
年収の壁どころではない「社会保険」の負担額
こんにちは。冨田です。
先日、2025年度予算案と税制改正関連法案が衆議院の本会議で可決されました。
話題となっていた「年収の壁」は、国民民主党の希望額には達しませんでしたが、最終的には最大160万円に引き上げられることになりました。これにより、減税額はざっくり「年間2万円~3万円」程度になるようです。
あれだけ騒がれていましたが、せいぜいこの程度の減税です。
実はそれよりも、「社会保険料」の方がめちゃくちゃ負担が重いってご存知ですか?
給与明細を見ると、額面給与よりだいぶ手取り額が少ないと感じませんか?
そこで今日は、「年収の壁」つまり所得税よりも、ずっとずっと重い「社会保険料負担」について解説したいと思います。
社会保険料とはどんなもの?
日本の社会保険料は、健康保険、介護保険、厚生年金保険、雇用保険、そして労災保険などがあり、給料に対して一定の率がかかっています。
基本的に健康保険や厚生年金は、従業員と企業が「折半」で負担する形になっており、介護保険も同様です。
雇用保険は労使それぞれで負担、労災保険は企業が全額負担する仕組みです。
各保険料の計算は以下の通りです。
・健康保険料:月給に対して10%(自己・会社各5%)
・介護保険料:1.82%(自己・会社各0.91%)
・厚生年金保険料:総額18.66%
(自己9.15%、会社9.15%+子ども・子育て拠出金0.36%で会社負担は合計9.51%)
・雇用保険料:1.55%(自己0.6%、会社0.95%)
・労災保険料:0.44%(全額会社負担)
月給別に見る社会保険料の実態
それでは、具体的に「月給250,000円」の人と「月給300,000円」の人の手取り額を計算してみました。下記の表は、各保険の自己負担額、会社負担額、合計金額を示しています。
この表から分かるように、年収の壁で話題になっていた「所得税」よりも「社会保険料」の負担額が大きいことが分かります。
もちろん、社会保険料は医療費の自己負担を減らしてくれたり、将来の年金受給のための「保険料」なので、単純に税金として徴収されている訳ではありませんが、とにかく高い保険料ですよね。
そして、見逃せないのが「会社が負担する額」です。
会社は給与以外にも社会保険料を負担しているのです。
月給250,000円の人にはプラスで42,025円が掛かっており、企業の人件費総額としては「292,025円」となるのです。月給300,000円の場合は「350,230円」です。
企業にしてみれば、社会保険料は「給与」と同様に「コスト」なので、この負担分を加味して給与額を決定しています。つまり、社会保険負担が無ければ給与はもっと上げられるのです。
過去20年間でどう変わった?
昔の日本の社会保険料は、今ほど高くはありませんでした。
実際、厚生年金保険料は2004年当時は約13.6%だったのに対し、今では約18.3%に上昇しています。
健康保険料は、1961年には6.3%だったのが、現在では約10%にまで上がっています。
また、2000年に制度が創設された介護保険も、被保険者数や給付費の増加に合わせて、直近では2023年度に1.64%から1.82%に引き上げられるなど、すべて上昇傾向にあります。
この社会保険料の上昇は、少子高齢化が大きく影響しているのは言うまでもありません。現役世代が減る中で、制度を維持するためには、どうしても保険料を上げざるを得ないのです。
他国の社会保険事情はどうなっている?
それでは、海外ではどうなっているのでしょうか。
たとえば、ドイツでは給与の「40%」近くも社会保険料がかかると言われています。これらは基本的に労使折半で、企業と労働者がそれぞれ賃金の約「20%」前後を負担する形になっています。
一方フランスでは、企業負担がかなり大きく、労働者本人の負担を軽減している仕組みになっています。企業が給与の約「42%」もの社会保険料を負担し、労働者の直接負担は約「21%」に抑えられています。
高福祉国家として知られるフランスは、社会保障給付を税や企業負担で支えることで、労働者の負担を軽減しているわけです。
このように、国ごとの制度設計の違いから、私たちが実感する「負担」の重さにも違いがあります。
日本の場合、現役世代と企業で折半する仕組みのため、それぞれ負担率は約16%前後となり、欧州大陸諸国と比べれば低い面もありますが、アメリカと比べれば高い中間の位置にあると言えるでしょう。
この社会保険料をどう捉えるか?
年収の壁の話題が盛り上がる中で、私たちが見落としがちなのは、実は社会保険料という「隠れたコスト」です。
給与明細を見れば分かる通り、会社と自分で折半して支払っているとはいえ、かなり大きな負担を強いられてると思います。
でもこれは国民の義務なので仕方ありません。
そこで、社会保険料をただ単に「負担が重い」と思うのではなく、先輩方に「仕送り」をしていると捉えればどうでしょうか?
私たち現役世代が、生まれた時から何不自由なく暮らして来れたのも、先輩たちが一生懸命働いて豊かな日本を作りあげてくれたからです。
先人たちの努力のおかげで今があることに感謝し、「年金」という形で仕送りしていると思えば、少しは納得感も出てくるのではないでしょうか。
まとめ
ということで話をまとめると、毎月の給与から天引きされている「社会保険料」は、かなり大きな負担ではありますが、これは国民の義務でもありますので仕方がありません。
ただ、これを先人たちへの感謝の意を込めた「仕送り」だと捉えれば、気持ちよく支払えるというものです。
今度私たちが貰う頃には、後輩たちが気持ちよく支払ってくれると思います。
それではまた。
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