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かながわプラごみゼロ宣言

こんにちは。広報チームの岡野です。

皆さま、プラスチック削減やごみの分別、はたまた、リサイクル活動には意欲的に参加をされていますか?

以前このブログでもご紹介しましたが、神奈川県では、2030年までのできるだけ早期に、捨てられてしまうプラごみを無くすことを目指して『かながわプラごみゼロ宣言』をしています。

『かながわプラごみゼロ宣言』では、”ワンウェイプラの削減”として、使い捨てにされるプラスチック…いわゆる、使い捨てプラの削減に取り組んでいますね。
企業と協力して、レジ袋やプラスチックストローの使用にセーブをかけているんです。

レジ袋ではなく、エコバッグを…という流れはかなり前からありましたが、「そういえば、これまではレストランで冷たい飲み物を頼めば、何も言わなくてもストローが付いてきたけど、最近はストローを必要本数お願いするシステムになったなぁ…」とか、「出てきたストローが紙ストローだった…」なんていったように、身近なところで変化を感じた方もいらっしゃるのではないでしょうか?

こうして、使われるプラスチックを減らすというのは、確実にプラごみが減るので効果は間違いないですよね。

でも、生活をしている上でプラごみというのは、なんだかんだ発生してしまうものです。
個別包装の袋に然り、お肉のトレイに然り…
筆者宅でも、プラごみ回収の日にはそれなりの量のごみをゴミ置き場に出します。

日本におけるプラスチックの分別回収は、世界の中でもトップクラスで、国連でも日本の分別回収は見習うべきだ…と一目置かれているんですね。

「ああ…こうやって、私たちが頑張って分別したプラごみは、リサイクルされて他の形になってまた使われるのね」

筆者もそう思っていました…。

そう思っていたのですが…同じように思われていた方には、今回のお話は少しガクッときてしまうかもしれません…。

というのも、残念ながら日本のプラごみリサイクル事情というのは、世界的にみるとかなり遅れているんですね。

「そうなの?」と思われた方、意外と多いのではないでしょうか?
それもそのはず、日本の発表しているプラごみのリサイクル率は80%を超えていますし、何の問題もないように見えちゃうんです。

でも、コレを言ったら皆さま納得してくださると思います。
なにせ『日本のプラごみの7割以上は燃やされている』のですから…。

「燃やしちゃったらリサイクルにならないじゃない…?日本のリサイクル率って嘘だったの…?」と思われた方、もう少しお付き合い下さいね。

そもそも、リサイクルってなにを以ってリサイクルなんでしょうか。
まとめてしまうと、日本においてリサイクルとは『マテリアルリサイクル』『ケミカルリサイクル』『サーマルリサイクル』の3つがあるとされています。

それぞれの概要はというと…

・マテリアルリサイクル
ペットボトルがフリースになったり、たまごのパックになったりという、一般的なリサイクルのイメージに一番しっくりくるような、モノからモノへのリサイクル方法。

ちなみに、今売られているペットボトルが、ほとんど無色透明なのはこのマテリアルリサイクルの効率をアップさせるためなんですね。
これは飲料業界か自主的に取り組んでいる内容なんですよ。

・ケミカルリサイクル
回収した資源を、化学反応で組織変更させてからリサイクルする方法。

廃プラスチックから、プラスチックや化学製品の原材料を作ったり、廃食品油から石鹸を作ったりが、このケミカルリサイクルになります。

(ガスなど、燃料に作り替えた場合はサーマルリサイクルとする考えもあります)

・サーマルリサイクル
廃棄物を焼却して、得られるエネルギーを再利用するリサイクル方法。
エネルギーは発電に使われたり、温水プールに使われたりします。

…と、これが日本のリサイクルの3つの方法なんですね。

3つ書きましたが、読んでくださった方にはお分かりの通り、一番最後の『サーマルリサイクル』

燃やしちゃうんですよねぇ…。

リサイクルって言うと、よく使われるマークがありますが、大抵矢印がぐるっと円を描いて一周するような…それこそ循環するようなイメージのマークじゃないですか?
でもこれ、燃やしちゃうとなると、矢印は円を描いたりしてないで、炎に向かって一直線でいいような…。

「ナンカ、チガウ…ヨネ?」

そうなんです。
哀しいかな、諸外国の反応も…そうなんです…。

そもそも、諸外国に『サーマルリサイクル』というリサイクルは存在しません。『サーマルリカバリー』と言われ、リサイクルとはきっちり区別されているんですね。
もちろん発表するリサイクル率にも含めていません。

では、この世界基準のリサイクルで、日本のリサイクル率を算出したらどうなるか…。

すると、なんとリサイクル率は25%にも満たない程度の数値になってしまうんです。

これは世界的に見てとっても低い水準なんです。
例えば、リサイクル先進国のドイツではリサイクル率は60%を超えていますし、ヨーロッパの国々も軒並み40%オーバー…。

ちょっと厳しい現実と言わざるを得ません。

ここで、間違っても「燃やしちゃうならもう分別頑張んない」なんて、言わないでくださいね。
分別回収までは、素晴らしいと世界に評価されているのですから、あと、もう一歩で改善される可能性は十分にあるんです。

この先、日本は世界水準のリサイクル率を獲得すべく、対策をしていくことになりますね。
もしかしたら、分別基準がさらに厳しく…なんて事もあるかもしれませんが、そこは協力的にリサイクル活動に参加していきたいですね。

でもプラスチックにまつわる問題はどんどん深刻化してきていますね。

以前、ここで海流に乗って漂う、漂流ごみの話を書かせて頂いたことがありますが…
その際、回収不可能な程に細かくなってしまったプラスチックごみである『マイクロプラスチック』についてもご紹介しました。

この『マイクロプラスチック』、国連の海洋汚染に関する専門家たちの会議で「大きさが5mm以下のプラスチック」と定義されていますが、汚染は海だけに留まる問題ではなく、巡り巡って既に私たちの所に戻ってきているんだそうです。

というのも、『マイクロプラスチック』問題は、その先の細かさである『ナノプラスチック』問題へと変化していっているんですね。

『ナノプラスチック』は、電子顕微鏡で確認するというような、もはや粒子クラスのプラスチックです。

状況的には、プラスチックごみは目には見えずとも、風で舞っていると言っても過言ではないんです。

そんな粒子クラスの細かさをもつ、『ナノプラスチック』ですので色んな所で発見されています。

フランスのピレネー山脈では、雪と共にプラスチックが降り積もっているのが発見されていますし、塩の中からも飲料水の中からも…残念ながらプラスチックが発見されています。

また微生物の中からもプラスチックは発見されていますので、それを食べた生物が取り込んで、またそれを…と食物連鎖が続けば、当然私たちの食卓にもあがっているわけです。

正直、避けようのないレベルなのでこれについてはWHOも「現状、健康リスクは低いと考えられているから安心してね」というようなコメントを出していたりするわけですが…。
どんどん増えていって良いわけがないのは絶対です。

SDGsにもあるとおりですが、環境問題は、一人ひとりが出来ることから始めないと本当に手遅れになるような段階にまできてしまっているという認識を持たないといけないですね。

さて、今回はプラスチックごみとそのリサイクルの現状について、ナノプラスチックの存在を含め記事にしてみました。

とても身近な世界レベルの汚染問題に繋がるプラスチックごみ…これに関しては、もう人類崖っぷちなんですね。
これ以上の悪いニュースが増えないように行動していく必要がありますよね。

さあ、ここでいきなりの次回予告です。

環境問題に対して、個人レベルで出来ることにつきましては、よく“Reduce(リデュース)、Reuse(リユース)、Recycle(リサイクル)”の『3R』があげられたりしますが…

今やこの『R』が増えに増え、『18R』にもなっていたりします。
6倍ですよ。凄くないですか? 

というわけで、次回はこの『18R』についてを書いてみようと思っています。

それでは、今回はこの辺で失礼致します。


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