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黒い綿棒の価値とは

 

こんにちは。冨田です。

あなたが何かモノやサービスにお金を払う瞬間、具体的な「機能」に価値を感じてお金を支払っていますか?

たしかに、電子機器を買う際にはスペック、レストランで食事をするときにはメニューの品々の味、それぞれ明確な機能や価値を求めているでしょう。

しかし、機能やスペックが本当にすべてなのでしょうか。実際のところ、消費者としての我々は、機能以上の何か、つまり「感情」を求めて支払っているのではないでしょうか。

その感情とは、購入した製品や利用したサービスから生まれる満足感や安堵感、優越感や幸福感といったものです。

これらは一見目に見えない価値ですが、我々の消費行動の本質を突いています。

 

黒い綿棒の価値

私は毎日シャワーを浴びたあと、綿棒で耳をグリグリっと掃除します。耳の中の水気を取りたいってのもあるし、単純に気持ちいいから習慣になっています。

そして、その綿棒は「黒い」綿棒を使っています。前は白い綿棒を使っていましたが、いつからか黒い綿棒で定着しています。

耳垢は白っぽい色合いをしているので、当然白い綿棒より黒い綿棒の方が取れた耳垢が目立ちます。つまり、取れる量がたとえ同じだったとしても、黒い綿棒の方がめちゃくちゃ「取れた感」があります。

ここが大事なポイントです。

この、取れた感、つまり「爽快感」がめちゃくちゃ大事です。耳垢が取れて気持ちが良い、という「感情」に価値があるのです。

最初にこの「黒い綿棒」に目をつけた人は、ユーザーの本当に「欲しいもの」が分かっていたのです。

耳垢がきれいに取れる綿棒自体の「機能面」を追求するのではなく、ユーザーの「爽快感」に目をつけたのです。

実際にはあまり取れていなくても、見た目で分かりやす耳垢が付いていれば、「あ〜取れてる〜!」となって爽快な気分になれます。これが正解です。

 

洗濯用洗剤の価値とは

もうひとつの例でいうと、洗濯用の洗剤があります。

洗剤用洗剤は、当然ながら汚れを落とす「機能」があり、汚れは落ちれば落ちるだけ良いです。襟元に皮膚脂がついて黄色くなった箇所が綺麗に落ちると気持ちが良いものです。

ただ、汚れを落とす「機能」ばかりを追求すると、ユーザーの求めていることと乖離していく可能性があります。「汚れが落ちる」という洗剤の機能は、ある程度で良かったりします。

子供が部活で使ったユニフォームとか体操服とか、そういうのは普段の生活ではそんなに多くないからです。

それよりも、洗った後の洗濯物が「いい匂い」だったり、室内干しでもにおいが「臭くならない」など、そちらの方が大事だったりします。

つまり、ユーザーが本当に求めているのは、汚れを落とす「機能面」ではなく、洗ったあと、着たあとの「爽快感」ではないでしょうか。

機能じゃなく爽快感、つまりユーザーは「感情」にお金を支払っているのです。

 

まとめ

黒い綿棒や香りを重視した洗濯用洗剤のように、機能ではなく、ユーザーの「感情」にフォーカスした製品を作り出せる人は、目のつけどころが素晴らしいです。

これは、すべてのモノやサービスに共通することです。

とりわけ職人気質な日本人は、技術面だけを追求しがちですが、お客さんの本当に欲しがっているものは何なのかを、一度立ち止まって考えてみてはいかがでしょうでしょうか。

それではまた。

 

 

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