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おまじない

こんにちは。広報チームの岡野です。

「痛いの痛いの、飛んでいけ~」
一度は、どこかで経験したことがあるのではないかという程、馴染みのある、おまじないですよね。
子育て中の筆者なんぞは、何かにつけて、「痛いの」を自宅近くの山の向こうまで、飛ばしまくっているのですが、転んだくらいの話であれば、数回このおまじないを唱える頃には、子どもがすっかり泣きやんで、何事もなかったかのように、するっと遊びに戻っていくので、「効いてる効いてる~」と、微笑ましく思ったりもしています。

先日はこのブログで、世界の「だるまさんがころんだ」をご紹介したのですが、「痛いの痛いの、飛んでいけ~」のおまじないにも、日本だけの風習ではなく、似た風習が各国にあるんですね。

フィリピンで使われるタガログ語の「Aray aray umalis ka.(アライ アライ ウマリス カ)」や、英語圏の「Pain Pain Go Away.」は、どちらも訳せば、「痛いの痛いの、どっかいけ~」となり、かなり日本の「痛いの痛いの、飛んでいけ~」の感覚に近い、おまじないと言えます。

もう少し突っ込むと、英語の「Pain Pain Go Away.」は、伝承童謡マザーグースの「Rain Rain Go Away.」という歌の替え歌のような感じなんですね。
そのため「Rain Rain Go Away.」の歌詞の続きである「Come again another day.」が続けて言われることがあり、訳すならば「別の日においで」となる訳なんですが…
まあ、別の日においでというからには、今日はダメだ、出直してこいと言われている訳で、それはもう、歓迎されてないのは伝わります。伝わるんですが、そこで「別の日ならばいい」なんて、ちょっとお上品だわと思ってしまうのが筆者なんですね。
だって、これを江戸っ子に言わせたならば「おととい、きやがれぃ」ってなりそうじゃないですか。

あらあら、もしや筆者は激しい性格だったのかしら…なんて思っていたのですが、言葉の名手と言われ、日本を代表する詩人の1人である谷川俊太郎さんも、マザーグースの翻訳で「Come again another day.」を「おととい、おいで」と訳していらっしゃいまして…恐れ多いと思いつつも、この感覚で良かったのかと、ちょっとホッとした筆者です。

余談ですが、「おととい、おいで」の「おととい」は一昨日を表す言葉ですよね。
時間的に遡って来いと、相手に無理を押し付けることで、二度と来るなの意味になる訳なのですが、他の説もあるんです。
おとといの語源が「遠つ日(をとつひ)」であることから、そのまま「遠い日においで」、つまりは「遠い日まで来るな」という解釈をすることもできるんだそうです。
ということは、あれ? 結局は、江戸弁でも未来の日付である別の日に来れちゃう可能性が残ってるんじゃない?と、江戸弁とマザーグースの表現の以外な共通点を見つけて、面白いな~と思ってしまった筆者でした。

ついつい、脱線しましたが、更に他の国の「痛いの痛いの、飛んでいけ~」をご紹介すると…
フランスは「Bisou magique!(ビズ マジキ)」で、魔法のキスという意味。
痛い所にビズ=軽いキスをするという、何だか、とってもおしゃれな、おまじないなんですよ。
韓国は「オンマソヌン ヤクソニダ」で、そのまま訳すと「お母さんの手は、お薬だ」となります。
痛いところに手を当てて言うおまじないであることが良く分かりますよね。

面白いのは、スペイン語のおまじない。
「Sana, sana colita de rana, sino sana hoy, sanará mañana.(サナ サナ コリタ ド ラナ シノ サナ オイ サナラ マニャナ)」で、意味は、「治れ治れ、カエルのおしり。もし、今日治らないなら明日治れ」です。
おたまじゃくしからカエルに変化することを考えると、しっぽの残ったカエルのおしりは、自然と治るものになるのかなぁ…と思いますが、治るのは今日じゃなくて、明日でもいいんじゃない?という、何ともケセラセラな感覚、筆者は大好きです。

ここでも余談になりますが、ケセラセラについて。
ケセラセラ(Que Será, Será)は、ヒッチコック監督の映画「知りすぎていた男」の主題歌のタイトルで、日本語では「なるようになるさ」という訳がされることが多いです。
ケセラセラは、どことなく響きがスペイン語のような感じがするので、筆者、てっきりスペイン語かと思っていたのですが、実際は、スペイン語にはこのような言葉は元々なく、文法的にも正しくないことから、造語だと言われているんだとか。
立ち位置としては、和製英語ならぬ、米製スペイン語といったところのようですよ。

さぁ、ここまで、世界の「痛いの痛いの、飛んでいけ~」をご紹介してきましたが、どの国においても、おまじないの際には、痛いところに触れるというのは共通しているようなんですね。
日常生活においても、頭痛や腰痛、腹痛なんかが起こると、少しでも痛みを和らげたい思いから、ついつい痛い部位に手が行くものですが、この自然な行動である「痛いところに触れる」という行動、痛みが和らぐような気がするのは、どうも、ただの気のせいではないということが、医学的に言われているんだとか。

これには、感覚を伝えるための神経の太さが関係しているとされていて、「痛い」という感覚よりも、「触れている」、「圧迫している」という感覚の方がより伝わりやすい感覚になるらしいんです。
これらは「ゲートコントロール理論」というもので説明されるようなのですが、湿布やテーピング、指圧などが痛みを取ることに有効だということも、この理論をもとに説明することができるんだそうです。興味がある方は検索してみて下さいね。

まぁ、ちょっと小難し気なゲートコントロール理論の話は置いておいたにしても、人間、精神的にリラックスしている状態は痛みを感じにくいと言われています。
「痛いの痛いの、飛んでいけ~」の場合、痛みのある部位を他者が触るというスキンシップにより、自律神経の副交感神経を高め、心を落ち着かせる作用が期待できるんだとか。
子どもなどは、近しい大人に手を当ててもらって、おまじないをしてもらうことができたならば、安心感を得てリラックス状態になれるはずです。
実際、そんな時は、本当に痛みが少なくなっているんでしょうね。

さて、今回も脱線だらけのお話になってしまいましたが、何にせよ、子どもにおまじないをかけられるということは、それなりの信頼関係があるということにもなるかと思います。
できる限り、この関係性を大切にしたいなぁと思った筆者でした。
それでは、今回はこの辺で失礼致します。

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