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NFLとMLBはなぜこんなに差が開いてしまったのか

 

こんにちは。冨田です。

アメリカで人気の3大スポーツと言えば、NFL(アメフト)、MLB(ベースボール)、そしてNBA(バスケ)ですよね。でも実際の人気度は、NFLがぶっちぎりです。

今年のメジャーリーグは、ドジャースとヤンキースという人気球団同士のワールドシリーズだったため、1試合の視聴者数は1600万人と多かったのですが、NFLの最終決戦である「スーパーボウル」の視聴者数は、なんと1億人を超えます。MLBのおよそ10倍です。

なぜこんなにも差が開いているのでしょうか?不思議ですよね。歴史としてはMLBの方が古く、アメリカ人に深く根付いているスポーツなのに。

今日は、その理由を考察してみます。

 

NFLの視聴者数が段違いの理由

まず、NFLとMLBで一番違うのは、シーズン中の試合数です。MLBはシーズンで162試合もあるのですが、NFLはなんと17試合しかありません。これだけ試合数が違うと、当然、1試合の「希少価値」が違ってきます。

NFLでは、試合が日曜日に集中していて「サンデーフットボール」として、家族や友達と一緒に観戦する文化があります。試合数が少ないからこそ、1試合1試合に「スペシャル」感があり、見逃したくないって思わせるわけです。

一方で、MLBはシーズンが長く毎日試合をやっているので、1試合の緊張感が少し薄れてしまいます。試合が「日常」の一部になっているのです。

選手としても、稼働する日数が全然違います。もちろん、ハードなスポーツであるNFLは、1試合にかかる負荷は相当なものですが、MLB選手の稼働日数は、単純に10倍多いわけです。

当然、試合の放映権料も段違いです。NFLの試合に流すCMはナショナルブランドが名を連ねています。1億人にリーチできるCMとなれば、その値段はいかほどでしょうか。

テクノロジーが変えたエンタメの消費スタイル

ここ数十年、インターネットやスマホが爆発的に普及したおかげで、エンタメを楽しむスタイルも一気に変わりました。

今やエンタメは「短時間でサクッと楽しめるもの」が主流となります。TikTokなどショート動画が爆発的に人気を集めたのは、若い人たちは、長時間視聴するよりも「短くて刺激的」なコンテンツが好きだからです。

逆に言えば、世の中にはエンタメコンテンツが多すぎて、一つ一つに時間をかけてられない、という方が正確かもしれません。

MLBの試合は平均で3時間かかるし、試合展開によっては4時間5時間になることもあります。これでは、若者の野球離れが起きるのも仕方がありません。

対して、NFLやNBAは試合時間が決まっているので、必ず同じ時間に終わります。しかも、短時間でアクションが次々に展開するので、見ている人が飽きにくいという特徴もあります。

試合の長さが問題であると気づいたMLB機構は、去年から試合時間短縮のためのルール改正を行い、結果として平均30分も試合時間を短縮させました。この変更が、今後良い影響を及ぼしてくれると良いのですが。

 

MLBは露出効果と地域密着

試合数も多く、試合時間の長いMLBですが、悪いことだけではなくて、もちろんメリットもあります。

それは何かというと、広告主にとって、長期的に「広告を出しやすい」という点です。

スポンサーとしては、シーズン中に長い時間広告を露出できるため、「単純接触×接触回数」が機能し、視聴者の記憶に残りやすくなります。

さらに、MLBは「地域密着型」なので、地元に根付いたファンがいる分、地域企業との連携もしやすくなります。

ローカルスポンサーがシーズンを通して支援する形で、ファンにとっては「応援したい地元企業」みたいに思われて親近感が生まれます。

MLBならではの強みがここにありますね。

まとめ

さて話をまとめると、MLBに比べてNFLは、1試合あたりの価値が大きく違います。そこに人気もお金も集中するので、NFLがアメリカNo.1スポーツだと言われるのです。

しかしMLBは数で優っています。試合数が10倍多いので、広告効果も長く、お金もしっかり集まってきます。トータルでみれば、NFLもMLBもそんなに変わらないのではないでしょうか。

とはいえ、今の時代に合わせて試合時間の短縮は進めていくべきだと思います。エンタメに溢れる現代では、短時間で消費できるコンテンツであるということがとても重要です。

個人的には、日本のプロ野球もピッチクロックを導入して試合時間を短縮した方が良いと思うのですが。

それではまた。

 

 

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