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出塁率の価値が爆上がり

 

こんにちは。人材開発の冨田です。

さて、オリックスの吉田正尚選手ですが、5年総額9000万ドル(約123億9000万円)でレッドソックスへの移籍が決まりました。単純に5年で割ると年俸は約25億円です。

オリックスでの年俸は4億円でしたので、6倍に跳ね上がりました。さすがメジャーリーグです。

ただ、ちょっと不思議に思いませんか。吉田正尚選手はたしかに素晴らしい選手ですが、なぜこんなにもメジャーで評価されたのでしょうか。


吉田選手のプロ7年間の主な通算成績は以下です。


打率.327 本塁打133本 安打数884本


たしかに、打率は他の野手に比べてかなり高いです。通算で.327はすごいです。

とはいえ、ホームランバッターではないし、足も速いわけではなく、守備もそんなに上手いとは言えない。今年メジャーデビューした鈴木誠也選手の方が走攻守でバランスが取れています。

それでは、打率だけがメジャーに評価されたのでしょうか。

実はそこではなく、「ある数字」が飛び抜けて高く、そこを評価されたのだと思います。


それは「出塁率」です。


吉田正尚選手の生涯出塁率は.421です

ちなみに、あのイチロー選手がメジャーに移籍する前の出塁率とまったく同じです。


イチロー NPB通算9年
通算出塁率.421(通算打率.353)


打率はイチロー選手の方が圧倒的に高いのに、出塁率は同じなんですね。

これは、バッティングスタイルの違いです。イチロー選手はとにかくヒットを打つ事を重視しており、少々ボール球でもガンガンヒットにしてしまいます。

一方、吉田正尚選手は、よくボールを見極め、四球を勝ち取ることを重視しています。ボール球を振らない選球眼が特徴的です。


イチロー選手はヒットで出塁し、吉田選手は四球で出塁します。つまり「出塁する」という行為は変わらないわけです。

野球というスポーツは、出塁してランナーをためて、ホームベースにランナーを返すことで得点となります。なので、よく出塁してくれる選手は得点につながりやすくなるため、選手としての「価値」が高いのです。

つまり、極端に言えばイチロー選手と吉田正尚選手の価値は同じだと言えます。(もちろん走攻守の能力も超大事ですが)


「出塁率の高い選手」が良い選手。


だとすれば、日本の野球界でも当てはまる選手がいます。

それは、このオフに日本ハムからソフトバンクに大型契約で移籍が決まった近藤健介選手です。なんと7年50億円という超大型契約です。野手最高年俸だった柳田悠岐選手を超えました。

彼も吉田選手同様に出塁率の高い選手です。


近藤健介 プロ11年
生涯出塁率.413(生涯打率.307)

ちなみに、ソフトバンクの至宝、柳田選手は以下です。

柳田悠岐 プロ11年
生涯出塁率.413(生涯打率.315)

なんと、生涯出塁率がまったく同じです。


出塁率が「4割」を超えると、選手としての評価がとても高くなるということですね。


これが、野球選手ではなく、我々ビジネスパーソンであれば、「出塁率」は何に当てはまるのでしょうか。

ビジネスパーソンの出塁率とは?

それはつまり、アウトにならない(失敗をしない)ことです。だとすれば、それは「凡事徹底」なのかもしれません。

派手なホームランや、目を見張る芸術的なバッティングは、見る人からすれば記憶に残りやすいですが、地味に地道にコツコツとやり続ける人も、目立たないですが、着実に結果を出し続けるのではないでしょうか。

当たり前のことを馬鹿にしないでちゃんとやる。この「凡事徹底」が「出塁率」の高さを生み出します。


ということで、無理やり我々の仕事に置き換えてみましたが、いかがでしょうか。そんなに外れていないような仮説だと思いませんか。

それではまた。

 

 

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