目撃者
こんにちは、広報チームの佐藤です。
つい最近Netflixにて見ごたえのあった映画があったので、お話したいと思います。
ざっくりと言うと、一般人である大多数の我々が主人公のような当事者になり得るお話です。
「自分がなり得る?!」と思うと、より引き込まれて見入ってしまいました。
韓国映画なのですが、迫力もありテンポもよかった作品です。
とある大規模マンションの敷地内で殺人事件が起こるのですが、運悪く目撃してしまい、そして、犯人にも目撃していた事が知られてしまい、翻弄する物語となっています。
この設定と主人公の心の動きや行動が、決して毎日普通に暮らす私たちでも同じようにするのではないか?思うのではないか?という感覚を持つ、中々ない、もろ主人公に気持ちが入りこめた所が、ハラハラドキドキして面白さを感じました。
都会に暮らしてる人間は、他人の行為に無関心になるもの。都会に住む人間は他人に冷たい存在だと当然の様に思っていませんか。
この映画も、自分の他に目撃者がいる事もあり、自分は知らなった振りを演じ続けます。警察に協力しない理由は他にもあるのですが…。
どんな事にも言えますが、知っている人が沢山居たり、行動出来る人が居たりすると、自分がしなくても誰かが…。という思いがどこかにあったりしますよね。
社会心理学の用語に「傍観者効果」という言葉があります。ある出来事に対し、自分の他に傍観者がいると、率先して行動を起こさなくなる心理状態です。
有名な集団心理現象です。それをテーマに映画化した『目撃者』は、他人事とは言えない現実感がたっぷりある映画でした。
実際に起きた事件で、「傍観者効果」を世に知らしめた有名な事件に、1964年にアメリカで起きたキティ・ジェノヴィーズ事件があります。
アパート街で若い女性が襲われ殺害され、38人も目撃者がいたのに、誰も通報しなかったとニューヨーク・タイムズに報じられ、この心理現象を有名にし、同時に都市に生きる人間の冷淡さを示したものとして世界中に広く知られています。
ところで、キティ・ジェノヴィーズの実の弟が、傍観者とされた人々を含む事件の関係者をインタビューした映画があるのをご存知でしょうか。
この2015年に製作されたドキュメンタリー映画『38人の沈黙する目撃者』は、Netflix配信で日本でも紹介されました。こちらも、ご興味のある方はご覧になってみて下さい。
映画は38人とされた目撃者数に実は根拠が無く、「目撃」とされた状況も多様に渡り、警察の対応の問題、そして報道関係者による事実のねじ曲げが明らかになっていきます。
世界中の人々が「傍観者効果」の実例として信じていた事件は、実は恣意的かつセンセーショナルに創作された物語でもあったのです。
『38人の沈黙する目撃者』は、他にも被害者遺族と目撃者、事件関係者や加害者遺族を向き合わせた面でも、見ごたえのあるドキュメンタリー映画になっています。
そして紹介した『目撃者』の英題も、『38人の沈黙する目撃者』の原題も共に『The Witness』。
偶然というより必然で一致したタイトルかもしれませんが、この韓国映画は著名な事件を新たに紹介した、ドキュメンタリー映画の登場を踏まえて作られたと見るべきでしょう。
この映画の主人公は、身勝手とはいえ小市民的には納得できる理由から口を閉ざす事を選び、その報いとして、またドラマ的必然として、殺人鬼との対決を余儀なくされます。
しかし登場する殺人鬼、単独犯にしては実に行動力があり過ぎて、サスペンス映画としての展開を軽く、説得力の無いものにしている感があります。
凶器としてハンマーを振るうのは、パク・チャヌク監督の『オールド・ボーイ』の影響でしょうか。痛々しい描写もあるものの、韓国映画のバイオレンスとしては控え目です。
最後は自然の力で悪を懲らしめるという展開、唐突ですが前フリは用意されているのでご安心を。
平凡な主人公が事件に巻き込まれる姿に共感し、小市民的な姿が、登場人物への感情移入を促進させます。
行動力のあり過ぎる殺人鬼を演じたクァク・シヤン、その不気味なたたずまいと被害者にダッシュして襲いかかる姿は、魅力ある悪人像を表現しています。
若手の注目株として紹介されているクァク・シヤン、この映画の為に13キロ増量したそうですが、役に対する入れ込みと演技力には確かなものがあります。
本当にサイコパスのように見えました。
スリルを味わいたい方は、是非ご覧ください。
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