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風しんについて

こんにちは。広報チームの岡野です。

皆さま、予防接種は受けてますか?

「インフルエンザの予防接種の話にしては、時期外れだなぁ」と思われた方、正解です。
インフルエンザの予防接種は、その効果が表れるまでに2週間程掛かります。流行期である、今、インフルエンザの予防接種を受けるのでは、ちょっと遅いですよね。

というわけで、今回、お話するのは『風しん』についてです。

風しんは、予防接種で防げる病気ですが、知名度が高いインフルエンザの予防接種と反して、行政から予防接種の呼び掛けが行われているにも関わらず、ここのところ大流行してしまっている病気なんです。

小さな子供の病気と思われる方も少なくないのですが、最近の大流行は、大人を中心としたものと言われているんですよ。
というのも、今、30代後半~50代後半の男性と50代後半以上の方々には、赤ちゃんの頃や学生の時に、公費での風しんの予防接種が1度も設定されていなかったんですね。

公費の予防接種になっていないと、お子さんをお持ちの方はご経験がお有りかと思いますが、行政から「予防接種のお知らせ」のお手紙が来ないんです。勿論、学校での集団接種もありませんから、風しんの予防接種を受けるか否かは、完全に各家庭にお任せしていたことになります。

そして、風しんの予防接種が公費として受けられる年代になっても、初期の頃は女性のみが接種の対象になっていて、同じ家庭の子どもでも、男性か女性かで、接種の有無が分かれるような状態だったんです。

その後、男女ともに公費の予防接種対象となるのですが、当時は風しんの予防接種は1回で十分とされていたんですね。のちに2回の予防接種の実施が必要であるとなったことから、実施回数が不十分で免疫をつけられなかったかもしれない年代もあるんです。

これらに該当する方々は、自発的に病院に行って風しんの予防接種を受けるか、自然感染をして免疫を付けるか以外に、抗体を得る機会がなかったんですね。その結果、風しんの免疫がないまま、大人になっている方々がいると考えられています。

さあ、ここで問題となってくるのは、今、免疫に不安があるとされる年代の方々は、働き盛りだということ。仕事にレジャーにと渡航される方も多いですよね。そのとき、たまたま運悪く、風しんの流行地域に行ったりしてしまうと…海外から風しんウィルスをお持ち帰りしてしまうんだとか。

バイキン

何せ、風しんウィルスの感染力たるや、厚生労働省のWebページで「免疫がない集団において、1人の風しん患者から5~7人にうつす」とまで言われる程。これは、インフルエンザの2~4倍の感染力なんだそうです。小さな会社さんなら、一撃で業務がストップしちゃうレベルですよね。

そう、実は昨今の流行は、この輸入ウィルスから始まる感染拡大のパターンなんです。免疫を持っていれば防げた流行が起こってしまっているのですね。

そして、この流行で気を付けていただきたいのは、風しんは母子感染を起こす病気の一つだということ。妊婦さんが風しんに感染すると、お腹の赤ちゃんも危険なんです。しかし、風しんの予防接種で使うのは生ワクチン。

これが過去の風しんの予防接種で女性が優先された背景とも言えるのですが、生ワクチンの予防接種は、妊娠が判明してからでは受けられないんです。抗体がない妊婦さんは出産までの間、感染には最大限の注意を払う必要があるのですね。

この状況に対し、神奈川県は平成30年12月10日に「風しん非常事態宣言」をしています。自分に風しんの免疫があるかあやしいな?と思われる方や、家族に妊婦さんがいらっしゃる方、また、これから妊娠を望まれる方は、免疫の有無をみるための抗体検査というものがありますので、受けてみるのも良いのではないかと思います。

ちなみに、この検査には県や自治体で補助が出る場合もあるようなので、お住まいの地域の情報を調べてみてくださいね。

さて、ここまで長々とお付き合いをいただきましたが、日本の風しんの流行時期は、春から初夏にかけてと言われています。これから予防接種の検討を始めても、流行期までに十分、間に合いそうですよ? 今年は大きな流行がないといいですよね。

 

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