質問力の違い
こんにちは。人材開発の冨田です。
さて今日は、「質問力」について説明したいと思います。
まず「質問力」には大きく分けて二つ種類があると思います。
一つは、「ビジネスにおける質問力」、
もう一つは、「カウセリングにおける質問力」です。
まず一つ目のビジネスにおいての質問力ですが、これは相手に対していかに「聞きたい情報」を聞き出せるかという、とても重要なビジネススキルだと思います。
会話はキャッチボールと同じなので、しっかりと相手の胸あたりに良い球を投げられるか。
良い球を投げれば相手も体制を崩すことなく投げ返しやすくなる。
そうすることでお互いスムーズにキャッチボールができます。
良い質問というのは、お互いが気持ちよくキャッチボール(会話)ができるための大事な要素だと思います。
ところで、私はホリエモンのメルマガを購読しているのですが、その中にQ&Aコーナーというのがあり、購読者から毎週100件ほどの質問があります。
その全ての質問に対してホリエモンが回答していくのですが、一言だけ「はい」の時もあれば、数行にわたってガッツリ回答することもあります。
この回答の差は、質問者の「質問力」が大きく関わってくると思います。
まず、何を聞きたいのか分からない質問、漠然としている質問、このような質問には容赦なく「質問の意味が分かりません」と切り捨てます。
例えばこんな質問。
「新型コロナのワクチンを恐れている人たちがいますがどう思いますか?」
この質問は何を聞きたいのか分かりません。焦点が定まっていない、ざっくりとした質問ですね。
「どう思うか」という質問は、「何に対して」という具体的な前提がないと答えようがないわけです。
質問には前提を加えて具体性を出すことが必要です。
例えば、
「新型コロナのワクチンを異常に恐がっている人たちがいますが、その人たちにワクチンを正しく理解してもらうためにはどのような方法があると思われますか?」
このように、聞きたいことをしっかり前提に加えれば、何を聞きたいのか焦点が定まってくると思います。
あるいは、客先での商談の場においても「質問力」は重要になってきます。
お客さんから有益な情報を聞き出してこないと、帰ってから上司に𠮟られてしまいますよね。
それらを聞き逃さないためにも、訪問前に聞きたい質問を箇条書きにしておくのが良いと思います。
営業は準備が大事だと言われますが、やはり事前にどれだけ準備出来ているかは大きいと思います。
また、事前に相手の情報を調べおかないと相手に対しても失礼にあたります。
こんなことも下調べして来ないのかと、イラッとされてしまいます。
そして、相手の情報をうまく前提に付け加えながら質問を組み立てると効果的です。
例えば、
「御社は最近A社と資本提携されましたが、これはA社の販売チャネルを活かした何か新しい事業戦略をお考えなのでしょうか?」
とか、ちょっとデキる人っぽい質問ですよね(笑)
ということで、ビジネスにおいての「質問力」というのは、相手が興味を引く話題を提供することで、相手からの有益な情報を引き出せるスキルのことです。そのような質問が良い質問と言えます。
そしてもう一つの質問力、「カウンセリングにおける質問力」についてですが、ビジネスにおいての質問力とは毛色が違います。
カウンセリングやコンサルティングの場においての「質問力」というのは、相手に「考えさせる質問」が良い質問と言えます。
まず、相手は何かしらの「悩み」や「課題」があって相談しに来ている人ですから、それを解決していくためには、自分は聞き役に徹し、なるべく相手に話させて考えさせることが重要となります。
相手が何を思い、何をしたいのか、これからどうなりたいのか、それらを自分自身で考えてもらい、まずは自己理解を深めてもらうことから始まります。
その際のポイントは、こちらからはなるべく提案をしないことです。
質問だけ投げかけて、しっかり自分の頭で考えてもらい、脳に汗をかいてもらい、絞り出してもらいます。
そこで出てきた言葉を拾い、さらに深ぼって質問をしていきます。
そうしていくことで本人の心の本質に近づいて行きます。
自分はどうしたいのか。どうありたいのか。
どういう時にワクワクするのか。どういう時に幸せを感じるのか。
逆に、これだけはやりたくない、絶対に嫌なこと。
特に、その人の「感情部分」にフォーカスして質問してあげると効果的です。
なぜそれをすると嬉しいのか、なぜそれをすると嫌なのか。
そして、自分自身が絞り出して答えたものが、イコール回答なのです。
自分では気づかなかったことを気づかせてあげることが、カウンセリングにおける良い質問と言えます。
ということで、それぞれの「質問力」について解説しましたが、最後に、最も大事な質問は何かというと、「自分への質問」です。
他人に聞くようなことを、自分自身に問いかけてみてください。
自分は何をしたい?どうありたい?
何をしている時が一番楽しい?
逆にこれだけは避けたいこととは?
ぜひ自分に質問して、思考してみてください。
これこそが究極の「質問力」です。
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