運動会の歴史
こんにちは。広報チームの岡野です。
10月1日、ついに緊急事態宣言とまん延防止措置が全面解除されましたね。
新型コロナウィルスの感染拡大防止については、引き続き警戒をして生活をすることとなりますが、それでも、生活に密接している制限が軽くなるというのは、やはり嬉しいものですよね。
10月の初旬というと…昔からの流れでは、運動会のシーズンではないでしょうか。
近年は、夏の気温上昇や台風シーズンを避けるためなどの理由で、5月頃に開催する地域もあるようなのですが、うちの子達は、先の土日が運動会でした。
前日に、まさかの台風通過という…そりゃ、5月頃の開催へ移行する流れも納得の出来事もありましたが、子ども達の出番に応じて、あっちへこっちへと移動をしつつ、なんとか家族全員が大きな怪我もなく、無事に行事を終えることができたことに、ほっと一安心しています。
しかし、この運動会…日本で公立の小学校を卒業した人であれば、誰に聞いても、「そのような行事があった」という認識ではないでしょうか?
その昔、筆者の祖母からも、「学生の頃通っていた女学校で、運動会があった」というように聞いているので、昭和初期には既にあったということになります。
かなり歴史がある行事の様子なんですね。
疑問に思ったので調べてみました。
すると…なんと運動会、明治時代からやっているんですね。
しかも、明治11年には、既に二人三脚・障害物競走・パン喰い競走の原型が出来上がっていて、実施された記録が残っているんです。
明治11年と言ったら…当たり前ですが、12年前は間違いなく江戸時代ですよ?
上に挙げた競技は、その当時の競技達な訳ですね。
そして、その後、当時の文部大臣が体育による集団訓練を推奨。
それを受けて、明治20年頃から全国の小学校に広がっていくこととなったそうです。
この事実を知らなかった筆者、割と疑問にも思わず、運動会の競技については、そういう行事のそういう競技だという意識で、こなしてきてしまいました。
こんな歴史ある競技に参加していたのだから、もう少し、真面目にやるべきだったかしら…と、ちょっと反省しましたよ…。
でも、皆さま、運動会の競技って…特殊すぎると思いませんか?
恐らく、日本が主体にならない限り、世界大会も開かれないくらいの…ひと昔前の言葉で言ってしまえば、ガラパゴス競技と呼ばれちゃうような競技達なんですよ。
極めつけが、運動会自体がそもそもの日本独特の行事なんですね。
海外に似たような位置づけの行事はあっても、恐らく日本で生まれ育った人が思い浮かべることのできる、あの「運動会」のような行事は、日本以外には存在しないんです。
ずばり、日本人が気付かないであろう独自文化の1つだったんですね。
確かに古くからある行事であるがために、安全性への配慮が欠けている競技も中にはあり…実際、筆者が子どもの頃はあった競技でも、現在行われていないものが多数あります。
また、軍事教練の名残も見られるという話もあるんですね。
そんな面からも、賛否両論がある運動会…。
しかし、未だに学校行事や社内レクリエーションとして開催されているのは、ある効果を期待してのものではないかと思うんです。
その効果というのが「一体感」です。
日頃からチーム戦のあるスポーツをしている方同士であれば、チームメイトとの一体感や試合後の達成感を分かち合うという感覚があるかと思うのですが、学校であれば学年も部活も違う…社内であれば違う部署で関わるプロジェクトも別の…という人同士が、一体感を得る機会は、「皆で何かをする場」を提供しない限りは、ほぼほぼ訪れないんですね。
つまり、運動会とは、人と人との繋がりを、身体を動かすことで作っていたという訳です。
もちろん、人と人との繋がりを形成する手段が絶対に運動会でなければならない理由はありません。しかし、運動には、思考をポジティブにしてくれる効果があると言われていますので、筆者が思うに、そこに身体を動かす爽快感が重なることで、より一体感を感じやすい気はするんです。
新型コロナウィルスが発生した影響で、開催方法が大きく変化した行事は多くあると思いますが、運動会もその1つでした。
筆者が今年、体験した運動会は、従来の運動会では考えられない、声援なし(身体や拍手で表現)といったものでした。
でも、十分に子ども達は楽しんでいたんですね。
筆者としては、後世まで運動会という行事は残っていって欲しいと考えています。
そして可能であれば、このコロナ禍において、開催の形を柔軟に変化できたことを踏まえ、ただ伝統として開催をしていくというのではなく、運動会のメリットを最大限に活かせるように配慮しつつ、今後も時代にあった行事に変化していってもらえるといいなと思いました。
それでは、今回はこの辺で失礼致します。
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