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韓国ソウル梨泰院の群衆事故を「割れ窓理論」で読み解く

 

こんにちは。人材開発の冨田です。

10月29日、韓国ソウルの繁華街、梨泰院(イテウォン)で悲惨な事故が起きてしまいました。梨泰院のハロウィンは、毎年多くの若者が集まり賑わっていますが、今回はコロナ明けの3年ぶりということで、10万人以上が押し寄せたようです。

とはいえ、人がギュウギュウにすし詰め状態になったからといって、156名もの死亡者が出るなんて、にわかに信じられません。この状況は、誰もが想像しかねると思います。(なお、死亡者のうち、かなりの数が「圧着性窒息死」だと推定されているようです)


そこで今日は、この痛ましい事故から学べる一つの教訓をお伝えしようと思います。


割れ窓理論


「割れ窓理論」というのをご存知でしょうか。1枚の割られた窓ガラスをそのままにしていると、さらに割られる窓ガラスが増え、いずれ街全体が荒廃してしまうという、アメリカの犯罪学者ジョージ・ケリング博士が提唱した理論です。

たとえば、学校の窓ガラスが1枚割れていたとします。それを直さず放っておくと、じきに2枚目が割られます。それをさらに放っておくと、もはや罪悪感は薄れて、窓ガラスはどんどん割られていきます。そして、次第にその学校は荒れていきます。


徐々にスラム化する街


これが市街の例でいうと、街のあらゆるところでゴミが落ちていたり、落書きがされていたり、それこそ空き家の窓ガラスがバリバリに割れていると、その街は荒廃してしまいます。

そこに住みつく人たちは、荒くれ者ばかりとなり、徐々に一般の人が近づけないようになります。そして、秩序も何もない「スラム街」となっていきます。


日本の街はきれい


そういう意味でいうと、日本の街はどこもきれいですよね。道端にほとんどゴミは落ちていないし、ポイ捨てする人も少ない。雑草なんかも、定期的に自治体の方々が除草作業をしてくれます。

この間の渋谷のハロウィン翌日には、ボランティア団体がゴミ拾いをして街をきれいにしてくれました。湘南海岸なんかもそうですね。この街をきれいに保とうとする団体が、進んでゴミを除去してくれます。


工場の5S活動


私たちの身近なところでいうと、派遣先の工場がまさにそうですね。構内は常に整理整頓され、ゴミが落ちていることは皆無です。

製造現場では、良いものを作るために、そして安全に生産するために、5S活動(整理・整頓・清掃・清潔・躾)が基本の「キ」とされています。

そういう意味でいうと、割れ窓理論の真逆ですね。ゴミ一つ落ちていない状態が「デフォルト」なので、たとえゴミが一つでも落ちていたら、それは誰かに除去されます。


まとめ


さて、韓国の事故の話を「割れ窓理論」へと展開していきましたが、つまりどういうことか。

おそらく、あの狭く細い道が人で溢れ、すし詰め状態になった中、道の上から下から左右から、無責任に「押せ!押せ!」という人がいて、その無秩序な群衆の流れが、雪崩のような自然災害を引き起こしてしまったのだと思います。

このような、人がたくさん集まる場所においては、人の流れを指南する役目が必要です。渋谷のハロウィンでいう「DJポリス」みたいな役目です。

無責任な、そして無秩序な群衆の動きは、予想だにしない事故を引き起こします。今回の、韓国で起きた悲惨な群衆事故から、人々は教訓を得なくてはいけませんね。

それではまた。

 

 

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