多数決は民主主義の最大の利点であり最大の欠点でもある
こんにちは。冨田です。
日本は民主主義です。アメリカもイギリスも、西側諸国はほとんどが民主主義です。民主主義とは、読んで字のごとく「国民」が意思決定をするシステムです。
一方、独裁者による意思決定システムは、「権威主義」と言われます。国民に主権はありません。ロシアや北朝鮮、中国などですね。
民主主義は成熟社会で機能する
たとえば発展途上国であれば、強いリーダーが大胆な政策を独断で進めることで、国を急成長させることが出来るでしょう。
ただ、その中には当然痛みもあり、すべての国民が満足できる生活を送れるとは限りません。中にはめちゃくちゃ辛い思いをする人たちもいるでしょう。
しかし、そんな痛みを伴ってでも、独裁国家であれば「国の成長」を優先してゴリゴリ進めることが出来ます。
一方で、ある程度の人が豊かに生活できるようになった成熟国家であれば、国民が主権を持ち、政策に対して「賛成or反対」の意思決定をする方がうまくいきます。
その方が、特定のグループだけが得をするような事は防げるし、且つ多様な人の意見を反映させた、バランスの取れた社会になるからです。
ポピュリズムの台頭
しかしながら、豊かになった国とはいえ貧富の差はあります。超お金持ちがいる一方で、生活保護を受けている人もいます。もっと言えば、賢い人もいる一方で頭の悪い人もいます。
民主主義においては、すべての人に平等に「一票」ずつ与えられています。つまり、投票という「多数決」においては、金持ちも貧乏も、賢い人も頭の悪い人もみんな平等に「一票」というカードを切れるわけです。
そんな民主主義では、時折ポピュリズムが台頭します。耳馴染みのよい短期的な政策を掲げ、大多数の貧困層を味方につけて当選してしまう政治家がいます。
代表的なのが、アメリカのトランプ前大統領ですね。あと、国民投票によりEUを離脱してしまったイギリスもそうですね。ポピュリズムとは、たまにこんな事が起きます。
国家と企業の意思決定
国家であれば、民主主義が今のところ最適なシステムではありますが、企業においてはそれは当てはまりません。
企業経営において、方針や事業を「多数決」で決めていては、すごく平凡で普通の会社になってしまうでしょう。
たとえば、会議で新規事業案をまとめる際に、多数決で決めてしまうと、誰もが考えうる「平凡で普通」の事業案に落ち着きます。
なぜなら、多数派が考えることは、すでに世の中に溢れているものだったりするからです。「世の中に溢れている=多数派」だからです。
一方で、少数派が考えていることは、世の中にまだ無いもの、あるいは、あってもまだ少ないものだったりします。なので、「新しいニーズ」を掘り起こせる可能性があるのです。
ただ、逆に「まったくニーズが無い」から世の中に存在していないという可能性もあります。
つまり、少数派は「革新」か「愚策」のどちらかです。言い換えると、「ホームラン」か「空振り三振」がどちらかです。
多数決に向いてる事と向いていない事
たとえば、社内にある自動販売機のドリンクの種類を何にするかとか、忘年会をやるのかやらないのかなど、このような事は「多数決」で決めた方が早いです。
本業にはあまり関係のない、どちらでも良いようなことは多数決が向いています。皆んなの意見を反映させることができるし、何より「即決」できるからです。
一方で、新規事業や新商品を決める会議だったり、新しい何かを生み出そうとする際には、「多数決」は向いていません。
前述したとおり、多数派は「平凡で普通」に落ち着きます。少数派は「革新的」で「独創的」で、みんなが考えつかないようなアイデアを生み出します。
なので少数派は、世の中にはまだ無いサービスだったり、業界初と言えるようなサービスを作り出せる可能性があるのです。
まとめ
民主主義の根幹ともいえる「多数決」は、最高の結果を生まない代わりに最悪の結果も防げるシステムです。
成熟社会においては今のところ「最適解」ではありますが、成長フェーズにおいてそれは当てはまりません。
とくに、何か新しいものを生み出す際には、「民主主義=多数決」は最大の欠点とも言えます。
これからは、少数派の意見も取り入れつつ、多数派の民意を反映させるような「民主主義2.0」みたいなのができるといいですね。
それでは、2023年はこれが最後になります。2024年も引き続き宜しくお願い致します。
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