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ホームレスというライフスタイルを選ぶ人たち

 

こんにちは。人材開発の冨田です。

日本には、ホームレスはどれくらい居るのでしょうか。

ある調査によると、2019年時点で4555人とのことです。この人数が、多いのか少ないのか分かりませんが、ひとつ言えることは、この数字に含まれていないホームレスの人は、まだまだ潜在的にたくさん居るということです。


そもそも、日本には生活保護という制度があり、最低限の生活は保障されているにも関わらず、彼らはそれを受けずにホームレスの生活を選択しています。

そして、仕事もしています。働いている人の7割は、(アルミ製の)空き缶集めをしていて、その他では、日雇いの仕事(建築系や看板持ち等)をして、平均月収は3万8千円とのことです。

彼らは、国の税金に頼らず、自ら稼いだお金で生活をしています。そういう意味では、自立した生活を送っていると言えます。


しかし、ホームレスは、厳密にいえば「軽犯罪法」に抵触しているのです。第1条4号には、「生計の途がないのに、働く能力がありながら職業に就く意志を有せず、かつ、一定の住居を持たない者で、諸方をうろついたもの」とあります。

しかしながら、何よりも優先される「日本国憲法」には「自由権」というものがあります。つまり、ホームレスも、自由権を行使していると言われれば、それはそれでひとつの生き方として、社会は許容しなくてはいけないのでしょうね。


さて、そんなホームレスの人たちは、いったいどこで暮らしているのでしょうか。

たとえば、3ヶ月未満の初心者ホームレスの多くは、公園で寝ています。3ヶ月から6ヶ月になると、駅舎の割合が高くなり、1年から5年未満だと道路の割合が高くなります。

そして、5年以上になると、「河川敷」の割合が一気に増えます。これが10年以上となると、河川敷が全体の「33.4%」となり、公園の「32.9%」を上回ってトップに躍り出ます。

たしかに、ホームレスが居るイメージは、「河川敷」だったり「公園」だったりしますね。

ちなみに、ホームレスが選ぶ河川敷は、国が管理している河川です。なぜかというと、自治体が管理している川は、国が管理している川よりも、ピンポイントで政策を打てるため、ホームレスが″追い出されやすい“のです。(国の管理している代表的な川は、多摩川、荒川、江戸川、大阪の淀川)


それはそうと、そもそもなぜホームレスになったのかという理由ですが、それはもう、人それぞれです。

会社を潰してしまい自己破産をした人、ギャンブルに溺れてしまい、文無しになった人、家族に先立たれ、独り身になった人。何にせよ、なりたくてなったわけではありません。

ですが、前述のように、生活保護を受けられるのにも関わらず、それを選択せずにホームレス生活をしてる人は少なくありません。

生活保護は、最低限の生活は保障されていますが、共同生活などの制限もあり、彼らにはとっては、どうやらストレスがたまるようです。

それよりも、自由気ままに一人で生きていく方が「気楽でよい」という考えなのです。


多摩川沿いのタワーマンションで、下界を見下ろすように暮らす人たちがいる一方、その河川敷で「最底辺の暮らし」をしている人たちもいます。同じ人間なのに、こんなにも人生が変わってしまうのですね。

ただ、この光と影のコントラストもまた、人間社会の味わい深い部分と言えるのではないでしょうか。


なお、最後に付け加えておきたいと思いますが、タワーマンションで暮らす人が、必ずしも「幸せとは限らない」ということです。

世間体というプレッシャーから「ストレスフル」な生活を送っているかもしれません。それに比べると、河川敷で「ストレスフリー」に暮らすホームレスの方が、「幸せに生きている」とも言えます。

それでは、また。

 

 

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