ソフトバンクの育成選手は凄い

こんにちは。人材開発の冨田です。

今年のパリーグはソフトバンクが4年連続で日本シリーズへ進出する事になりましたね。

しかも、去年まで3年連続で日本一になっており、直近の10年間で見ても6度の日本一になっています。
近年圧倒的な強さを誇っています。

そこで今日は、その最強ソフトバンクの「育成」についてお話します。

ソフトバンクといえば、潤沢な資金があり、選手の年俸総額が12球団一で、良い選手を獲りまくっている印象があるかもしれませんが、実は活躍している選手は生え抜きの選手が多いのです。

特に育成上がりの選手が大活躍しています。

今年の支配下登録をされている育成出身の選手を以下に挙げてみます。

■ソフトバンク　13人

千賀滉大、二保旭、牧原大成、甲斐拓也、釜元豪、石川柊太、モイネロ、大竹耕太郎、川原弘之、周東佑京、尾形崇斗、砂川リチャード、渡邉雄大

ちなみに、セリーグを制した巨人もソフトバンクに次いで育成選手が多いのです。

■巨人　11人

増田大輝、田中貴也、松原聖弥、メルセデス、加藤脩平、山下航汰、堀岡隼人、モタ、ディプラン、沼田翔平、田中豊樹

さて、ここで注目してほしいのが、ソフトバンクの育成出身選手で、今年タイトルを獲った選手が3人もいることです。

■千賀滉大投手　　最多勝（11勝）・最優秀防御率（2.16）・最多奪三振数（149個）
■石川柊太投手　　最多勝（11勝）・最高勝率（.786）
■周東佑京選手　　盗塁王（50個）

もっと言えば、千賀滉大投手、周東佑京選手、そして甲斐拓也捕手は侍ジャパン（日本代表）の選手です。

そして彼らの能力はプロ野球界でも「超絶一級品」なのです。

千賀投手は、最速160kmの豪速球とエグいくらい落ちる通称「オバケフォーク」があります。
シーズン始めには怪我をしていましたが、後半活躍し、今年は投手3冠タイトルを獲りました。
過去には育成初のノーヒットノーランの達成や、シーズン奪三振率（11.33）のプロ野球最多記録も残しています。

甲斐捕手は、通称「甲斐キャノン」と言われるほど、めちゃくちゃ肩が強くて、一昨年の日本シリーズでは、広島カープの盗塁をすべて刺して、シリーズMVPになったのがセンセーショナルでした。

そして周東選手ですが、昨年後半に彗星のごとく現れてきたのですが、今年は断トツで盗塁王になり、13試合連続盗塁の世界新記録も達成しました。めちゃくちゃ足が速く球界ナンバー1と言われていて、50ｍを5.7秒で走ります。

彼らは、高校までは無名の選手でしたが、なんとかソフトバンクのスカウトの目にかかり、育成枠でプロ野球の世界に入って来れたのです。

高校球児と言えば「甲子園」でどれだけ活躍出来たのかでドラフトにかかるかどうか大きく関わってきます。
なので、中学時代に名を馳せた選手たちは、強豪高校へ進学してその中でレギュラーを掴んで甲子園を目指すというのが王道です。

しかし彼らの場合は、高校も無名校で、かつ甲子園にも出場していない。
なのに育成枠とはいえドラフトにかかる逸材（素材）ではあったわけです。
ソフトバンクのスカウトの目にはキラリと光るものがあったのでしょう。

逆に言うと、ソフトバンクのスカウトの目にかからなければ、この能力は埋もれたまま表舞台に出てこなかったわけです。

そう考えると、プロ野球で活躍出来ずに消えていったダイヤの原石のような選手もいるのかなぁと、そう思います。

また、ソフトバンクは3軍まであり、練習施設が半端なく充実しているのです。
2軍3軍が使用する球場は福岡ドームと同じくらい大きく、隣接している寮もホテル並みに充実しています。

ただ、至れり尽くせりなのはあくまで「しっかりと練習が出来る環境」なだけで、決して待遇は良くないです。

遠征試合の移動はすべてバス移動だったり、もちろん給料も年俸240万円〜と激安です。
そこから「這い上がってやるぞ」というハングリー精神を損なわないための仕組みです。

近年、社会人野球などが企業の業績により縮小傾向にあるため、この「育成選手枠」というのは、飛躍の可能性のある選手のセーフティネットだとも言えます。

ということで、今日はソフトバンクの強さの秘訣でもある「育成」についてお話しました。

そして、11/21（土）から始まる日本シリーズは昨年に続き「ソフトバンク vs 巨人」というカードです。

ぜひ、今日紹介した育成上がりの選手に注目してみてください。

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