「メタバース」とはどんな世界観でしょうか
こんにちは。人材開発の冨田です。
ここ1〜2年バズワードになっている「メタバース」ですが、それは一体どのような世界観で、どこまで進んでいるのでしょうか。
わかりやすい例えで言われるのが、映画「マトリックス」や「竜とそばかすの姫」の世界観です。バーチャルの世界にログインすることで、現実世界とは切り離された、まるで夢の中にいるような状態を作り出します。これを実現するのがメタバースということです。
メガ企業が投資している
昔からメタバース的な発想はあって、特に目新しいわけではないですが、テクノロジーや通信環境が整ってきたことで、いよいよ動き出したというタイミングです。
なぜなら、メガ企業がこぞって「兆円単位」の投資をし始めたからです。Facebookから社名を「Meta」にして本気度を表したマーク・ザッカーバーグ。AppleやMicrosoft、中国のテンセント、そしてディズニーや任天堂などなど。
あと、メタバース内に経済圏を持ち込む動きもあります。「NFT」という、デジタルデータに所有権を発行する技術で、デジタルデータに資産価値をつけ、お金儲けをしたい勢も取り込む動きです。これらも、メタバースを盛り上げていく一助にはなるでしょう。
着実に近づきつつある仮想空間
一気にメタバースの世界へ行くというより、着実にそちらの世界(仮想空間)へ近づいているというのが正しい表現だと思います。
たとえば、現在でもInstagramやTikTok、LINEやスマホゲームなど、ある意味〝仮想空間“に時間を費やしていると思います。現実世界で人と話す機会は減り、その価値も下がってきています。リアルに人と会っているのに、スマホばかり見ている人も少なくありません。インスタの前では化粧をするのに、普段はスッピンという人もいます。
ビジネスシーンにおいても、仮想空間は使われ始めています。オンライン会議やグループチャットなど、リアルに会う機会は減り、オンライン上で完結できる仕事が増えていると思います。
要は、いま使っている2次元のツールが、メタバースのような3次元に移っていくだけの話で、むしろ自然の流れと言えます。
進化する3DCG
宇宙開発が進み、宇宙に衛星がバンバン打ち上げられると、そこからリアルタイムに地球上の映像を取得できます。そして、その膨大なデータをAIで学習させ、超リアルな3DCG(仮想空間)を作ることができます。つまり、宇宙開発が進めば、メタバース開発も並行して進んでいくということです。
そして、そのリアルな3DCGの世界は、あらゆるものに活用ができます。自分のアバターを作り、その世界(仮想空間)で動き回ることもできます。家に居ながら世界旅行もできます。(Googleストリートビューが3D空間になったと想像してみてください)
また、ビジネスシーンでは、デベロッパーがマンションやビルを建設する前に日照具合などのシミュレーションができたり、国が道路や橋を作る際の完成後のシミュレーションもできます。
メタバースがもたらす平等な世界
自分のアバターを仮想空間内で動かせるということは、現実世界とは違う「新しい自分」を解き放てるということです。
たとえば、容姿に自信がなく現実の世界では「非モテ」キャラの自分が、メタバースの世界ではモテモテキャラになることも可能です。歌はうまいが容姿はイケていない人でも、メタバース内では人気を集める歌手になることも、それこそ、おじさんが女性のアバターになって人気者になることも可能です。
そういう意味で言うと、メタバースは誰にでも平等にチャンスが与えられる世界だといえます。
本当の自分とは?
もともと人は、現実世界の中でも、会う人やシーンによっていろんな自分を演出していると思います。
たとえば、家族といる時、職場や学校にいる時、気の置けない友達と一緒にいる時など、相手との距離感や立場によって、それぞれ違ったキャラクターになっていないでしょうか。ひとりの人間の中に「多様な自分」が存在する感覚です。
これが、メタバースが広まるにつれて、人々は仮想空間上でもいろんな自分を解放できるようになります。
外見と内面の密接な関係
人の性格、個性、人格は、身体的な特徴と密接に結びついていて、且つ、それらは暮らしている環境によって相対的に変化するものです。
たとえば、身長180㎝の日本人男性がいたとして、その人は昔からスポーツでも活躍できて、高身長により相対的にモテ組となり、それが自信になって後天的に「明るく活発で勝ち気」といった人格が形成されます。
しかしながら、もし彼がオランダで生まれ育ったらどうでしょうか。オランダ人男性の平均身長は183㎝なので、平均より小柄な男性となります。そうなると、彼は明るく活発で勝ち気な人格になっていなかったのではないでしょうか。
つまり、人格は「身体の特徴に引っ張られている」という仮説です。であれば、メタバース内のアバターを自分の「なりたい外見」にすれば、明るく活発で勝ち気な人格でいることができます。
まとめ
メタバースは、一言でいうと「もうひとつの世界」です。現実世界の自分とは違うキャラクターで入り込むことができ、どこか生まれ変わったような感覚になるのではないでしょうか。
もちろん、その仮想空間はひとつだけではなく、プラットフォーム(参入事業者)の数だけ世界が増えていくでしょう。それらへ自由にログインしていくだけです。(InstagramやTikTokへログインするように)
結局のところ、人々の「可処分時間」をいかに奪っていくかというゲームです。つまり、メタバースが、リアルにどこかに行くとか、リアルに人に会うとかよりも、相対的に「価値」が高くなるかどうかに尽きます。
メタバースが世の中に浸透していくには、そこが重要なポイントになるでしょう。
それではまた。
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