
「具体抽象ピラミッド」で解像度を上げよう
こんにちは。冨田です。
会社での会議、家族の話し合い、あるいは友達との雑談で「話がふわっとしていて、いまいちピンとこないな……」とか、「細かい話ばかりされて、全体像が見えてこないな……」なんて経験をしたことはありませんか?
そんなときに役立つのが「具体抽象ピラミッド」です。
これは何かというと、話やアイデアを“抽象度の高いところ”から“具体度の高いところ”まで、階層的に整理しようという考え方です。
今日は、この「具体抽象ピラミッド」の活用方法や実際の例、メリットなどをお伝えしたいと思います。
具体抽象ピラミッドってなに?
「具体抽象ピラミッド」とは、上に行くほど抽象的(概念的、理想的、目的レベル)、下に行くほど具体的(数値、行動、手順、施策レベル)という図式をイメージしたものです。
たとえば、会社のビジョンやミッションが一番上(最も抽象度が高い)にあって、そこから段々と部門方針、そして具体的なアクションプランへと落とし込んでいく――そんな形を“ピラミッド”で表すわけですね。
このフレームワークを使うと、以下のようなメリットがあります。
・「今、抽象的な話をしているのか、具体的な話をしているのか」が一目でわかりやすい。
・最上位の目標と、日々の行動が結びつきやすい。
・論理的思考力が鍛えられる。
会議や議論で、最初に“ビジョン”を掲げたのに、気づいたら“◯◯をいつまでにやるべきか”という細かいアクションの話しかしていなかったり、逆に具体案を詰めなきゃいけないのに「概念論」ばかりで時間が過ぎてしまったり――もしそんなケースがあるなら、このピラミッド思考はおすすめです。
抽象と具体、それぞれに偏るデメリット
「抽象」に偏りすぎると…
・「ふわっとした理想」ばかり語られて、現実味がわきにくい。
・実行フェーズで「で、具体的に何すればいいの?」となってしまう。
・全員のイメージがバラバラになってしまい、後から意識合わせに苦労する。
「具体」に偏りすぎると…
・「ピンポイントな事例」ばかりが議論の中心になり、大きな方向性が見失われる。
・個別の改善案に終始するので、本質的な戦略へ展開しにくい。
・将来的にスケールアップしにくい。
大事なのは、「今は抽象度を上げて全体像を確認する」、「今は具体度を上げて実行可能なプランを作る」というふうに、具体抽象を行き来することです。
具体抽象ピラミッドは、そうした“行ったり来たり”をスムーズにしてくれる道具なんですね。
具体抽象ピラミッドのイメージ
実際の図はこんな感じです。
たとえば「生物」というテーマでは、まず「動物」と「植物」に分解され、さらに下へ降りていくほど具体的になっていきます。
会社であれば、“目指す方向”から“どうやるか”へと焦点が移り、具体的な施策や行動指針が見えてきます。逆に、下から上へ上がると「なぜこれをやるのか?」という目的や意義が明確になります。
ビジネスにおける具体抽象ピラミッドの例
それでは仕事のシーンでイメージしやすい例を見てみましょう。たとえば、企業のビジョンを最上段にして、そこから具体策を整理する場合です。
会社の最上位ビジョン(抽象度MAX)
・「地球環境と共生しながら持続的成長を目指すグローバル企業になる」
とにかく“理想”や“ゴール像”を示したものです。
経営方針・中期目標(やや抽象)
・「5年後までにエコ関連製品で売上の30%を達成し、脱炭素社会に貢献する」
ビジョンを数値や具体的な期間で少し落とし込みます。
部門別の具体的目標・戦略(中くらいの抽象度)
・製造部門:「製造工程のCO₂排出を3年で20%削減」
・開発部門:「エコ関連製品を新たに3ライン開発し、○○基準をクリア」
・営業部門:「環境志向の新規顧客を拡大するため、オンライン販路を2倍に」
どの部門が、どのような指標でビジョンに貢献するのかを示します。
施策レベルのアクションプラン(具体度MAX)
・製造部門A:「○○工場に省エネ設備を導入し、夜間消費電力を30%削減」
・開発部門B:「次世代バッテリー技術を共同開発し、試作品を年内にリリース」
・営業部門C:「環境志向の通販サイトと提携し、月額○○円で広告枠を確保」
各部門での実際の行動を、予算や期間、担当者レベルで具体化します。
こんなふうに、一番上から順番に降りていくと「なぜこれをやっているの?」がブレにくくなりますし、一番下から上を見れば「これをやることで、会社のビジョンに繋がっているんだ!」という意義が見えてきます。
日常生活における具体抽象ピラミッドの例
これを私生活に置き換えてみましょう。
たとえば、「理想の家庭を持つ」というテーマです。
理想の家庭(抽象度MAX)
・「家族全員がお互いを大事にし合い、安心と幸福を感じられる家庭」
ここが一番上のゴール、いわゆる“ありたい姿”です。
家族の基本方針・価値観(やや抽象)
・「健康的な生活を心がける」
・「コミュニケーションを大事にする」
・「お互いの成長や個性を尊重し合う」
理想を実現するうえで、家族が共有すべき考え方です。
家族の具体的な目標(中くらいの抽象度)
・「週に1回は家族全員が顔を合わせて食事する」
・「毎月の支出を見直して貯蓄を増やす」
・「休日にはみんなで身体を動かすアクティビティをする」
抽象的な価値観をもう少し日常的な指標・目標に落とし込みます。
日々のアクション(具体度MAX)
・「毎朝フルーツや野菜を取り入れた朝食を作る」
・「家計簿アプリを使い、月に一度、家族で今月の支出をチェックする」
・「週末は少なくとも1時間は公園でウォーキング」
最も身近なレベルにまで具体化して、誰がいつ何をするかが見えるようにします。
「理想の家庭」を掲げても、結局どんな行動が必要なのかイメージしづらい――という場合でも、こんなふうにピラミッドを使って落とし込んでいくと、自分や家族が「今日何をすればいいか?」がすっきり見えてくるわけです。
具体抽象ピラミッドの活用ポイント
まず最上段(抽象度MAX)を明確にする
「そもそも何のためにやるの?」というゴールやビジョンをはっきりさせましょう。
抽象と具体を行き来する
「もっと具体的に話そう」「一度全体像に戻ろう」という具合に、階層を行き来してみます。
話がふわっとしすぎたら具体例を、細かすぎたら上位のゴールに戻る、といった調整を意識することです。
ピラミッドを図にする
実際に図やツリー構造で書き出してみると、頭の中の整理だけでなく、チームメンバーや家族との共有がスムーズです。
最下層は「誰が」「いつまでに」「何をする」レベルに落とす
“絵に描いた餅”で終わらないためにも、最後の具体行動までしっかり落とし込むのがポイントです。
まとめ
「具体抽象ピラミッド」をどう活用するのかというと、つまり、「今、自分たちが話しているのは何レイヤーなのか」を認識して、必要に応じて抽象度を変えながら議論したり、プランを考えたりしようということです。
抽象度が高すぎると、ふわっとしていて進まない。
具体度が高すぎると、全体の目的が見えなくなる。
大切なのは具体抽象のバランスを取り、そのレイヤーを行ったり来たりすることです。
一度お試しあれ。それではまた。
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