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プロ野球の「投高打低」はなぜ起こっているのか

 

こんにちは。冨田です。

今日はマニアックな話をさせてください。

ここ2、3年でしょうか。
日本のプロ野球において、打者より投手の力が上回っている、いわゆる「投高打低」が顕著になってきています。

ここで、今年のセ・パ個人成績を見てみましょう。

【セ・リーグ】

【パ・リーグ】

3割打者がセ・パ合わせて3人だけで、ホームラン数も30本以上が2人しかいません。これって、けっこう異常事態だと思います。

一方、投手成績の方をみると、セリーグでは防御率1点台が5人もいます。そして、10位圏内はすべて2点台。セリーグまではいかないですが、パリーグも同じような感じです。まさに、絵に描いたような「投高打低」ですね。

それでは、なぜここ数年で「投高打低」となってしまったのでしょうか。いくつかのファクター(要因)を考えてみます。

 

投手の平均球速アップ

ひと昔前、150kmを投げる投手はほんの一握りしかいませんでした。野茂英雄、与田剛の時代から、松坂大輔や藤川球児の時代、150kmを出せる投手は限られていました。

そして大谷翔平や佐々木朗希の時代には、150kmは当たり前となり、昔では考えられなかった160kmを出せる時代に入ってきました。ちなみにこの二人は高校時代に160kmを計測しています。

科学的なデータによると、球速が速くなればなるほど「被打率(打たれる率)」が低くなるという数字があります。

たとえば、ピッチャーの球速が140kmの場合、打者への到達時間は「0.45秒」です。打者はスイングすると決めてからインパクトまで、どんな打者でも「0.26秒」はかかるため、残りの「0.19秒」で球を見極め、打つか打たないかの判断をしなくてはなりません。

つまり、球速が速ければ速いほど、バッターは見極める時間が少なくなり、打つのが難しくなるということです。ここ最近のピッチャーの平均球速は上がっているため、シンプルに打たれなくなったという説です。

 

科学的トレーニングと最新機器

それでは、ピッチャーはどうやって球速を上げているのでしょうか。
そのヒントは、近年どんどん進化する科学的なトレーニングや数値解析にあると思います。

まず、試合における選手のすべての動作が「トラックマン」という計測器によりデータ化されています。投球の初速、終速はもちろん、回転数、回転軸、ホップ成分など。「トラックマン」は弾道ミサイル迎撃用に開発された軍事用の製品なので、めちゃくちゃ細かくデータが取れるのです。

そして、すべての数値データが明らかにされているので、投球フォームの修正や、どこの筋力を鍛えれば良いかなどが分かりやすくなり、効果的に改善することができます。

これをオフシーズンのトレーニングの時から地道にやっていくので、投手の力が年々上がっていくのだと思います。

 

小刻みな投手交代

あと、投手の地力がついてきただけではなく、試合を進めていく上でのチームの戦略も、時代とともに変わってきました。

昔の投手は完投(一人で投げ切る)してナンボでしたが、今は継投するのが当たり前です。

先発投手はまずは5回を投げ切ることが第一で、その後はセットアッパー(中継ぎ投手)が小刻みにつないでいき、最後はクローザー(抑え投手)がゲームを締めます。

しかも、中継ぎ投手だからと言って、力が落ちるわけではありません。むしろ、先発投手よりも球速の速い投手が揃っています。

つまり、先発投手が疲れてきて、そろそろ打ちごろかなという時に、中継ぎの活きの良い投手がバンバンつぎ込まれてくるわけですから、バッターとしては、たまったもんじゃありません。

 

打者のパワーアップと技術向上が待たれる

それでは、バッターの方はというと、もちろん「トラックマン」によるスイングの数値化や解析はできるのですが、まだ投手のレベルに追いついていないというのが実情です。

なぜなら、投手は「自分でどう投げるか」だけの問題ですが、打者の方は、「相手が投げた球に対してどう対応するか」なので、投手よりも難易度が上がるのです。

近年、投手は平均球速が上がっている上に、変化球の種類も増え、曲がり方も進化を遂げているため、打者としては、より難易度が上がっています。

そんな中、今年から高校野球では新たに「低反発バット」が導入されました。このバットでは、本当に「芯」に当たらないと飛んでいかないため、打者としては技術の向上が求められます。

プロ野球が「投高打低」だから、打者の技術向上のために導入されたわけではないのですが、今後、打者のレベルがどうなっていくのか、注目したいところです。

 

最後に

近年の「投高打低」問題は、専門家がさまざまな理由を挙げていますが、これ一つという要因ではなく、いくつもの要因が重なっているからだと思います。

一方で、こんな陰謀論まであります。
NPB機構が、密かに「飛ばないボール」を採用しているのではないか?というものです。

打撃戦よりも投手戦になった方が試合時間が短縮されるからです。つまり、長くなりがちな野球観戦を、意図的に短縮させる目的では?という説です。

さすがにこれは深読みしすぎだと思いますが。
皆さんはどうお考えでしょうか。

それではまた。

 

 

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