
『DOWNTOWN+』の月額1,100円は高いのか?
こんにちは。冨田です。
ついに始まりましたね、『DOWNTOWN+』
ダウンタウンの過去のアーカイブから新作まで見放題という、ファンにとってはたまらないサービスです。
ですが、サービス開始と同時にネットで巻き起こったのが 「月額1,100円は高すぎる!」という声です。
「アマプラ(Amazonプライム)は月600円で、映画もドラマも音楽も送料無料もついてくるのに?」
「ネトフリ(Netflix)だって、一番安いプランなら790円で観れるぞ」
「ダウンタウン『だけ』で1,100円は、強気すぎる」
この意見、たしかに分かります。
正直、私も最初は「お、結構するな…。」と思いました。
でも、ちょっと待ってください。
この『DOWNTOWN+』の価格、「VOD(動画配信サービス)」として見るから高く感じるだけで、別のモノサシで測ると、「妥当」な価格なんじゃないかと思えてきます。
今日はこの『DOWNTOWN+』の価格設定の「本当の価値」を、他のサービスと比較しながら深掘りしてみたいと思います。
比較対象①:「VODサービス」として見たらそりゃ高い
まずは、皆さんが最初に思い浮かべたであろう比較対象、「VODサービス」との比較です。
・Amazonプライム・ビデオ: 月額600円
・Netflix (広告つきベーシック): 月額790円
・Hulu: 月額1,026円
これらのサービスは、数万本という膨大な数の映画、ドラマ、アニメ、ドキュメンタリーが見放題です。まさに「コンテンツのデパート」です。
一方で、『DOWNTOWN+』は月額1,100円。
観れるコンテンツは、現時点では『ガキの使い』のアーカイブ(一部)や、新作の『実験』コンテンツなど、「ダウンタウン」に関連するものだけです。
「コストパフォーマンス」という視点だけで見れば、もう勝負になりません。
「いろんなコンテンツを幅広く、安く楽しみたい」という人にとって、『DOWNTOWN+』は選択肢の土俵にすら上がらないでしょう。
でも、それは例えるなら「本格的なフレンチのコース料理」と「食べ放題のバイキング」を比べて、「品数が少ないから高い!」と言っているようなものです。 『DOWNTOWN+』は、最初から「VOD」の土俵で勝負する気がないんです。
比較対象②:「ファンクラブ」として見てみると?
それでは視点を変えて、これを「ダウンタウンの公式ファンクラブ」として見たらどうでしょう?
「ファンクラブ」なら、特定のアーティストを応援するためにお金を払うのは当たり前ですよね。
そこで、日本のトップアーティストたちのファンクラブ(年会費)を調べてみました。
・STARTO (旧ジャニーズ系): 年会費 4,000円 (+入会金1,000円)
・B’z PARTY: 年会費 3,500円 (+入会金1,000円)
・サザンオールスターズ応援団: 年会費 5,300円 (+入会金1,000円)
大体、年会費4,000円~5,500円が相場です。
これに対し、『DOWNTOWN+』は月額1,100円なので、年会費は11,000円(年間プランの場合)です。
ファンクラブの相場と比べても、2〜3倍高いですね。
しかしながら、ここにも「提供価値」の違いがあります。
従来のファンクラブの主な価値は、「チケットの先行予約権」や「会報誌」です。
一方で、『DOWNTOWN+』の価値は「過去の膨大なアーカイブ視聴」と「新作の限定コンテンツ」です。
チケット優先権ではなく、「いつでもどこでもコンテンツが見放題」という価値があります。
でも、価格はファンクラブの2〜3倍。
これをどう見るかですね。
比較対象③:「オンラインサロン」という視点
さてここからが本題です。
『DOWNTOWN+』は、「VOD」でも「ファンクラブ」でもない。
その正体は、「ダウンタウンを主宰者とする、超巨大オンラインサロン」だと考えると、すべての辻褄が合います。
オンラインサロンとは、月額会費制で、特定の主宰者(著名人など)の限定コンテンツを見たり、コミュニティに参加したりするサービスです。
それでは、日本で有名なオンラインサロンの価格を見てみましょう。
・西野亮廣エンタメ研究所 (西野亮廣氏): 月額 980円
・中田敦彦のPROGRESS (中田敦彦氏): 月額 980円
さてどうでしょうか?
『DOWNTOWN+』の月額1,100円って、まさにこの「人気オンラインサロン」の価格帯とほぼ同じなんです。
運営側は、NetflixやAmazonプライムと競争する気は毛頭ない。
彼らが見据えているのは、「ダウンタウンのコンテンツや思想、これからの実験に、月々1,000円を払ってくれる熱心なファン(=サロンメンバー)をどれだけ集められるか」というビジネスモデルです。
こう考えると、あの1,100円という価格は「高い」どころか、「オンラインサロンの王道プライス」として設定されていることが分かります。
会員「20万人」という着地点
サービス開始時、松本人志氏は「(有料課金が)数十万人」と発言していましたが、これは間違いなく「ご祝儀課金」や「久しぶりに松ちゃんを見たい」というライト層も含んだ、初期の最大風速です。
これから、必ずユーザーの離脱は始まります。
なぜなら、松本氏がこれからやろうとしているお笑いは、彼自身が言うように「実験的」であり、「玄人向け」だからです。
「テレビのようにつまらない制限や忖度があるのが嫌だ。だから自分でプラットフォームを作った」 というのが趣旨だからです。
ということは、今後配信されるコンテンツは、よりマニアックで、より実験的な、いわば「分かる人には分かる」ものになっていくはずです。
そうなると、「分かりやすいお笑い」を求めて入ってきたライト層は、当然「思ってたのと違う」と離れていきます。
そこで、私が想像する一つの仮説があります。
それは何かと言うと、
「このサービスの長期的な安定ユーザーは、20万人程度に落ち着くのではないか?」
というものです。
ちょっと計算してみましょう。
・200,000人(会員) × 1,100円(月額) = 2億2,000万円(月間売上)
・2億2,000万円(月間) × 12ヶ月 = 26億4,000万円(年間売上)
月間2.2億円、年間26.4億円の売上。
これ、悪くないですよね?
松本人志の野望
さて、この売上(ダイレクト課金)は何を意味するのでしょうか?
・スポンサーが一切不要になる
テレビ番組のように「スポンサーの意向が…」といった忖度は一切必要ありません。20万人のファンが、最強のスポンサーになるからです。
・潤沢な制作費
月2.2億円の売上があれば、そこからサーバー代や運営費を差し引いても、地上波の番組制作費を超える「潤沢な予算」が生まれます。
・100%「玄人向け」のコンテンツが作れる
スポンサーも不要、予算も問題ない。そうなれば、松本氏と浜田氏は、一切の制約なく、「自分たちが本当に面白いと思うこと」「テレビでは絶対無理な実験」を追求できます。
日本最大級と言われる西野氏のサロンが数万人規模であることを考えると、もし20万人の会員を維持できるなら、それは「お化けレベル」のオンラインサロンです。
つまり、『DOWNTOWN+』の戦略とは、「VODのように大衆に薄く広く売る」のではなく、「20万人の『濃い』ファン(玄人)をガッチリ掴む」ことです。
その20万人が支える年間26億円の売上で、「誰にも文句を言わせない、自分たちだけの最強のメディア(お笑い研究所)」を設立することこそが、彼らの真の狙いではないでしょうか。
まとめ
『DOWNTOWN+』の月額1,100円をどう見るか?
・VODとして見れば「超割高」
・従来のファンクラブとして見れば「割高」
・オンラインサロンとして見れば「ほぼ相場通り」
つまりこのサービスは、「いろんな動画を安く見たい」人のためのものではなく、「ダウンタウンのこれからの実験に、1,100円で参加したい・目撃したい」というファンのための「プレミアムな会員制サロン」と言えるのではないでしょうか。
そう考えると、この1,100円は、彼らがこれから見せてくれるであろう「テレビでは絶対に見られないお笑い」への期待を込めた「参加費」として見れば、決して高くはないと思います。
それではまた。
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