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オリンピックのあらゆる側面

 

こんにちは。人材開発の冨田です。

開会式まで4か月を切った東京オリンピック・パラリンピックですが、まだ開催が決定していないという異常事態が続いています。
アスリートの皆さんはどういう思いで練習に取り組んでいるのでしょうか。

 

ところで、スポーツの祭典と言われるオリンピックですが、実に様々な競技がありますよね。東京オリンピックでは33競技あります。

花形の陸上競技や水泳、日本でメダルが狙える柔道や野球、マイナー競技としては、カヌーやスケートボードやトランポリンなどがあります。

それらに出場する選手もさまざまで、高額年俸をもらっているプロの選手もいれば、普段アルバイトで生計を立てながら金メダルを目指すアマチュア選手もいます。

たとえば後者のアマチュア選手でいうと、もしオリンピックで活躍してメダルを取ったとしたら、その後の人生が劇的に変わるくらいのインパクトがあると思います。

メディアに露出が増えたりスポンサーがついたり、アルバイトをしていた時期からはそうとう環境が変わると思います。

 

一方で、たとえばプロ野球選手でいうと、もちろん選ばれれば光栄なことだし出場したいと思ってはいますが、そこでメダルが取れる取れないで何か大きく環境が変わることはありません。

報酬においても、レギュラーシーズンの成績で評価されるわけだし、彼らにとってオリンピックというのは、「良い経験が積める」というベネフィットだけなのかもしれません。

もっと言えば、メジャーリーガーはそもそも出場すらさせてもらえません。
なぜなら、オリンピックよりメジャーリーグの方が大事だからです。
野球で世界一を決める大会というのは、オリンピックではなくて、メジャーリーグでありワールドシリーズなのです。

サッカーもラグビーもそうですよね。オリンピックよりもワールドカップの方が大事なのです。

なので、そのようなプロスポーツとしてメジャーな競技においてのオリンピックというのは、どうしてもプライオリティが低くなりがちで、出場選手も主力ではなく若手中心で構成されます。

 

一方、陸上競技や水泳などは、頂点の大会といえばオリンピックになるでしょう。
オリンピックでメダルを獲得できれば、たとえ引退した後でも仕事に困ることはなく、本人にとっては生涯の勲章となるでしょう。

 

たとえば卓球の話でいうと、世界のレベルでは中国が群を抜いていて、中国では代表選手になることがとても困難です。

そこで、そこそこ実力のある中国人選手は世界各国へ飛び出し、その国に帰化してオリンピックへ出場します。

実力はあっても中国で代表選手になれなければオリンピックへ出場できませんから、国籍を変えてでも出場したいわけです。

日本でも猫ひろしがカンボジアへ帰化して、マラソン選手としてオリンピックへ出場しましたよね。彼はいまカンボジア人です。

 

このように、それぞれの競技や選手によってはオリンピックへの想いの強さが違います。
並々ならぬ想いで人生の目標にして頑張っている人がいる一方で、まあ出れたら嬉しいなぁ程度で考えている人もいます。
現実的にはこんなにも温度差があるのではないでしょうか。

 

あともう一つ、別の視点でオリンピックを見てみます。

いわゆる「商業化されたオリンピック」という側面です。

 

まず、IOC(国際オリンピック委員会)の収入源は何かと言いますと、一番大きなウエイトを占めるのが放送権料です。
各国の主要な放送局と契約していて、一番大きいのがアメリカの放送局(ABCとNBC)です。

そのほか、TOP(THE OLYMPIC PARTNER)と呼ばれる一業種一社限定の企業からの巨額のスポンサー収入があります。

そして、これらの収入からおよそ9割は、各国のオリンピック委員会、開催国の組織委員会、そして国際競技連盟(IF)を通じて選手たちへ配分されるということです。

選手たちに報酬がしっかり行き渡っているなら良いのですが、大会そのものは選手ファーストではなく、放送権ファーストになっています。

どういうことか。

たとえば、東京オリンピックのマラソン競技ですが、夏場の暑さを軽減させるために時間を早めるという方法ではなく、時間帯は変えずに場所を札幌に移したという出来事がありましたが、あれは放送権のためなのです。
つまり、アメリカ時間でのゴールデンタイムを外さないように、スタート時間は変更しなかったわけです。

その他でも、競技によってはなんでこんな時間に行われるのかという不思議なことが起こっていますが、これも放送権(つまりはスポンサー)のためなのです。

つまり、莫大な金額の放送権料を支払っている各国の放送局(メインはアメリカ)が一番優先されるというわけです。

 

あと、昨年新型コロナでギリギリまでオリンピックの開催を粘っていたと思いますが、やはり放送権の問題があったのです。

秋に延期する案があっても良かったと思うのですが、秋は各スポーツのイベントが目白押しなので、放送権を鑑みると、そこにブッキングするということは出来ませんでした。

1年延期があの時点ではベターな選択だったのでしょう。

 

とにもかくにも、先日聖火リレーがスタートして開催に向けて前進している東京オリンピック・パラリンピックですが、今回は開催しても赤字、中止になればもっと赤字となります。(そして都民や国民がその負担を強いられることになると思います。。)

でも、せっかく開催するならば、この東京大会を「選手ファースト」に戻す良いきっかけにすれば、とても意義がある大会になるのではないかと思います。

 

 

 

 

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