日本における移民の建前と現実
こんにちは。人材開発の冨田です。
昨日、当社は「公益財団法人アジア福祉教育財団」様より感謝状をいただきました。
アジア福祉教育財団は、政府(外務省・文化庁・厚生労働省)から委託を受けて、定住難民が日本で自立定住していくための様々な支援を行っている団体です。
なぜ当社が表彰されたのかと言いますと、3年前から第三国定住難民の方々を当社の請負事業所にて受け入れており、そのことが評価され今回感謝状を頂いたということです。
式典は厳かな雰囲気で行われ、岸田首相の祝電なんかもあったりと、とにかく当社としては恐縮ものでした。
そんなこんなで今日は、日本における「移民」について少しお話させて頂きたいと思います。
さて突然ですが、現在日本には観光客以外の在留外国人は何人いると思いますか?
これをすぐに答えられる人は少ないでしょう。
2021年6月現在、およそ288万人で、日本の人口の2.5%にあたります。
令和2年6月末現在における在留外国人数について | 出入国在留管理庁
これを多いと捉えるか少ないと捉えるかは人それぞれですが、確実に言えることは、これからさらに増えていくということです。
歴史を振り返ってみると、もともと戦前から日本で暮らしていた在日韓国人、朝鮮人を中心に50万人程でしたが、その後少しずつ増えていき、1990年の100万人から急激に増え始めました。現在までの30年間でおよそ「3倍」となりました。
増加の大きな要因としては、主にアジア系(中国、フィリピン、ベトナム)の外国人が就労目的で来日して、そのまま定住していった結果です。
なお、在留資格で一番多いのが「永住者」で、次いで「技能実習」「特別永住者」「技術・人文知識・国際業務」と続きます。
そして、2019年からは「特定技能」という新たな資格が創設されました。(詳細は後述します)
日本はこれから少子高齢化が進んでいくため、働き世代がどんどん減っていきます。そのため、外国人を受け入れて、そのレイヤーをカバーしていく必要があります。
たとえば、この国のリーダーが「本音」で語ればこういう事です。
「日本は超高齢社会へ突入するためこのままだと衰退してしまう。経済も社会保障システムも成り立たなくなる。そのため、減少する若者世代を増やす必要がある。
とはいえ、今から子供をたくさん増やすことはできない。だから、積極的に移民を受け入れ、大いに働いてもらい、消費してもらい、税を納めてもらいたい。
そのために、国としても、移民の人たちにも日本人と同じように、しっかりとした教育、社会保障体制を提供する必要がある。だから、国民の皆さんも、彼らを受け入れ、共存していく姿勢でいてもらいたい。この国の将来のために。」
なんか力強いメッセージで良いですよね。
でも、実際には表立ってこんなことは言えません。
なぜなら、国民の多くが「外国人の移民」に対して超ネガティブだからです。
自分たち(特に高齢者)の仕事が奪われる、あるいは、犯罪が増える、日本の文化や風紀が損なわれるなど、そんな風に思う国民がマジョリティだからです。
つまり、政治家は「移民政策」を掲げると選挙で「票」が取れない。だから表立っては言えないのです。
そう、「表立っては」言えないのです。
しかし、政治家や官僚は、本音では日本の将来を案じています。このままじゃマズいことは分かっています。だから、水面下でひっそりと移民を増やしていく政策を行なっているのです。
それを表しているのが、2019年に創設された「特定技能」という資格です。
もともと「技能実習」という制度があり、大義名分としては、「日本の技術を習得してもらい、祖国に帰ってからその技術を生かしてほしい」というものです。
しかし、現実は薄給で奴隷のように働かせる事業者が少なくありません。特に第一次産業、第二次産業の「単純労働」は、彼ら無しには成り立たなくなっている状況です。そのため、キツさに耐えられず失踪する技能実習生も増えてきて、近年、社会問題化しています。
その課題を解決するためでもあるのか、「技能実習生」を正式な労働者として日本に永住させる資格が「特定技能」です。(1号2号があり、1号は5年まで、2号は上限なし)
技能実習生は本来3年間(最大5年)しか日本に居られないのですが、そんな彼ら彼女らに日本の永住キップを渡すということです。
日本政府はかねてから、技術を持った「高度人材」には在留資格を与えていましたが、ついに「単純労働者」にも与えられるということです。
これはどういう意味かというと、そう、事実上の「移民政策」です。
この2年間はコロナの影響で入国する外国人は大分減りましたが、コロナの収束とともに、再び増加の曲線を描いていくでしょう。
最後に
私の個人的な意見としては、日本に移民が増えていくことはとても良いことだと思います。
日本の人口ピラミッドを見たときに、確実に現役世代が不足していくので、そこを補完していく策としては「移民政策」一択だと思います。
このまま長生きしていくおじいさんおばあさんを、一体誰が支えてくれるのでしょうか。GDPも税収も、人口が減ればジリ貧になること間違いなしです。
やはり将来の日本を案じるなら、移民を増やすしかないでしょう。
あの世界的な投資家「ジム・ロジャーズ」も、日本の唯一の希望の光が「移民政策」だと言っています。
それに、中東やアジアを中心に難民の数も増えており、彼ら彼女らを受け入れ、支援していくことはとても大きな意義があります。
今回、当社としても、アジア福祉教育財団様より感謝状をいただいたということは、国際課題の解決にほんの少しでも協力できたのかなと、ほんの少しだけ自負しています。
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