7月 12 2022

現状維持を破壊して「新たな顧客と市場を創り出す」

こんにちは。人材開発の冨田です。

さて、シリーズ完結編のテーマは、「現状維持を破壊して、新たな顧客と市場を創り出す」です。

既存の市場に対して、まったく「新しいアプローチ」でイノベーションを起こす。そのためには、既存顧客だけに目を向けるのではなく、「潜在顧客」を掘り起こすことが重要となってきます。

iPhoneは、電話・音楽・PCを一体化させた、まったく新しいデバイス（スマートフォン）であり、世界を変えた製品の代表格です。

アップルには、もともとiMacやiPodといった自社製品があるのに、それらを破壊する製品を自ら創り出してしまったのです。他社にやられるのを待つのではなく、自ら過去の栄光を乗り越えていきました。

そして、アップルの凄いところは、単なるハード（デバイス）を売るだけではなく、ソフト（iOS/iCloud）でガッチリとユーザーを押さえたことです。

iPhoneやMac、AppleWatchなど、様々なデバイスが同じソフトウェアで繋がっているため、とても便利で、一度はまると抜け出せません。がゆえに、世界中にアップル信者を作り出し、ユーザーを囲い込むことができたのです。

GoogleやFacebookは、サービスの圧倒的な利便性を「無料」で提供することで、一気に世界シェアを奪いました。Amazonは、自前のロジスティックスを完備することで、効率化を進め、圧倒的な優位性を持つことができました。

GAFAの共通点としては、各国に合わせて「ローカライズ」をするのではなく、世界標準＝「グローバルスタンダード」を作り上げたことです。この点は、日本のガラパゴス製品とよく対比されるところですね。

この本の中では、日本の会計ソフトの領域に、世界中で使われている「黒船」がやってきます。いわゆる、無料で使える「クラウド会計サービス」です。

今まで未開拓だった「個人事業主」や「零細企業」に無料でサービスを提供し、圧倒的なユーザー数を獲得していきます。そして、「機能」は徐々に追加していき、少しずつ使いやすくしていきます。

サービスを無料で使える代わりに、広告が表示されるのですが、表示されるのはいつも購入している備品であり、かつ、安い商品を提案してくれるので、逆にありがたい機能となっています。

ユーザーは、表示される広告企業から物を購入します。なので、クラウド会計ソフトのマネタイズとしては、購入してもらった際の「アフィリエイト収入」というわけです。

さらに、「有料オプション」で24時間対応のサポート窓口を設置しています。つまり、「フリーミアム」と「アフィリエイト」がミックスされている状態です。

ちょっと分かりづかいかもしれませんが、現実の世界にある「freee」や「マネーフォワード」のような、フリーミアムクラウド会計ソフトが近いですね。

このシリーズを通して言えることは、「企業の目的とは、顧客の創造である」というP・F・ドラッカーの言葉に尽きます。

顧客を創るということは、目に見えているニーズやウォンツに応えることではなく、顧客すらも見えていない「潜在的なニーズ」を開拓することです。

それをつかみ取ることは、とても難しく険しい道のりですが、時の革命者はそれを成し遂げています。

とはいえ、世界を変えるようなイノベーションは、一般人では到底無理ゲーなわけで、我々一般人は、もっと身近なことで考えていけば良いと思います。

「新しい顧客の創造」

いまの仕事の延長線上で考えてみてはいかがでしょうか。

それでは、また。

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