7月 01 2025

何か言ってるようで何も言っていない言葉は淘汰される

こんにちは。冨田です。

ChatGPTをはじめとする生成AIの登場で、文章作成がものすごく簡単になりましたね。
レポート作成、メールの文案、ブログ記事など。
まさに「ボタンひとつ」で、賢そうな人が書きそうな「それっぽい」文章が手に入る時代になりました。

しかし、その一方で、私たちはある種の「違和感」を覚え始めています。
なんかどこかで読んだような、誰が書いても同じような、当たり障りのない言葉の洪水。

それはまるで、中身のない国会の答弁や、毎回同じ内容に聞こえる校長先生の挨拶、定型文をなぞるだけの結婚式の主賓あいさつのようです。

なぜ、これらの言葉は私たちの心に響かないのでしょうか。なぜそれらの言葉は心に「入ってこない」のでしょうか。

ということで今日は、「AI時代」に必要な文章の「根幹」と、その書き方のポイントについて解説いたします。

これまで、当たり障りのない言葉や手垢のついた使い古された表現は、人間が「波風を立てたくない」「失敗したくない」という保身の気持ちから生み出してきました。
しかし、ChatGPTのような生成AIは、これをいとも簡単に、かつ大量に作り出すことができます。

AIは過去の膨大なデータから「最も無難で、それらしい言葉の組み合わせ」を学習しているため、本質的に「当たり障りのない表現」を作り出す達人なのです。

その結果、AIが生成した文章は、一見すると完璧でも、書き手の体験からくる「熱」や、独自の「視点」、そして文章に責任を持つという「覚悟」が欠けています。

まさに「何か言ってるようで、何も言っていない」言葉の典型です。

かつては「何を言うかより誰が言うか」が重要だと言われました。
権威ある人や好きな人が語る言葉は、それだけで価値を持っていました。

しかしAI時代には、この「価値観」に一石を投じられました。

どんなに有名な人が語っていても、その中身がAIでも書けるような空虚で当たり障りのない言葉であれば、それを聞いた人々は、「この人、本音を言っていないな」と感じます。

もはや言葉の「出どころ」だけではごまかしは効きません。
「何を言うか」というコンテンツそのものの価値が、改めて問われているのです。

それでは、「言葉」が民主化されたこの時代に、本当に価値を持つものは何でしょうか。

それは、AIには決して生み出せない、「生身の人間の価値」から生まれる言葉です。

・あなた自身の具体的な「体験」や「失敗談」
・リスクを恐れない、あなた独自の「主張」や「意見」
・理屈だけではない、あなたの「感情」や「情熱」

AIが生成する平均的で無難な言葉が溢れれば溢れるほど、これらの「ノイズ」や「偏り」を含んだ人間らしい言葉は、砂漠の中のオアシスのように輝きを放ちます。

整ってはいないが「記憶に残る」言葉、不器用だが「熱のある」言葉。
それこそが、これからの時代に求められるコミュニケーションの核心です。

AI時代には「語彙力」だけでは差別化ができなくなりました。
これからの時代に圧倒的に重要になるのが、心に「入ってくる文章」なのか「入ってこない文章」なのかという、極めて本質的な部分です。

その「入ってくる」という感覚を生み出すのが、「熱量」「哲学」「意見」そして「体験談」なのだと思います。

AI時代だからこそ、「生身の人間の言葉」が価値をもたらすわけです。

それではまた。

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