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「ふるさと納税」のそもそもの意義とは

 

こんにちは。人材開発の冨田です。

最近、大阪の泉佐野市が国を訴え、勝訴したのをご存知でしょうか。

なぜ国を訴えたのかと言いますと、泉佐野市が「ふるさと納税」で得た多額の寄附金に対して、国からの特別地方交付税が減額されたからです。それはおかしいだろうと、泉佐野市の千代松市長は、大阪地裁に告訴していたわけです。

結果、市長の主張が通りました。大阪地裁の裁判長は、「ふるさと納税の収入を、特別交付税の減額要因と定めることは違法だ」として、国の減額決定を取り消しました。


しかしなぜ、ふるさと納税をめぐって、国と自治体が争うのでしょうか。不思議ですよね。

その理由を説明するには、ふるさと納税のそもそもの「意義」から説明する必要があります。


ふるさと納税制度は、2008年から始まりました。案外知られていないですが、当時総務大臣だった菅義偉前首相が創設しました。

そして、創設した目的は、こうです。


多くの人が地方のふるさとで生まれ、その自治体から医療や教育等様々な住民サービスを受けて育ち、やがて進学や就職を機に生活の場を都会に移し、そこで納税を行っています。
その結果、都会の自治体は税収を得ますが、自分が生まれ育った故郷の自治体には税収が入りません。
そこで、「今は都会に住んでいても、自分を育んでくれた「ふるさと」に、自分の意思で、いくらかでも納税できる制度があっても良いのではないか」そんな問題提起から始まり、数多くの議論や検討を経て生まれたのが「ふるさと納税制度」です。
(引用元:ふるさと納税ポータルサイト)


つまり、都市部に住んでいる人の多くは地方出身者なのに、今まで育ててくれた「ふるさと」にはお返しができていない。だから、それを「寄附」という形でふるさとに恩返しができる仕組みを作ったのです。そして、その寄附した金額は、いま住んでいる自治体に納めている「住民税」から差し引いてあげますよ、というものです。


始めた当初は、寄附した全額を所得控除するというだけのものでした。(自己負担額2000円は除く)

しかし、次第に地方自治体が、寄附してくれた人に対して「返礼品」を送り始めました。これは自治体が勝手にやり始めたことです。

でも、国がこれを禁止しなかったのは、自治体の持ち出し(自前の財源)でやっていることだからです。しかも、返礼品の生産者、つまり地元の雇用にも貢献することだから、「それはそれで良いんじゃないの」という形で見過ごしてきました。


しかしながら、それが今や「返礼品合戦」になってきて、地方間で格差が激しくなってきたのです。

なかでも、やり過ぎた自治体として、前述した大阪の泉佐野市が挙げられます。

Amazonギフト券やHIS旅行券など、「金券類」を返礼品としたのです。そのせいもあり、2017年〜2019年はぶっちぎりのNo.1となり、これが後々、国と揉める原因となりました。(なお、2019年6月の制度改正から金券類は明確に禁止となりました)


その後、金券類は無くなったのですが、地方自治体がしのぎを削って、海鮮類や肉類など、魅力的な「地場産品」を返礼品として用意するので、毎年毎年、寄附金の総額は増えていっています。


そんな中、文句を言い出しているのが、都市部の自治体です。都心部の自治体は、税収は減るばかりでプラスになることはありません。そして、財務省としても、控除額のうち若干「所得税」が該当するので、税収が減ってしまうため、実はあまりよい顔をしていません。


自治体によっては、プラスになるところもあれば、マイナスになるところもあります。以前に比べてその差は激しくなってきています。


しかし、そんな「ふるさと納税制度」ですが、納税者側からしてみれば、唯一、自分の税金を「自分の意思で選んで」使える制度です。

そして、自治体としても、唯一「自助努力」で税収を獲得できる制度です。

そういう側面から見ると、ふるさと納税制度は、悪くない制度なのではないかと、個人的には思います。

 

 

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