「自己肯定感」は万能薬ではない
こんにちは。冨田です。
近ごろ、「自己肯定感」という言葉をよく聞くようになりました。書籍のタイトルなんかにもよく使われますね。自己肯定感が高い、低いなんていう風に言います。
自己肯定感とは、その言葉の通り「ありのままの自分を肯定する感覚」のことです。 つまり、自分を他者と比較することなく、自分自身が「今の自分」を認め、尊重してあげることで生まれる感覚です。
さてここで、イチローさんが自己肯定感についてこんなコメントをしています。
「自分を肯定するのは、僕は凄く抵抗があります。自己肯定が強い人って、ストレスフリーで楽しそうに仕事するみたいな感じですか?それってどうなんですかね。
その人たちは、人としての厚みが生まれるんだろうか。瞬間瞬間はいい仕事ができるんだろうけど。
明らかにダメなのに否定されない。自分でもいいことしか振り返らない。第三者からも指摘されない。僕は堕落すると思いますけどね。
人が最悪になるときって、自分が偉いって思った人たち。最悪というか魅力的じゃない。それが生まれるんじゃないかと。これが強すぎる人は」
いかにもイチローさんらしい意見ですね。
「自己肯定感」は、イチローさんの現役時代には無かった言葉ですし、最近までその言葉自体を知らなかったようです。そして、イチローさんにはまったく持ち合わせていない感覚というわけです。
あらゆる書籍で「自己肯定感を高めよう」と提案していて、世の中的にもそんな風潮が「是」とされている中、あのイチローさんが真っ向からそれを否定しています。
さて皆さん、これをどう捉えますか?
私の中では明確に答えは出ていますので、それを今から説明します。
結論から言うと、「人のステージ」によって、「自己肯定感」は良くも悪くもなる。ということです。
どういうことか。
たとえば、学校で友達がほとんど居なくて、クラスの中でも発言することはなく、存在感の薄い生徒が居たとします。
運動は苦手で、勉強もできるわけじゃない。何をやってもダメダメで、学校の中で日の目を浴びることは皆無です。
他方で、勤めている会社でいつも営業成績は下位の方、ミスも多くて上司にいつも怒られている会社員が居たとします。
毎回毎回お客さんや上司に怒られるため、月曜の朝はいつも憂鬱で、会社を休むこともしばしば。
どちらの人も、毎日が憂鬱で楽しくない。社会から疎外されているような気がして、毎日生きづらさを感じている。こういう人たちは少なくないと思います。
このような人たちにとって、「自己肯定感を高めよう」という切り口は悪くないと思います。
どんな人にも良いところはあり、好きなこと、得意なこともあります。他の誰かと比べる必要はなく、自分が自分であれば良いわけで、自分自身で認めてあげれば良いのです。
この社会に居ていいんだという安心感、そして「自己肯定感」を高めようということです。
一方で、イチローさんのように世界で戦っている一流の人たち。いや、そこまでいかなくても、スポーツの世界で競い合っているアスリートたち。あるいは、ビジネスの世界でゴリゴリマッチョに働いている人たち。
こういう人たちにとって、「自己肯定感」は無縁だと思います。とにかく自分を高めることに必死で、毎日鍛えて自己研鑽して、昨日よりも今日、今日よりも明日と自分をグレードアップさせます。そしてライバルに勝ちたい、一番になりたいと。
彼らは自己を肯定している暇はありません。常に自分を追い込んでいます。なので、冒頭のイチローさんのコメントになるわけです。
まとめ
つまり、自己肯定感とは、人によっては救われる言葉にもなり、人によっては堕落の言葉にもなります。それぞれの「人生のステージ」において、良くも悪くもなるわけです。
もともとダメ人間で、社会から疎外されていたような人も、ある時からブレイクして、いまはビジネスの第一線で戦っている人もいます。
逆に、一時は大成功して日の目を浴びた人も、ある時期に大失敗して、奈落の底へ突き落とされた人もいます。
「自己肯定感」は、弱っている自分に使う言葉として機能します。その状況になった時に、引っ張り出してくれば良いのです。
ということで、今日は「自己肯定感」について掘り下げてみました。この言葉は、いつも出し入れ可能な状態にしておけば、とても便利な言葉だと思います。
それではまた。
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