ムダなことは豊かさだ
こんにちは。人材開発の冨田です。
世の中いろいろ便利になりましたね。仕事においても私生活においても。
昔、電車に乗るために切符売り場の長蛇の列に並んでいたのが懐かしいです。
Suicaの登場で切符売り場へ並ぶこと自体が無くなりました。
買い物をする際も財布を開けて1円単位で数えてお会計をしていましたが、いまではSuicaで「ピッ」で終わりです。
そのおかげでレジ待ちの時間も劇的に短くなりました。
仕事においても、物理的な「紙」を使う頻度が少なくなりました。
クラウド上で日々の業務を行い、電子契約を結んだり、見積書や請求書も電子で送付したり。
当然ながらPCも一人一台あり、PCの空き待ちというのもありません。
いろいろと便利になりましたね~。
そしてこの便利さは「逆行」する事はありません。わざわざ不便なやり方に戻して無駄な時間をかけることはないでしょう。
ただ、そんな中、わざわざお金を払ってまで不便な行為をすることがあります。
たとえば、自動車のマニュアル(MT)車です。
いまやオートマチック(AT)車が当たり前だし、もっと言えば自動運転アシスト機能もついていて、人間が操作することはどんどん減ってきています。
それなのに、わざわざマニュアル車を選んで乗る人というのは、どういう人なんでしょうか。
スポーツカーや昔のクラシックカーなどがそれに当たります。
昔はマニュアル車しか無かったので、めんどくさい手動変速操作を「せざるを得なかった」のですが、いまの時代にわざわざ高いお金を払ってでもマニュアル操作をする人は、完全に「趣味嗜好」のためだからです。
スポーツカーに乗る人は、サーキット場でレースを楽しんだり高速道路で加速度を楽しんだりします。
クラシックカーに乗る人は、昔のレトロ感(味わい)を楽しみます。昔の車はオートマチックどころかエアコンも無かったりしますからね。
他の例でいうと、音楽鑑賞があります。
昔はアナログレコードに針を落として聴くしか手段がありませんでしたが、今やもうストリーミング配信の時代となり、物理的な「モノ」自体がありません。
この音楽媒体の遷移が分かりやすいですよね。
ラジオ → アナログレコード → カセットテープ → CD → MD → iTunes(MP3) → ストリーミング配信
このようにどんどんコンパクトになっていき、最終的には無形化(データ化)しました。
しかしながら、この現代においてもアナログレコードは存在しています。
わざわざ高いお金を払ってまでレコードプレイヤー(機材)を買い、そしてわざわざレコードに針を落として聴くという行為。
便利さだけを考えれば、とんでもない手間と時間がかかります。
それでも、「趣味嗜好」の音楽鑑賞としては一定の需要があるわけです。
レコードの音というのは、曲の途中で「ビリッビリッ」と、アナログならではの雑音がします。
これがマニアにはたまらないわけです。
あと最後に、登山の例です。
山のてっぺんに行きたいならヘリコプターやロープウェイで一気に行ってしまった方が早いです。
それをわざわざ自分の足で一歩一歩登っていくわけです。
汗をかきながら、足を痛めながら。
でも、登山をする人は、その登る過程を楽しんでいるのです。
苦しい思いをして登頂した時の達成感、感動。
これがたまらないわけです。
さていかがでしょうか。
いずれのケースも、不便なことを「せざるを得なかった時代」があります。
それらを、テクノロジーで劇的に便利にしていったのにもかかわらず、今や「わざわざお金を払ってまでする時代」になったわけです。
これって、お金を支払って「ムダな行為」をしているということですよね。
普段の生活においては効率的に時間を使って、趣味嗜好の時間には思いっきり「ムダな時間」を過ごす。
これはつまり、「豊かさ」の現れだと思います。
「ムダな時間=豊かさ」 ということだと思うのです。
「ムダ」なこと、もっとしていきましょう。
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