自転車の任意保険加入
こんにちは。広報チームの岡野です。
今年は、年号が平成から令和になっただけではなく、政府が私たちの生活に直結する取り組みを始める年でもありますね。
特に10月から施行されるものは家庭への影響が大きいですよね。
先日、このブログで書いた消費税増税もそうですし、まだ小さい子どもがいる筆者などにとっては幼稚園無償化もかなりの変化になります。
そんな中で、10月から施行される神奈川県の条例って、皆さまチェックされていますか?
消費税増税という大きな政治的変化と時期が重なって、県の条例の確認が後回しに…なんてありがちなんですが、神奈川県では10月1日から自転車の任意保険加入が義務化されるんですね。
というのも、全国各自治体では、自転車の任意保険加入を義務化するという動きが加速しているんです。2015年10月に兵庫県で条例化されたことを皮きりに、主要な自治体が次々と条例化してきたんですね。そして今年10月神奈川県でも条例化することとなった…というわけです。
自転車というと免許が要らず、小学生にもなれば、1、2位を争う人気の移動手段となるわけですが、なぜ、各自治体は自転車の任意保険を義務化しようという流れとなったのでしょうか?
というわけで、今回は『自転車の任意保険、義務化の経緯』とともに『自転車の保険に関する素朴な疑問』について書いていきたいと思います。
義務化の経緯
先にも書きました通り、自転車には資格が必要ないので、大人から子どもまで誰もが気軽に乗れる乗り物ですよね。
しかし、その気軽さからか適正な乗り方をしていない人が多く、交通事故に対する割合も非常に高くなってしまっているんです。
皆さまも、車の運転中や同乗中に自転車が猛スピードで横断歩道を渡ってきたり、車の横をすり抜けてきたりなど、あわや接触…なんていうキケンな運転をされてヒヤッとされたことがあるのではないでしょうか?
筆者の住む地域は、景観がよい場所がチラホラとあるので、過ごしやすい季節にはスポーツとして自転車を楽しむ方々が色んな所から訪れているようなんですね。
しかし、残念な運転をする自転車の方に出会ってしまうこともこれまた多いんです。
そもそも自転車の運転ルールって、免許がないということもあってなんだかボンヤリしてしまうんですよね。
でも、自転車の運転ルールはしっかり法律で定められているんです。
法律によると「自転車は軽車両として規定」されているんですね。そのため自転車というのは「道路交通法を適用される、立派な車両」ということになるんです。
自転車にはモーターがなくて、人力なのに?と思ってしまうところではありますが、自転車は自動車ほどではなくても、数十km/hの速度が簡単に出せてしまうんですね。そんな速度の鉄の塊が生身の人間にぶつかったら…大怪我をするのは必至です。
実は、昔からこれらのことは問題視されていたんです。なかなかルールが守られないという事態に、徐々に自転車に対する風当たりは強くなっていきました。
そして昨今では、この自転車の悪質性を重く受け止め、裁判では多額の賠償を命じられるのが珍しくなくなってきたのです。後遺症で億に近い賠償というのも出始めています。
でも、そんな大金は到底一般人には払えませんよね。そのため破産宣告をする人もいます。しかし、それでは被害者側がお金を払ってもらえない…ということになってしまうんですね。結果、被害者は泣き寝入りともいえる、非常に苦しい立場に置かれることになります。
そこで、各自治体では被害者をそんな状態にしないために、保険加入の義務化をする流れとなったのです。
どんな人が保険に入らなければならないの?
条例の定めなので自治体によって多少違いはあると思われますが、基本的には自転車に乗る人は全て保険に入らなければならないんですね。
これは子どもも例外ではなく、子どもに対しては保護者が子どもを対象とする保険に加入する義務があります。
一般家庭では、家族のうち1人だけが自転車を運転するということは少ないでしょうから、家族全員を対象とした保険に入ることが推奨されています。
ただし、幼児用自転車には注意が必要で、原則、幼児用自転車は自転車ではなく歩行者として扱われます。しかし、どこからが幼児用なのか明確な基準がないんですね。
なので、運転していたのが幼い子どもで、乗っていたのが幼児用自転車でも事故をおこした時に、裁判で「自転車」と認定されることが十分にあり得ます。保障はその点も考えて入る必要があるでしょう。
会社の自転車はどうするの?
時に、店舗間の移動や配達などで会社の自転車を利用することもありますよね。
条例では、自転車に乗る全ての人が保険加入の対象なので、業務で自転車を使用する場合、原則、会社側で保険に加入する義務があります。
個人の自転車保険では業務中の事故はフォローされないことが多いので、この点には注意が必要です。
また、レンタサイクルについても義務化の対象です。これについては、事業者の方々が対応をされることになるとは思いますが、自分の身を守るためにもレンタサイクルを利用の際には保険について予め確認することが必要ですね。
どんな保険があるの?
自転車の保険には、自動車の自賠責保険のように特定の保険があるわけではないんですね。原則としては「自転車に起因する事故に対する保障がされる保険」になるかと思います。
なんだかややこしいのですが、要は、自転車のみを対象とした保険ではなく、例えば自動車保険の特約でも、自転車事故の保障がされていれば条例としてはオーケーとなるんですね。
ただし、後に書きますが最低限の保障だけでいいと思っていると痛い目にあいますよ?保障の内容は、しっかりと吟味してくださいね。
どのくらいの保障があればいいの?
先に書きました通りで、交通事故の賠償は場合によっては億単位の賠償がなされます。
今後、厳罰化が進めば更に高額になることも予想されることから、最低限2億、できれば無制限の保険の入ることをお勧めなんです。
筆者のように、家計簿とにらめっこする身としては支出が数百万オーバーすれば、その時点で家計が破綻しかねないという認識があります…。なので、ここでの保険による出費は仕方ないと思っています。
特に小さな子どもいる家庭こそしっかりとした保障が必要なんですね。子どもは危険な運転をする傾向が高い上、相手が転倒して頭を打てば…当たりどころによっては死亡ということもあり得るのが事故というものなんですね。この時、例え子どもが起こした事故であっても、賠償責任は保護者が負います。そして、子どもがやったことだから…といって賠償額が減額されることは、ほぼありません。やはり保障は手厚くすべきだと考えられるんですね。
保険に入らないことで罰則はあるの?
条例化ということで罰則が気になるところだと思いますが、実は、この保険加入の義務化、原則、罰則がありません。
加入する保険が曖昧というのが主な理由みたいなのですが、今後、自転車の事故が減らなければ罰則を設けることもあるでしょう。
また、罰則がないからといって保険に入らないことがデメリットとなる可能性は大いに考えられます。というのも、事故が起こしてしまった時、賠償金を払えないこともそうなのですが、加入義務あるものに入らなかったことが悪質と裁判官に判断されれば、刑事・民事双方で処分が加算されるなんてことがあるかもしれないんですね。
加入義務のない県の人が、加入義務のある県に自転車で行くときはどうするの?
趣味で自転車に乗る方は、自転車で遠出をして県を跨いでしまう…なんてことが珍しくないそうですね。
そうでなくても、例えば子どもが他県の学校の学生寮に入る…なんて場合。
生活の拠点は実家にあるとして住所変更をしなかったけれど、子どもの生活する県が自転車保険の加入義務化の対象に…なんてことは考えられますよね。
こんな場合はどうなるんでしょうか?
これは原則、加入する義務のある県で自転車を運転する時は、他県の人でも保険に加入する義務を負うことになります。
条例では、自転車に乗るという行為が発生した場所で義務の有無を判断するんですね。
どちらにしても、慣れた道を自転車で走るのと違って、地理の不案内な他県では事故の可能性が高まります。例え義務がなくても保険に加入した方が良さそうですよね。
さて、いかがだったでしょうか。
自転車は楽しく便利な乗り物ですが、ある意味、自動車以上に危険に満ちた乗り物です。
どんなに気をつけていても、不慮の事故というものは起こるときには起こるもの。そんな事故を起こしてしまったときに人生を台無しにしないためにも、保険には必ず入るようにすることが大切ですね。
では、今回はこの辺で失礼いたします。
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