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スポットワークアプリの現状と未来像

 

こんにちは。冨田です。

最近、スポットワークアプリがどんどん増えてきているのはご存知でしょうか。タイミーを筆頭に、LINEスキマニ、メルカリハロ、シェアフル、そしてスポットバイトルなど、乱立してきました。

数年前にはこういったサービスは無かったのですが、コロナ禍をきっかけにリモートワークや副業が注目され、働き方の多様化が進んだことで、いまスポットワークのニーズが爆発的に増加しています。

スポットワークの大きな魅力は、なんといっても「気軽さ」です。空いている時間にサクッと稼ぐことができるので、学生や副業をしたい会社員、フリーランスにはとても魅力的です。

一方、人手が欲しい企業側にとっても、このサービスを活用することで人材を素早く見つけられるのでとても便利です。

 

「相互評価」機能のメリット、デメリット

なお、これらスポットワークアプリでは、「相互評価」機能というのが実装されています。この機能は、雇用主が労働者を評価でき、逆に労働者も雇用主を評価できるというものです。

簡単に言えば、仕事が終わった後に「この人は良い仕事をしてくれたか?」とか「この雇用主はちゃんと対応してくれたか?」といった点をお互いに点数で評価する仕組みです。

この「相互評価」システムの大きなメリットは、お互いを信用できるかどうかを事前に知ることができる点です。高評価を多く獲得している労働者は、他の雇用主からも信用され、次の仕事に繋がりやすくなります。

一方、雇用主側も評価されるので、労働者を雑には扱えません。低評価をつけられると、次第に労働者から選ばれなくなるからです。つまり、お互い自浄作用がはたらいて、クオリティが担保されているわけです。

一方で、デメリットもあります。

評価が主観的になりやすく、たとえば一度不当な低評価をつけられてしまうと、それが他の雇用主に晒され、次の仕事が見つけづらくなるという問題が出てきます。

また、評価システムが個人的で感情的な判断に基づいてしまうと、労働者の実際のスキルや業務態度に関係なく低評価がついてしまうため、「評価の不公平さ」が大きな課題となってきます。

 

バランスを取る難しさ

相互評価システムの導入によって、労働者と雇用主の間に透明性が生まれることは良いのですが、それを公平かつ効果的に運用するのは思った以上に難しいものです。

なぜなら、「評価」がすべて数字や星の数で表されるので、その背景にある細かい理由や事情までは反映されずに、単に「良い」「悪い」といった評価だけが表に出てしまうからです。

さらに、評価が一度ついてしまうと、その評価が次の仕事に直結してしまうため、たとえ一度の小さなミスや不当な低評価でも、それが長期的なキャリアに影響を与えることになりかねません。

もちろん、事業主側にも不当な低評価をつけられる可能性があります。たまたま気に食わないことがあった際に、「個人的な腹いせ」により低評価をつけられると、企業自体のイメージも悪くなってしまいます。

現代は「評価経済」とも言われるほどです。評価の1ポイント1ポイントが、思いのほか大きなウエイトを占めるのです。

ということで、非常に便利な「相互評価」機能ですが、少し間違えると諸刃の剣にもなるため、制度設計がとても難しいのです。

 

比較される「日雇い派遣」のメリット、デメリット

スポットワークアプリが登場する前から、短期労働の代表格として活躍していたのが「日雇い派遣」です。

日雇い派遣の良い点は、やはり派遣会社がしっかりとサポートしてくれることです。働く場所や仕事内容に不安がある場合でも、派遣会社が事前に詳細な情報を提供してくれるため、労働者は安心して仕事に取り組むことができます。

また、派遣会社が労働者の権利を守る役割も果たしているので、万が一トラブルが発生した場合でも、直接雇用者と交渉する必要がなく、派遣会社が間に入って解決してくれるケースが多いです。

一方で、日雇い派遣にもデメリットがあります。

派遣会社を通すことで、労働者が得られる報酬がスポットワークに比べて低くなります。派遣会社には人件費もかかっているため、その分コストがかさむからです。

さらに、スポットワークアプリのように「相互評価」で労働者と雇用主のフィードバックがリアルタイムで反映されるシステムがないため、透明性には欠けてしまいます。

 

「AI×マッチングサービス」の未来像

今後、AI技術の進展によって、スポットワークアプリはますます進化していくでしょう。

すでにAIは、働き手と仕事のマッチング率を上げるためのアルゴリズムに組み込まれていますが、これがさらに進化すると、労働者のスキルや過去の評価、雇用者のニーズを瞬時に解析して、さらに最適なマッチングが可能になるでしょう。

たとえば、AIが労働者の履歴や評価を基に、過去にどのような仕事で成功したのか、また、どのような雇用主との相性が良いのかを学習し、その情報を元に最適な仕事を自動で提案してくれるといったことが可能になるかもしれません。

しかし、AIが労働市場を最適化する一方で、人間らしい感情や直感を無視してしまう危険性もあります。

たとえば、AIが「数字上は完璧な人材」として推薦したとしても、実際の仕事現場での適応力やコミュニケーション能力など、AIでは察知できない「人間力」みたいな部分が見逃されてしまうことがあるかもしれません。

 

まとめ

さて話をまとめると、現在、スポットワークアプリの普及により、労働者と雇用主が直接つながる便利な仕組みが広がりました。

とりわけ「相互評価」機能は、信頼できる相手を見つけやすくする一方で、評価の不公平さや主観的な判断がリスクとして残っています。

今後、AIの進化により、より精度の高いマッチングが期待されますが、人間らしい判断力とのバランスをどう取るかが大きなポイントとなるでしょう。

それではまた。

 

 

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