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似ているようでこんなにも違う日本とドイツ

 

こんにちは。人材開発の冨田です。

ドイツはいま、16年勤め上げたメルケル首相のあとに誰がなるのか注目されていますが、総選挙後の連立交渉がなかなか進まないようですね。


さて、そんなドイツと日本ですが、第二次世界大戦で大敗した国同士、どこか親近感を感じます。世界のGDPも日本3位、ドイツ4位と似通っています。そして自動車産業が柱であることも。

今日は、ドイツと日本の何が違うのか、国民性や文化、そのあたりを解説いたします。

 

働き方の違い

GDP世界3位と4位の国でも、働き方には大きな違いがあります。それを表している数字があります。

「国民一人当たりのGDP」では、ドイツは10位、日本は21位。そして「国民一人当たりの労働生産性」はドイツ13位、日本は26位です。

この差は労働時間にあります。


日本は残業が多いですよね。日本の職場では、何となく先に帰りにくいという「空気感」があるためです。

一方でドイツは、「なんで帰らないの?」「8時間で終わらないくらい生産性が低いの?」と見られます。

そもそもドイツは法律が厳しく「労働時間法」というのがあり、「1日の労働時間は8時間を超えてはならない」とされています。(特別な事情の時だけ10時間)


そして、有給取得率についてもまったく違います。日本では最近やっと「年間で5日間は取らせなさい」という法律ができましたが、ドイツでは言われなくても年間30日間取るのが普通です。

日本では体調不良で有給を取ることがありますが、ドイツではあり得ないようです。有給はリフレッシュするためのもので、1ヶ月間まとめて取って海外旅行に行く人も珍しくないです。

そのあたりは社会通念的にOKなので、他のメンバーみんながカバーし合うというコンセンサスが取れています。


あと、合理的な考え方のドイツでは、ムダな会議がありません。日本は会議が多いし、会議に臨む前に根回しや準備にも相当時間を取られます。


逆に、日本の良い面というのは、サービス業の「おもてなし精神」です。

お客様に対しての失礼のないサービス、先回りしてあげるサービス、笑顔での接客。

これは日本では当たり前ですが、ドイツではそんな接客サービスはありません。ドイツは「サービス砂漠」と言われるほどサッパリです。

合理的で効率重視の考え方なので、余計な仕事はしないということなのでしょう。

 

教育の違い

まず大きく違うのが、ドイツでは大学までの学費はすべて「無料」だということです。

日本は小学から大学まですべて公立の場合690万円、すべて私立の場合は2033万円が掛かります。

そして、学校での教育にも大きな違いがあります。

日本は正解を求める「暗記教育」が主流で、試験もマークシート式で正解不正解が明確なことです。

一方でドイツは、学校の試験は「論述」が多く、授業の中でも、あるテーマについて議論するという場を多く設けます。


歴史教育においても、ドイツはとにかく「ナチス」について多くの時間を割きます。他国に対してドイツがいかに酷いことをしてきたか。なぜナチスが生まれたのか。この辺の深い議論をし合うのです。

一方で日本は、太平洋戦争での悲惨な歴史を学びますが、日本はどちらかというと被害者であるという立ち位置だと思います。帝国時代の東南アジアへの侵略についてはあまり触れません。

その割に、体育祭などでは右手を突き上げて敬礼しながら行進をし、整列すれば前にならえをして等間隔で並びます。そしてラジオ体操という一同に行う儀式があったりと、そう、まるで軍隊のようです。

これ、ドイツ人が見るとかなりびっくりされるらしいです。ドイツで右手を上げる行為は御法度ですから。

 

社会保障の違い

まず、今回の新型コロナによる保障範囲に大きな違いがあります。

ドイツは、芸術やアートは生きていくために「必要不可欠である」とし、十分な保障をしました。一方、日本はそれらを「不要不急」と呼びました。

その他、男性の育児参加を促すために手厚い保障をつけたり、そもそも出産費用は無料だったりします。とにかく子供に関する保障が手厚いです。安心して子供を産める国だと言えます。


移民に対しての考え方もまるで違います。

ドイツは少子化による労働力を補うため半世紀前から移民を積極的に受け入れています。とりわけ、難民の受け入れ人数に関しては、世界の中でもトップクラスです。

一方、同じく少子化問題を抱えている日本も労働力をカバーしないといけないのですが、日本は移民に対して超ネガティブです。

そして政府は、「移民と呼ばない移民制度」として「技能実習生」という制度を作りました。

この制度の大義としては、「技能」を「実習」させてあげ、帰国したあと国でその技能を活用してほしいというものです。

でも実質的には、単なる「安い労働力」としての移民に過ぎません。第一産業なんかは、彼らがいないとやっていけない状態です。


労働力という意味においては、日本の「ひきこもり」問題も深刻です。

政府の調査では、半年以上家に引きこもっている人がおよそ100万人いるとのこと。100人に1人がひきこもりという異常事態です。

とりわけ、中高年のひきこもりは深刻です。80歳の親が50歳の子どもの面倒を見るという状態。いわゆる「8050問題」です。

行く果ては、生活保護しかない状態です。

 

まとめ

さて、最後は話がそれていきましたが、日本とドイツの違いについに解説してきました。

島国の日本と、隣国すべて陸続きで繋がっているドイツとでは、地政学的にも違うし、思想や政策など同じになるはずがありません。

どちらが良いとか悪いとかいう話ではなく、お互いの相違点を受け止めて、良いと思うところは積極的に取り入れていけば良いのだと思います。

各国との違いを見ることはすごく勉強になります。よろしければこちらを参照ください。

それではまた。

 

 

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