「共同幻想」と「プラセボ効果」の共通点は…
こんにちは。冨田です。
前回、目に見えているものだけがすべてではないというお話をしましたが、人間はむしろ、目に見えないものを信じている生き物です。それは国家であったり宗教であったり、皆が皆、同じように信じているものです。
それはすなわち、「共同幻想」といいます。
共同幻想とは
共同幻想は、みんなが「これってこういうものだよね」と信じていることです。お金もそうだし、国という概念もそうです。
国境も、実際には見えない線が引かれているだけです。でも、その線を信じているから、私たちは国同士の違いを意識して、国民としてのアイデンティティを持っているのです。
たとえば「お金」。お金は、実際にはただの紙切れやデジタルの数字ですが、それに価値があると思うからこそ、私たちはそれを使ってモノを買ったり売ったりできるのです。
100万円の札束がアフリカの山奥にあったとしても、焚火にしか使われないでしょう。
「宗教」はどうでしょうか。これこそ、目に見えない「神」をみんなが信じて拝み、「神」の教えを守り、心の平安を保っているのです。
イスラム教であれば豚肉も食べれないしお酒も飲めませんが、イスラム教徒は皆、それを当たり前だと思っています。
プラセボ効果とは
そして、「共同幻想」と似た言葉で「プラセボ効果」というのがあります。
プラセボ効果とは、実際には何の薬効もない偽薬でも、それを「これで治る!」と信じることで、本当に症状が改善したりする現象のことです。
たとえば、頭痛がひどい人に砂糖の錠剤を「これ、すごく効く薬だから!」と渡すと、実際に頭痛が和らぐことがあるんです。よく考えたら不思議ですよね。人間は信じれば身体的にも変化するものなんですね。
逆の現象もあります。たとえば人と話している時に、相手が咳きこんでいたら、なんだかその後に体調を崩すみたいなことがありませんか?
目には見えないですが、変なウイルスをもらってしまったんじゃないかと思い込んで、実際に体が反応してしまい、体調を崩すという現象です。
あと、違う角度でいうと、子供の教育なんかもそうですね。小さい時から褒めてほめて育てる子供は、自己肯定感の高い人間になるのではないでしょうか。
「すごいね!すごいね!」と褒められて育つと、自分は価値のある人間なんだと思い込むからです。これも「プラセボ効果」ですね。
共通点は「信じる力」
共同幻想とプラセボ効果で共通していることは、「信じる力」です。お金に価値があるとか、この薬は効くとか、思い込んで信じるからこそ、現実に変化をもたらすのです。
つまり、社会全体で共有されている幻想も、個人レベルでのプラセボ効果も、私たちが「そうだ」と思えば、それが実際に形になる。それってすごくないですか?
そして「信じる力」は、良い面でも悪い面でも、私たちに影響を与えます。
たとえば、信じることで病気が良くなったり、逆に、誤った信念が広まると、混乱を引き起こしたりすることもあります。
今はSNSの時代ですから、ちょっとしたデマや誤った情報が瞬時に広まることがあります。それも、ある意味「共同幻想」の一つです。
一方で、プラセボ効果は医療の現場でも注目されていて、「信じることで健康になれる」可能性があるとされています。
実際、期待感やポジティブな思考が、体の回復力を高めるという研究もあるようです。
まとめ
そもそも人間が太古の昔、激動の時代を生き延びてこれたのは、この「共同幻想」があったからだと言われています。
人間の祖先であるホモ・サピエンスは、神や金銭、権威など、人の想像力が生んだ観念を仲間同士で信じ込める能力がありました。
これにより、大勢で柔軟に協力するという能力を獲得し、食物連鎖の頂点に立つことになったと言われています。
人間に備わっている「信じる力」は、良い面も悪い面もありますが、なるべくポジティブに利用したいですね。
それではまた。
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