を作ってしまいました。出る杭は打たれるってヤツですね。

その事件以降、日本ではイノベーションは生まれなくなりました。そうしている間に、アメリカに突き放されてしまったわけです。


最後に

話を戻します。とにかく、冒頭の川勝知事のように、時代にそぐわなくなったリーダーは市場から退場してもらい、新しい血を入れ直さなくてはいけません。

時代が変わればリーダーも変わる。いや、変わっていかなくてはなりません。定期的に「新陳代謝」が行われることが必要なのです。

それではまた。

 

 

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