予測記憶法
こんにちは、広報チームの佐藤です。
前回は、写真記憶のお話をしました。
今回は、予測記憶法のお話をしたいと思います。
予測記憶法とは、脳をだますことで、効率よく覚えられる記憶術の事です。
脳は「知っていること」は覚えないということでしたが、それならば、記憶したいことがある時に「これは知らない」「これは重要だ」と認識させることができれば、すんなり覚えられるということになります。
これは、意識的に脳をだます行為とも言えますが非常に効果的な方法です。
まず、脳は「失敗」をインデックスとして記憶しているという事実を思い出してください。苫米地博士は、この記憶のメカニズムをうまく利用することで、覚えたいことを、脳に「重要なこと」と認識させることができると言います。
3-2 意識的に失敗することで脳はだまされる
簡単に言うと、脳をだますには「わざと失敗」すれば良いのです。
実際、私たちが新しいことを学ぶ時は、失敗を重ねて覚えていくという作業をしています。
例えば、初めて自転車の練習をする時は、ふらふらとよろけたり、転んだり、何度も失敗しながら、バランスの取り方や手足の動きを覚えていきます。
失敗することで「間違い」と「本当に覚えるべきこと」を正確に記憶することができます。
だからと言って、記憶するためにいつも失敗ばかりしているわけにもいきませんよね。
そこで、失敗したように見せかけることで、脳をだまして記憶しやすくするテクニックを使います。
3-3 脳のメカニズムを利用した予測記憶法
これは、覚えたいものをまず先に「予測」して、その予測が外れることによって、脳に「間違えた」と認識させて長期記憶へと定着させる方法です。
「間違えた」という「失敗」のインデックスが、効率的に記憶へと導いてくれます。
この時の重要なポイントは「真剣に予測する」ことです。
適当に予測しても、脳は簡単にはだまされません。
3-4 予測記憶法の実践
例として、実際に、予測記憶法で日本国憲法、第一条を覚えてみましょう。
【A】は、【B】であり【C】 であって、この地位は【D】の存する【E】の【F】に基く。
この【A】【B】【C】【D】【E】【F】に当てはまるものを、自分なりに予測して当てはめてみます。
【A】は「総理大臣」かな?【B】は「日本の代表」?【C】は「行政の最高責任者」かも?と言った具合で自分なりに予測していきます。
そして、答えを見ると、大体、間違えているはずです。そして「正しい答え」は【A】天皇【B】日本国の象徴【C】日本国民統合の象徴【D】主権【E】日本国民【F】総意、だったとわかります。
このとき、間違えたことにより、記憶のインデックスが立ちます。そして就寝後、レム睡眠中に、正しい答えが長期記憶に定着しやすくなります。
3-5 予測記憶法の活用
予測すれば、結果は「正しい」か「間違っている」か、どちらかです。予測が合っていれば、すでに知識として頭にあるということですし、間違えば、正しい答えを覚えられます。
大切なのは、きちんと予測して、きちんと間違えることです。「あ、間違えた!」というインデックスを立てることで、脳には驚きとして印象づけられ、しっかり記憶に入ります。
予測記憶法は、英会話テキストの例文を覚えるのにも使えますし、歴史や生物など、学校のさまざまな教科での暗記、資格試験のための暗記など、いろいろな学習で活用できます。
予測記憶法は、脳がモノを覚えるメカニズムに基づいた、効果的な暗記術です。
4 瞬時に記憶を取り出すための儀式
次に、入れた記憶の「取り出し方」を学びましょう。せっかく覚えても、イザというとき、なかなか思い出せないようでは、役に立たちません。記憶したことを、いつでも必要なときに、すぐに取り出す方法について解説します。
4-1 記憶の入れ方と出し方はワンセット
記憶の取り出し方は、入れ方の「逆向き」です。
予測記憶法で言えば「間違えた」時のことを思い出せば、自然に記憶がよみがえってきます。
先ほどの「憲法第一条」の例で考えてみましょう。
間違えた時のことを考えると、「総理大臣は日本の代表・・・?」と出てきます。
すると「いや違うぞ!総理じゃなくて、たしか天皇のことだった」と思い出します。
そして、自然と「天皇は、日本国の象徴であり・・・」と、次々に思い出してきます。
このように、覚え方と思い出し方は完全にワンセットです。
4-2 記憶のリンクのつくり方
さらに、覚える時にちょっとした工夫をしておけば、思い出すのが非常に楽になります。つまり、後から思い出しやすいように、覚える時に自分なりの儀式を行っておきます。
儀式と言っても複雑なことをするのではありません。
記憶する時にハチマキをするとか、図書館やカフェなど学習の環境を変えるとか、BGMやドリンクをいつもと変えてみるなど、記憶と何らかの「リンク」をつくっておきます。
そうすることで、後で、記憶を取り出したいときに、つくったリンクによって、記憶をたどる手がかりが増えます。
例えば「あのとき、ジンジャーエールを飲みながら、暗記したんだよな・・・」といったことが手がかりになって、記憶が呼び覚まされます。
4-3 トリガーとアンカーを使ったテクニック
これは、心理学や催眠術で「トリガー」(引金)と「アンカー」(船のいかり)と呼ばれる手法です。
私たちは、懐かしい音楽を聴いた瞬間に、昔の家族や恋人との思い出をぱっと思い出すことがありますよね。このとき、音楽が「トリガー」となって、その音楽を聴いていた当時の記憶や感情の「アンカー」が呼び覚まされたのです。
つまり、ジンジャーエールやハチマキ、カフェの風景やBGMを「トリガー」にすれば「アンカー」である「覚えたこと」を引き出すのが簡単になります。
この方法はシンプルですが、効果は非常に高いです。
4-4 記憶を出し入れしやすい意識状態のつくり方
また、この「トリガーとアンカー」を応用すると、私たちは、記憶しやすく、思い出しやすい意識状態である「記憶モード」に簡単に入ることができます。
「記憶しやすい状態」「思い出しやすい状態」とは、ずばり「リラックス」した状態のことです。
米ロイター通信は「人はリラックスした時、記憶力が強くなり、持続する」という研究結果を紹介しています。
リラックスした時の脳波「シータ波」が学習や記憶を促すのだそうです。
リラックス状態をつくるためには、体の一部分から始めて、10分くらいかけてゆっくり少しずつ全身の筋肉を緩めていきます。
体の各パーツに意識を向けて、力を抜いていきます。
さらに、苫米地博士の勧めている「逆腹式呼吸」を行うと、リラックス効果抜群です。
これは息を吸う時にお腹をへこませ、息を吐くときにお腹をふくらませて、全身を思いっきり緩める呼吸法です。これをゆっくりと行います。
4-5 記憶モードに一瞬で入る方法
十分にリラックスして、記憶をしやすい意識状態になったらそれが「記憶モード」です。
その状態を「アンカー」として、何らかの「トリガー」の儀式を行います。
「トリガー」は何でも構いません。
蛍光ペンを持つ、鉛筆を握る、腕時計を見る、自分の耳を触るなど、やりやすい方法を一つ決めます。
そして、暗記や学習の前には必ずリラックス状態をつくり出して、トリガーの儀式を行います。
これを繰り返すうちに、逆にトリガーの鉛筆を握るだけで、リラックス状態になり、記憶しやすい意識状態に入ることができます。
そして、記憶の出し入れはワンセットですから、この記憶モードに入れば、記憶の取り出し能力も格段にアップします。
ただ単に覚える対象を丸暗記するだけでは、なかなか覚えられなかったり、焦ってしまって悪循環です。
記憶術を身に付けて、上手に物事を記憶していきたいですね。
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